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第40回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成21年10月16日(金) 住友クラブ
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1.陽電子ビームによる材料評価研究 〜基礎科学と産業界の接点〜 (会員ページ )
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(独)日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター陽電子ビーム物性研究グループ グループリーダー(研究主幹) 河裾 厚男
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材料研究における陽電子評価手法の役割や意義について、講演者の研究開発事例を挙げながら説明します。具体的には、@陽電子評価法の原理、実験方法と理論計算A陽電子ビームの開発 (エネルギー可変陽電子ビーム、陽電子顕微鏡、全反射陽電子回折)B応用例(燃料電池電解質膜、水素吸蔵合金、半導体ドーピング、ステンレス応力腐食割れ、格子欠陥体物性、表面基礎物性など)C将来展望などについて紹介いたします。
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2.人形峠環境技術センターの現状とこれから(会員ページ )
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(独)日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター 安全管理課(研究副主幹) 石森 有
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人形峠環境技術センターでは核燃料関連施設の廃止措置と鉱山跡措置を実施している。この中で、人形峠産ウランを活用した鏡野町のウランガラス産業への協力など、様々な方策を具体化してきた。さらに、小動物のラドン吸入試験設備を開発し、低線量放射線の生体応答に係る研究を進めている。これらの有効活用方策を含めて、人形峠環境技術センターの現状と今後について紹介する。
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3.低線量放射線による適応応答の機構について(会員ページ )
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大阪府立大学産学官連携機構先端科学イノベーションセンター 放射線生命科学研究室 助教 白石 一乗
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低線量放射線の事前曝露で、次の放射線に対して抵抗性を示す事象を放射線適応応答と呼んでいる。この現象は培養細胞から幾つかの生物種(特にマウス)まで観察報告があり、生物の普遍的な機構であると思われる。細胞系を用いた実験手法により、そのメカニズムが明らかになりつつある一方で、個体で観察されるそれとは異なる点も明らかになっている。講演では、細胞と個体での異なるレベルにおいて観察される放射線適応応答について、相違点に注目して紹介を行う。また、マウスの適応応答における、骨髄幹細胞の役割についてこれまでの実験の経緯を踏まえながら検証を行う。
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会員サロン
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◇コンプトン散乱法による非破壊検査法(会員ページ )
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ポニー工業(株)営業本部副本部長 藤本 真也
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コンプトン散乱を利用した検査手法はセキュリティー対策に対応した手法として、世界中で注目されています。特に米国の911(ニューヨーク貿易ビルテロ事件)以降、テロ対策がより一層強化されるなか、これまで透過式X線検査では検出が困難であった爆発物検出を目的としたハイセキュリティー検査装置として採用されています。本講演ではコンプトン散乱法による非破壊検査法をセキュリティーの観点から紹介いたします。
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第39回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成21年7月17日(金) 住友クラブ
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1.非晶質Si薄膜への軟X線照射による表面原子移動及び結晶化(会員ページ )
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兵庫県立大学大学院工学研究科物質系工学専攻マテリアル・物性部門 教授 松尾 直人
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我々のグループはSOR光、レーザ・プラズマ軟X線(LPX)照射が非晶質半導体薄膜に如何なる現象を与えるかを調べている。本講演においては、@アンジュレータ光源から発生した軟X線を膜厚1nm,
50nmのa-Si膜に照射したときの特性変化、即ち、フォトンによるSi原子の電子励起がトリガーとなり凝集現象を生じる機構、ALPX照射がエキシマ・レーザ・アニール(ELA)によるa-Si薄膜の結晶化に与える効果、即ち、結晶化臨界エネルギー密度を低減する現象、について解説する。
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2.アクチノイドの化学結合特性の解明とイオン認識化合物の分子設計〜高レベル廃液処理化学への新しいアプローチ(会員ページ )
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日本原子力研究開発機構
放射光重元素構造化学研究グループ グループリーダー・研究主幹 矢板 毅
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96番元素であるCmと窒素を結合部位とする中性有機分子との化学結合特性について、X線吸収/発光/共鳴発光分析法(XAS/XES/RXES)および密度汎関数法を用いる量子科学計算などにより明らかにした。この結果を基に、アクチノイドに選択的なイオン認識化合物の分子設計を行い、新規化合物フェナントロリンアミド(PTA)の創製に成功した。この物質は高レベル廃液中に存在する3価アクチノイドの抽出剤としての性能も高く、原子力発電の廃棄物処分への応用が期待される。本発表では、アクチノイドの化学結合特性から、PTA創製、その原子力バックエンド化学への応用について紹介する。
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3.誘導加速方式を用いたKEKデジタル加速器の開発と物質・生命科学への応用(会員ページ )
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高エネルギー加速器研究機構
加速器研究施設 教授 高山 健
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KEKの既存500MeVブースターシンクロトロンをRFQやDTLの様な大型の入射器を必要としない小型の誘導加速シンクロトロン(デジタル加速器)に改装中である。誘導加速セルを駆動するスイッチング電源のゲート信号を周回するビームの信号を元に作るので原理的には任意のイオンの加速が可能である。低コストの癌治療重イオン加速器、新機能性材料創成、高温高密度物性研究、突然変位を利用した微生物育種等への応用が期待されている。
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4.放射線と物質との相互作用―基礎研究の現状とその応用・社会との接点―(会員ページ )
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日本原子力研究開発機構
先端基礎研究センター・センター長 籏野 嘉彦
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レントゲン、キュリーらによる放射線の発見以降100年間にわたる放射線作用基礎研究をまとめたIAEA国際プロジェクト(1985-1995)への参画、「荷電粒子およびフォトンと物質との相互作用」A.Mozumder,
Y.Hatano編、Marcel Dekker, New York(2004)およびその続版(Y.
Hatano, Y. Katsumura and A. Mozumder編,Taylor & Francis, Boca
Raton(2010))の編集・執筆活動を踏まえて、放射線作用初期過程、基礎過程研究の最近の進歩とその波及効果としての応用・社会との接点に就いて多くの例を挙げて説明する。
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第38回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成21年4月17日(金) 大阪大学中之島センター
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1.アジサイ中のアルミニウム濃度分布(会員ページ )
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京都府立大学大学院生命環境科学研究科
教授 春山 洋一
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紫陽花は植物にとって毒になるアルミニウムを取り込んで花色を変化させていると言われている.私達は粒子励起X線法(PIXE:ピクシー)を用いて,紫陽花中のアルミニウム濃度を測定した.紫陽花は多くの栽培品種があるが,概して,アルミニウム濃度は青花は赤花より高いこと,葉では花より高いことなどが分かった.また,アルミニウムが葉の中にどのように分布しているのかをマイクロビームPIXEを用いて測定した。
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2.放射線・放射能の利用と課題−放射能供給の危機が核医学診断の危機を招く−(会員ページ )
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日本原子力研究開発機構
客員研究員 柴田 徳思
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我が国では放射線や放射性同位元素が研究開発、産業、医療など広い分野で用いられている。放射性同位元素の多くは輸入されていて、半減期の短い核種では、製造所や輸送のトラブルが、利用上大きな支障となる。診断で多用されているテクネチウムは典型的な例で、全てが輸入されていて、製造は老朽化した原子炉で行われているために、近い将来大きな問題となる可能性がある。
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3.放射線が誘起する表面活性効果について(会員ページ )
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京都大学原子炉実験所 教授 三島
嘉一郎
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酸化チタンに紫外線を当てたときの光触媒効果はよく知られていますが,ガンマ線でも同様の効果が発現します。これを放射線誘起表面活性(RISA:
Radiation Induced Surface Activation
)と呼んでいますが,そのメカニズムは完全に解明されているわけではありません。この講演では,現在考えられているRISAのメカニズムについて説明し,RISAによる伝熱促進効果や防食効果,RISAを利用した放射線計測などの研究の現状を紹介します。
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会員サロン
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◇大阪府立大学:みんなのくらしと放射線展25回の歩み(会員ページ )
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大阪府立大学産学官連携機構 教授 奥田 修一
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元大阪府立放射線中央研究所の有志によって始められた放射線展は、現在「みんなのくらしと放射線」知識普及実行委員会(構成9団体、事務局:大阪府立大学)が主催し、日本における有数の放射線展として、継続されています。これまでに親子を中心として、のべ40万人を超える来場者がありました。昨年は、25回の節目をむかえ、また日本原子力学会関西支部の功績賞を受賞しました。これまでの歩みをご紹介します。
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第37回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成20年10月17日(金) 住友クラブ
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1.実験室における微小部・微量蛍光X線分析法(会員ページ )
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大阪市立大学大学院工学研究科化学生物系専攻・教授 辻 幸一
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蛍光X線分析法は非破壊的に大気圧下で元素分析ができるという特徴を有する。この特徴を活かしつつ、ポリキャピラリーなどのX線集光素子を用いた微小部・2次元・3次元の蛍光X線分析が実験室で可能になってきた。さらには、全反射現象を利用することによりppbレベルの微量分析が迅速にできるようになった。本講演では、このような蛍光X線分析の研究動向と応用例について紹介する。
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2.放射能の環境研究利用(会員ページ )
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名古屋大学大学院工学研究科・准教授 山澤弘実
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環境中放射性核種の動態に関する研究は主に被ばく線量評価の観点で行われている。一方、環境中の放射性及び非放射性同位元素は環境中物質移行の有力なトレーサとなり得るため、種々の環境研究に利用されている。大気・地表面環境中に遍在するラドン222及び炭素14を、それぞれ大気中物質移行及び温暖化に関連する炭素循環解明研究に利用した研究の概要を紹介する。
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3.ICRP新勧告に関する話題(会員ページ )
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放射線医学総合研究所・放射線防護研究センター長 酒井一夫
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昨年、17年ぶりに国際放射線防護委員会(ICRP)の主勧告の改訂が行われた。線量限度等に大きな変更は無いものの、放射線防護3原則のうちの「最適化」の重視、従来の「行為」と「介入」という分類に替わる「被ばくの状況」という概念の導入、主勧告としては初めての「環境の防護」への言及など、注目すべき点も多い。新勧告を受けたIAEA安全基準の改訂や国内法への取り入れに関する動きなどを含めて紹介したい。
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会員サロン
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◇株式会社オー・シー・エル:株式会社オー・シー・エルにおける研究開発の最近の話題(会員ページ )
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設計部 基本設計・解析グループ 阪田 陽二
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弊社は、使用済核燃料輸送用キャスク保有、リース、保守を主たる業務とする会社としてスタートし、現在では「キャスクの総合エンジニアリング会社」としてキャスクの設計・解析、付帯設備の設計、関連工事等まで業務範囲を広げている。原子力産業界においては、使用済燃料の中間貯蔵を含めた原子燃料サイクルを構成する原子燃料物質等の輸送を担う役割が増大している。このような輸送の分野において弊社が行っている研究開発内容について紹介する。
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◇関西電力株式会社:関西電力グループ「関西電子ビーム株式会社」のご紹介(会員ページ )
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〜電子ビームテクノロジー利用について〜
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関西電力褐エ子燃料サイクル室サイクル事業グループ・マネジャー 隅谷 尚一
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関西電力株式会社は、グループ会社である「関西電子ビーム株式会社」を本年3月17日に設立しました。福井県美浜町を候補地に、平成22年度内の操業開始を目指して、商用照射で国内最高エネルギーの10MeV電子線照射施設の建設を進めていく予定です。今回、その取組み状況をご紹介いたします。また、本施設を大学や企業等の方々にも利用して頂き、電子ビームテクノロジー利用による新製品、新技術の研究開発されることを期待しています。
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第36回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成20年7月18日(金) 住友クラブ
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1.インテリジェント触媒の放射光による自己再生機構の解明(会員ページ )
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(独)日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門・放射光科学研究ユニット
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X線量子ダイナミックス研究グループ
グループリーダー 西畑 保雄
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ガソリンエンジンの排気ガス浄化用として貴金属(Pd,
Pt, Rh)を固溶させたペロブスカイト型酸化物(インテリジェント触媒)は、排気ガス中の酸素濃度の自然な変動に構造応答し、貴金属微粒子を実質的に小さく保ち続ける。そのため、高い触媒性能を維持しながら、貴金属使用量を大幅に削減することができる。第三世代大型放射光施設SPring-8で明らかにされた、触媒の自己再生機構について解説する。
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2.パルス重イオンビーム照射による固体内からの弾性波(会員ページ )
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(独)理化学研究所・仁科加速器研究センター 加速器応用研究グループ
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グループディレクター 神原 正
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運動エネルギーがGeV領域の高速重イオンは、固体中にmm程度の深さまで入り込んでその末端付近で大きなエネルギーを与え、その結果固体内部で歪みや応力などが生じる。その動的な過程を知るため、短パルスのイオンビームで固体試料を照射して、試料表面で非破壊検査用の超音波検出器により弾性波を観測し、その波形・振幅・伝播時間を地震学の手法で解析した。理研のリングサイクロトロンで行われた実験について紹介する。
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3.イオンビームによる水蒸気分解・水素生成酸化物セラミックス触媒の研究(会員ページ )
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名城大学理工学部 教授 森田 健治
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現在、水素エネルギー社会の実現を目指して、水素および水素化物の研究が基礎から応用にわたり幅広く実施されています。筆者は核融合材料や燃料電池材料中の水素の動的振る舞いを、MeVイオンビーム分析法(ERDA法)による水素の深さ分布測定に基づき、調べてきました。その過程で、酸化物セラミックス中にイオン注入された重水素(D)が大気空気・水蒸気中の軽水素(H)と短時間で置き換わることを偶然見付けました。この現象がイオン注入された酸化物セラミックスの水分解水素ガス生成の触媒効果によることを明らかにしました。
この触媒効果を水素製造装置として実現するため、触媒機構の解明に取り組んできました。講演ではこれまでに得られた研究成果を紹介します。
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4.粒子ビーム照射による物質ナノ構造の破壊と創製(会員ページ )
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兵庫教育大学 自然・生活教育学系 物理教室 教授 庭瀬 敬右
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粒子線照射や衝撃圧縮のような極限環境下では物質の初期構造は破壊されるが、ナノ構造でみると新たな物質が創製されることがある。今回、黒鉛の照射欠陥とフラーレンの局所構造が類似している可能性や、低温電子線照射ではスパッタリングが金属表面でのナノパターンの自己組織化を引き起こす現象を紹介する。また、衝撃圧縮の方法ではC60フラーレン薄膜から炭素空洞球やアモルファスダイヤモンドが創製され、破壊と創製は表裏一体であることを示す。
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第35回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成20年4月18日(金) 住友クラブ
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1.地下水の年代測定と水資源としての地下水の位置づけ(会員ページ )
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京都大学原子炉実験所・教授 馬原 保典
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我国では年間に877億m3の水利用があり、そのうちには130億m3の地下水が含まれている。一方、我国の食料自給率と海外からの食料輸入の現状を考慮し、昨今話題のバーチャル・ウォーター(仮想水)の輸入を考えると、既に水需要が逼迫した状態にあり、将来的には大規模な地下水利用や排水の再利用は避けて通ることが出来ない。地下水開発によって、安価に良質な水資源の確保は可能である。しかし、地下水の循環速度が非常に遅いことを考慮すると、事前の十分な調査なくして開発を行えば、環境破壊に繋がる。地下水の合理的な開発のためには、環境放射能を活用したより正確な地下水の滞留時間(年代)測定技術の開発が必要である。
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2.FBR実用化に向けた取組み(会員ページ )
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三菱FBRシステムズ梶@企画・プロジェクト部 主監 戸田幹雄
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国の策定である原子力政策大綱、原子力立国計画の中で、2025年頃のFBR実証炉の実現、及び2050年頃の商業炉導入を目指すことが示され、FBR開発が近年加速されている。本講演では、原子力機構、電力、三菱間が中心となって「FBRサイクル実用化研究開発(FaCT)」プロジェクトを進めているが、その概要であるFBR実用炉の基本コンセプト、R&D計画、開発工程・体制等を報告し、合わせて三菱の取組みも紹介する。
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3.放射線誘発長寿命ラジカルのESR直接観測:遅延放射線影響機構との関わり(会員ページ )
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名古屋大学大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 准教授 熊谷 純
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放射線照射された細胞が数世代経てから影響の現れる遺伝的不安定性や放射線が直接ヒットしていない細胞にも影響が伝搬するバイスタンダー効果など、遅延放射線影響現象は世界的に注目を浴びている。私どもは、それらの鍵物質となるかもしれない遅発性長寿命ラジカルのESR直接観測に成功した。本講演ではこのラジカルの生成挙動、生成機構、遅延放射線影響機構との関わりについて報告する。
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会員サロン
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◇住友電気工業株式会社:電線・ケーブル分野における電子線照射技術の利用 エレクトロニクス・材料研究所 高分子材料技術研究部 部長 早味 宏
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高分子材料の電子線照射による架橋プロセスは、電子機器の内部配線や自動車用の耐熱電線、熱収縮チューブの製造において不可欠なプロセスとして活用されている。今回は、ポリマーアロイ材料に電子線照射プロセスを応用した事例を中心に、自動車ワイヤーハーネス用の熱収縮チューブ、ABSセンサーケーブルの開発事例についてご紹介する。
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第34回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成19年10月19日(金) 住友クラブ
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1.東南海・南海地震に備える−揺れの予測研究によって大都市を守る−(会員ページ )
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京都大学原子炉実験所・教授 釜江 克宏
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ここ数年日本だけでなく、世界中で地震災害が多発している。特に日本列島が地震活動期に入ったとし、警鐘を鳴らす専門家もおり、地震動予測から被害軽減化対策など、一連の防災戦略に関連した諸課題の解決は重要かつ緊急性が高い。ここでは発生が危惧される東南海・南海地震と言う巨大地震時に予測される大阪平野での揺れの特徴や高度化した大都市が直面する課題などについて紹介する。
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2.大阪大学における原子力教育(会員ページ )
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大阪大学大学院工学研究科・教授 山中 伸介
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大阪大学における原子力教育の中心は、平成17年度以降、定員80名の環境・エネルギー工学専攻に移った。タブルメジャーを掲げる学部、大学院教育において、原子力関係の授業科目は半分をしめ、1/3以上の学生が原子力関係の研究室に配属される。また、教育効果を逐次把握する「カルテ」やキャリアデザインのための「メンター制」(魅力ある大学院教育イニシアティブ)など様々な教育プログラムを活用し、さらに専攻横断型研究組織、「原子力ルネッサンスイニシアティブ」を設立、3件の原子力人材育成プログラム(文科省・経産省)に採択されるなど研究面での活動も活発である。
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3.自然放射線は細胞の増殖に必要か(会員ページ )
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大阪府立大学産学官連携機構・放射線研究センター・教授 八木 孝司
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自然放射線を遮蔽するとゾウリムシやマウス細胞の増殖が抑制されるという古い報告があり、よく引用される。そこでパラフィンと鉄で遮蔽した培養装置(ガンマ線が1/50、中性子線が1/4に遮蔽される)でヨツヒメゾウリムシを培養すると、遮蔽なしの場合に比べて累積分裂回数が有意に減少した。マウス培養細胞でも同様の結果が得られた。いずれも遮蔽装置内にガンマ線源を入れて線量を補償すると増殖が回復した。
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4.医療被ばくについて(会員ページ )
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彩都友紘会病院 画像診断部、
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大阪府放射線技師会常務理事・学術委員長 福西 康修
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近年,日本でのエックス線CT検査の医療被ばくによるがんの発生や、IVR(interventional radiology: 放射線診断手技を利用した治療法)による皮膚障害の発生、また放射線治療における過剰・過少照射等の事例が報道され、多くの国民の関心事となり医療被ばくに対する不安や疑問を招く原因となっている。そこで私たち診療放射線技師や医師をはじめとした医療従事者たちが「医療被ばく」というものをどのように理解し、どのように運用しているかをお話しする。
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第33回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成19年7月13日(金) 住友クラブ
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1.電子励起によるナノ粒子の相生成とその評価(会員ページ )
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神戸大学大学院工学研究科・教授 保田 英洋
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化合物半導体ナノ粒子において電子励起によって誘起される欠陥生成と原子移動を介して起こる構造相転移を電顕内その場観察法によって調べ、励起状態での結合の不安定化駆動力、高密度励起状態の生成、励起状態における熱平衡、ナノ粒子における格子軟化、点欠陥を介した原子拡散の速度過程等の相乗効果が相転移への応答に果たす役割について紹介する。
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2. 高輝度偏光X線を用いた磁性の研究(会員ページ )
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(財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門 主幹研究員 鈴木 基寛
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電子蓄積リングから得られる放射光は、高輝度性、波長可変性、偏光特性などの特徴をもつX線光源である。通常のX線管のおよそ10億倍の輝度が得られ、有機・無機物質の精密構造解析、顕微画像計測、X線分光などに広く用いられている。X線磁気円二色性分光は、放射光の偏光特性を活用して磁性体の電子状態を観測する手法であり、元素選択性という他の磁気測定にない特色をもつ。本手法による磁気記録材料等の評価について述べる。
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3.高強度レーザー駆動高エネルギー陽子線源の開発とその利用研究(会員ページ )
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日本原子力研究開発機構・関西光科学研究所
量子ビーム応用研究部門
研究主席 大道 博行
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筆者らは繰り返し運転可能な高強度レーザーにより生成されるプラズマを用いた高エネルギーイオン発生の研究を行っている[1]。既にこの方式でエネルギー数MeV以上の指向性を有する陽子線が得られている。近年、発生機構の解明が進み、特徴ある陽子線発生も可能となってきた。この陽子線源のビーム品質の高い点、本質的に小型化可能である点などを生かすと、産業利用、医学利用なども展望できるようになって来た。
[1] 大道博行、プラズマ核融合学会誌81,pp.
261-269(2005)
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4.核分裂照射下の燃料材料ふるまいと超長寿命化への展望(会員ページ )
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電力中央研究所・原子力技術研究所 上席研究員 木下 幹康
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軽水炉燃料現行寿命の2倍以上、10〜15年使える超長寿命燃料の実現を視野に、照射損傷と回復のプロセスを、高エネルギー加速器と計算科学の組み合わせにより研究している("新クロスオーバ研究")。その結果、核分裂照射下での蛍石型燃料セラミックスで見いだされた顕著な損傷回復過程の機構解明が進むと共に、関連する新発見を得たので報告する。また、これをもとに将来の燃料材料の開発研究について展望する。
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第32回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成19年4月13日(金) 住友クラブ
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1.原子力発電の重要性とプルサーマルの意義(会員ページ )
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大阪科学技術センター顧問・大阪大学名誉教授 宮ア 慶次
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世界と日本のエネルギー情勢を踏まえて、資源的観点を主体に原子力発電と核燃料サイクルの重要性について述べる。特に、プルサーマル、すなわち、軽水炉でのプルトニウム燃焼について、安全性、経済性、廃棄物処理、核不拡散などの観点から考える。また、大間発電所の全MOX炉心、高速増殖炉「もんじゅ」、京都議定書などについても言及する。
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2. 中性子イメージングの進展と広がる応用(会員ページ )
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京都大学原子炉実験所・教授 川端 祐司
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中性子イメージングは長い歴史を持つが、近年、パルス中性子の利用や中性子位相情報の活用等の新撮像法が大きく発展しており、変革の時代を迎えている。また応用分野も工学・農学・考古学等と広がっており、さらに燃料電池や水素吸蔵合金といった産業利用に向けた取り組みも盛んに行われている。世界最高性能を誇る大強度パルス中性子源J-PARC
の建設が進む中で、大きくかわりつつある中性子イメージングの現状を紹介する。
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3.海の環境変動が魚類資源に与える影響(会員ページ )
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京都大学舞鶴水産実験所・助教授 益田 玲爾
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若狭湾をフィールドに年間100回程度の潜水調査をこなす演者が,魚の視点から環境問題を語る。若狭湾は四季の変化が非常に明瞭であり、これによって豊かな海の幸がもたらされてきた。しかし近年の水温上昇により魚類相は変化し、南方系の魚種が増えてきている。大発生したエチゼンクラゲに対し魚たちはどう反応しているか、また紫外線が仔稚魚の生き残りにどのような影響を与えるか、等の観察や実験も紹介する。
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会員サロン
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◇原子燃料工業(株):エルビア入り原子燃料の研究等 (取締役 常松 睦生)
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近畿地方の電気の1/2は原子力発電によるもので、大阪府内の原子燃料工業(株)の工場ではそのための燃料が製造されています。原子燃料はこれまで継続的に性能向上の開発が行われてきましたが、現在、大きな壁に向き合っています。今回の講演では、この壁を乗り越えるための新型原子燃料(エルビア入り燃料)に関する研究等、当社の最近の活動を紹介します。
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第31回
放射線科学研究会概要 (聴講記)
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平成18年10月20日(金) 住友クラブ |
1. 電子ビームからの強力なコヒーレントテラヘルツ放射の研究と今後の展開(会員ページ ) |
大阪府立大学産学官連携機構放射線研究センター・教授 奥田 修一 |
テラヘルツ光源(波長ではサブミリからミリ波)は、最近その重要性が認識され、小型の光源が多く開発されて、検査やイメージングなど多方面への利用が広がっている。一方電子線形加速器の集群したビームから、コヒーレントで非常に強力なテラヘルツ放射が得られる。この新しい光源を利用するため世界で開発研究が行われている。現状と今後の展開について述べる。 |
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2.放射線照射で発色する機能性色素(会員ページ ) |
大阪府立大学大学院工学研究科・教授 中澄 博行 |
放射線量を定量する方法の一つにフィルムや色材を用いて放射線の被爆量を測定する線量計が知られているが、ここでは、食品滅菌照射や血液照射の分野で必要とされる低線量に強い感受性を示すカラー線量計の開発を目的として、数十Gy程度の放射線量で発色する様々なロイコ系機能性色素についての概要とそのγ線感受性特性について概説する。また、これらカラー線量計の実用化に向けた取り組みについても紹介する。
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3.原子力委員会・食品照射部会報告書について(会員ページ ) |
中国学園大学現代生活学部・教授 |
(原子力委員会・食品照射部会部会長) 多田 幹郎 |
原子力委員会食品照射専門部会は、食品照射に関する国内外の動向、有用性ならびに照射食品の健全性評価などについて調査・検討を行い、食品衛生法および食品安全基本法に基づく検討・評価が進められることが適切であると結論し、さらに諸外国で実績のある香辛料への照射について検討・評価が行われることが妥当であるとの意見を付した報告書を作成・提出した。講演ではその経緯・内容を紹介する。
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会員サロン(各30分) |
◇ナノグレイ株式会社・代表取締役
宮下 拓 |
弊社新製品について(講演資料) (ナノグレイHPへ )
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ナノグレイ(株)では、小線源を利用する様々な用途の検知器を製造している。今回紹介したのはその中の新製品についてである。多田講師の講演にあったように、我国でも香辛料への放射線照射が認可の方向に動き始めているが、そのためには検知の公定法の確立がなされねばならず、遠からず検知法が定められると考えられる。すでに多種の食品照射が認可されているEUにおいて採用されているヨーロッパ標準分析法の一つにTL(Thermoluminescence:熱蛍光)法があり、新製品はそのスペックのEN1788に対応したものである。図3に示すこの装置(TL-2000)は大容量ヒータの採用により、安定・均一な加熱が可能であり、材料研究にも応用できる優れものである。また、2005年6月に施行された放射線障害防止法において従来の密封線源の規制が大幅に見直され、新たに設計認証機器制度が設けられた。この認証をうけた機器の使用に際しては管理区域の設定や放射線取扱主任者の選任も不要となり、簡単な届出のみで使用が可能となる。ナノグレイ社ではこの新たな法令に合致した微弱小線源を使用する密度計(PM-1000)、レベル計(TH-1000)を市場に出した。従来の機器とは異なり、線源には点光源を使用し、検知器には棒状のものを採用して機器のコンパクト化を図っている。また厚さ計としてX線を用いるSX-1000を新発売した。
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◇住重試験検査株式会社放射線利用技術部・部長 西原 善明
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小型サイクロトロンの工業利用(会員ページ )
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住重試験検査(株)では、自社製の小型サイクロトロンを利用して様々な照射受託事業を行っている。今回はその一部を紹介していただいた。
現在同社が保有しているサイクロトロンの仕様は表2に示したとおりで、これらの装置で受託している事業は@放射性同位元素の製造、A核反応により生成する中性子および陽電子等の二次放射線の利用、B核反応により生成した放射性同位元素より放出する放射線測定により元素分析、C弾性散乱により生成した欠陥の利用、D励起した元素から発光した特性放射線の測定による元素分析などに大別できる。
今回のご講演ではこのうち特に半導体へのイオン打ち込みおよび中性子ラジオグラフィについて説明された。半導体特にシリコンウエファに特定のエネルギーのイオン種を打ち込み半導体特性を得る手法は従来から行われてきたが、近年大電力用のパワーデバイス・モジュールの需要が世界的に大幅に伸びており、この分野での要求が拡大している。もともとサイクロトロンビームはスポットであるので、ビームをスキャンして面内均一度を保証する必要がある。同社では自社特許による技術で打ち込み深さおよび面内均一度をモニターしながら、自動的に大量のシリコンウエファを処理できる装置を開発して需要に応えているとのことである。
同社ではまた17.7MeVプロトンビームをBeターゲットに照射して9Be(p,n)9Be反応で得られる中性子線を利用した中性子透過試験を行っている。中性子透過試験には原子炉か大型加速器が必要に思えるが、同社ではこの手法で要求に対応しているそうである。近年の課題として、撮像用のコダック製の銀塩フィルムが製造中止となり、対策を迫られているとのことであった。一般カメラが続々とディジタル化されるに伴い、各フィルム・印画紙メーカーが銀塩感光材料の製造から撤退しつつあるが、筆者の個人的見解では分解能という点からディジタルメディアはまだまだ銀塩に及ばないように感じているので残念なことである。
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