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UV_EB研究会リスト

放射線研究会リスト

放射線シンポジウムリスト

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第18回放射線利用総合シンポジウム概要聴講記

開催日 平成21年1月19日 於 大阪大学中之島センター

 

1.大強度陽子加速器施設J-PARC(会員ページ )

日本原子力研究開発機構J-PARCセンター 大山幸夫

 日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、共同で大強度陽子加速器施設J-PARCを茨城県東海村の原子力機構・原子力科学研究所の敷地内で建設中である。J-PARCは、高エネルギーの陽子を原子核に衝突させて核破砕反応を起こし、その反応生成物として大強度の2次粒子ビームを発生させ、さまざまな2次粒子(中性子、ミュオン、K中間子、ニュートリノなど)を発生させてそれを利用し、基礎科学から産業応用までの幅広い分野の研究を行なう多目的加速器研究施設である。現在、加速器のビーム試験も最終段階にあり、その現状とそこで行われる研究について紹介する。

 

2.JMTRを用いた新たな軽水炉材料・燃料照射研究の展開(会員ページ )

日本原子力研究開発機構安全研究センター 鈴木雅秀

 日本原子力機構にある材料試験炉(JMTR)は現在平成23年度の再稼動に向けて改修中であり、この原子炉機器等の更新中に、新たな照射設備の整備も進めている。ここでは軽水炉の構造材料や燃料に関し計画している、原子炉圧力容器鋼の照射脆化、炉内構造物の照射誘起応力腐食割れ、制御棒用ハフニウムの基礎照射特性評価、高燃焼度化に対応した燃料異常過渡試験に関し、研究内容、意義を紹介する。

 

3.月周回衛星「かぐや」搭載の高性能γ線分光計による月資源探査(会員ページ )

早稲田大学理工学術院 教授 長谷部信行

 人類が月面に長期滞在する計画が検討されている。人類の活動領域拡大のために、月で必要な物資や燃料を調達し、水や酸素を月で製造する技術など、月資源利用のための技術を確立しなければならない。また先端技術に必要なレアメタルの調達など資源利用の観点からも、月は極めて重要な天体である。その第一段階として、世界に先駆けて月探査衛星「かぐや」が打ち上げられた。今や多くの国が月探査を検討している。「かぐや」にはガンマ線分光計が搭載され、月表層の主要元素などの濃度図を作成し、月の資源利用の観点から重要かつ貴重なデータを提供し続けている。ここでは、最新の観測成果、それと月資源利用との関連について述べる。

 

4.経済規模から見た放射線利用の動向(会員ページ )

日本原子力研究開発機構 久米民和

 放射線が我々の生活にいかに役立っているかを見る手段として、経済規模による評価が試みられている。平成11年に初めて放射線利用の経済規模調査が実施され、その波及効果の大きさが示された。昨年、8年ぶりに再調査が実施され、新しい手法も加味した結果として41,100億円の規模と算出された。これら放射線利用の経済規模調査結果から見た最近の放射線利用の動向を紹介する。

 

5.最近の医療における放射線利用(会員ページ )

京都医療科学大学 教授 大野和子

 医療分野における放射線診療装置の進歩は目覚ましく、体内の詳細な情報を得ることができる。このため単に病気の有無を判断するだけではなく、治療方針決定や手術精度向上を目的とした放射線検査が主流となっている。また、画像診断装置と放射線治療装置を組み合わせることにより、手術が困難な場所の腫瘍に対しても、安全に放射線治療を行える場合が増えてきた。放射線は私たちの病気の診断治療のために、より一層必要不可欠なものとなっている。

 

6.線質の異なる放射線による細胞応答(バイスタンダー効果)の違い(会員ページ )

放射線医学総合研究所 主任研究員 鈴木雅雄

 原子力エネルギー利用、宇宙空間環境での宇宙船・航空機利用、がんの放射線治療や診断の医学利用等での放射線被曝の問題は、ますます重要な関心事となることが予想されます。この様な放射線環境では様々な種類の放射線の低線量(率)照射の生物影響が想定され、近年直接放射線が当たった細胞のみならず、その周囲に存在している放射線が当たっていない細胞にも同様の生物効果が現れる(バイスタンダー効果)ということが判ってきました。ここでは、線質の異なる放射線(γ線、中性子線、重イオン)を低線量(率)でヒト細胞に照射したときの細胞応答の違いを明らかにした研究成果を報告します。

 

7.放射線治療、粒子線治療を革新する物理と工学--医学物理士の役割(会員ページ )
京都大学名誉教授 丸橋 晃

 1980年代からのXCTの普及、高精度化とともに照射システムの開発が急速に進展し、それまで不可能であった計画に基づく三(四)次元的な放射線投与とその評価が可能となってきている。この革新は人類の苦痛からの開放と福祉という正の側面からの放射線の潜在的能力の開放を意味する。今後も放射線の能力を真に医療に具現し革新するために、医療要求を理解した物理、工学、数学などの集学的展開を計ることを課題とする医学物理士を育成する土壌の形成が望まれる

  

 

第17回放射線利用総合シンポジウム概要聴講記

開催日 平成20年1月22日 於 大阪大学中之島センター

 

1.先端的核燃料リサイクルをめざした重い元素の化学(会員ページ )

京都大学原子炉実験所 教授 山名  元

     

 我が国では、今後も原子力発電を一定規模で長期に利用してゆく計画となっている。一方、軽水炉による原子力発電によって、プルトニウムをはじめとする重元素 (TRU元素)が多量に生成する。半減期が長く放射線毒性の高いこれらの重核種については、そのまま地層処分するのではなく、再処理によって回収し原子炉にリサイクルし燃焼することが考えられている。このための重元素の分離回収の化学的な研究について紹介する。

 

2.X線自由電子レーザー(会員ページ )

理化学研究所播磨研究所XFELプロジェクトリーダー 石川 哲也

 平成18年度から始まった第三期科学技術基本計画には、「国家基幹技術」という概念が盛り込まれ、そこにコヒーレント硬X線光源としてのX線自由電子レーザー施設整備が採り上げられた。これは、科学技術の様々な分野に応用されているレーザーの波長を短くして、ナノを見るための光としてのX線レーザーを実現するものである。本講演では、この施設の概要を紹介するとともに、そこで得られる新しい光が拓く科学技術を議論したい。

 

3.放射線が効くがんのタイプ−Quality of Life の向上を目指して−(会員ページ )

奈良県立医科大学 教授 大西 武雄

    

 がんに関する研究はがん関連遺伝子の研究へと展開しつつある。がん患者それぞれのがん関連遺伝子の変異を知ることは、治療効果の向上をもたらすと考えられている。では、どのがん関連遺伝子を検索すればよいのか、それが検索されればどのように治療に反映すればよいのであろうか。我々はこれまでがん抑制遺伝子p53の働きに注目してきた。放射線、ハイパーサーミア、制がん剤で治療を受けたがん細胞はいくつかの遺伝子の発現誘導やタンパク分子の活性化を引き起こし、最終的にはアポトーシスをがん細胞にもたらす。しかし、多くの悪性のがんのように、p53タンパク質が突然変異または欠失型の場合は、アポトーシス誘導が低くなり、がん治療効果が期待できなくなることを発見した。より高い治療効果をめざすならば、がん細胞のp53の遺伝子型を調べることによって治療法を選択する時代へとなろう。しかし、我々はどの遺伝子型の患者にも極めて効率の良い治療法を見出した。それは何かも話したい。

 

4.PETで分かる脳の危険信号(会員ページ )

浜松医科大学 教授 尾内 康臣

    

 PETは陽電子放出型断層撮影法という細胞の機能を画像化する撮影法です。PETをヒトに応用することで、体の中の血流や細胞自身の働き、神経同士の関わり方などを画像として捉えることができます。これらの情報に異常な信号すなわち正常パターンから逸脱した機能情報を持つ画像が作成されますと、それは人体組織からの危険信号の発信を意味します。今回はPETを通して頭の中を覗いてその危険信号を見てみたいと思います。

 

5.核融合研究の現状と未来−ITERを巡る世界の現状−(会員ページ )

 日本原子力研究開発機構 那珂研究所

ITER協力調整グループリーダー

森  雅博

 21世紀後半のエネルギー問題を解決する革新的エネルギーの候補の一つとして進められている核融合研究開発では,将来のエネルギー源としての核融合の科学的および技術的妥当性を検証する実験炉を国際共同で実現するITER(国際熱核融合実験炉)計画が,日本,欧州連合(EU),ロシア,米国,中国,韓国,インドの7極の政府によって合意され進められている。このITER計画を中心に,核融合研究開発の現状と将来について概要を紹介する。

 

6.パネル討論

  「科学技術を観る目を如何に育てるか −放射線教育の現状−」(会員ページ )

大阪府立大学産学官連携機構 教授 八木 孝司

WEN副代表・日本原子力発電株式会社 神谷 直美

放射線教育フォーラム 理事  田中 隆一

京都大学原子炉実験所 教授 渡邊 正巳

 

 

第16回放射線利用総合シンポジウム概要聴講記

開催日 平成19年1月29日 於 住友クラブ

 

1.エネルギー弁別型フォトンカウンテイング放射線ラインセンサ(会員ページ )

浜松ホトニクス() 電子管技術部 専任部員 富田 康弘

 エネルギー弁別型CdTe放射線ラインセンサを用いることにより、物質を透過する放射線のエネルギー情報を利用して、物質の材質判別や、物質の厚さ、密度、濃度など状態量を計測することが可能となります。将来的には食品の異物検査や手荷物検査、配管・構造物・コンテナなどの産業用非破壊検査、あるいはX線CTや骨密度測定など医療用の放射線検査装置分野への応用が期待できます。

 

2.見えない放射線の飛跡を見る

−固体飛跡検出器の最近の進歩について-(会員ページ )

近畿大学原子力研究所 教授 鶴田 隆雄

 ”放射線は目で見ることができない”と言われますが、放射線が物質中をどのように飛行したか、その飛 跡を観察することはできます。霧箱、泡箱、乳剤、固体、とさまざまな飛跡検出器があります。CR−39樹脂 は、中性子個人線量計として普及してきました。DAP樹脂は、フィッション・トラック年代測定法における外部 検出器として利用され始めています。固体のうち、こうした樹脂を使った検出器の最近の進歩について紹介します。

 

3.プラズマ応用技術の現状と展望(会員ページ )

京都大学大学院工学研究科電子工学専攻 教授 橘  邦英

 近年、超LSIの製造技術をはじめとして、種々の材料プロセスにおけるプラズマ応用技術の進展はめざ ましく、珪石器時代の基盤的技術としての地位を確立してきている。今世紀に入ってからも、環境やバイオ 関連への応用を目指した新しい技術の開発も進められてきており、エネルギー関連技術も含めて、ますま す展開の範囲が広くなってきている。本講演では、これらの技術動向と今後の展望について紹介する。

  

4.放射線安全管理と有事対応

−医療分野を中心にセキュリティから緊急被ばく医療まで−(会員ページ )

自治医科大学 管理主任者 菊地  透

 医療分野においてアイソト−プ・放射線は、国民の生命や健康の維持・向上に不可欠な存在として安 全に利用している。しかし、その放射線源を使って人々を恐怖に陥れる放射能テロ(ダーティ爆弾) が起きたらどうするか。また、万が一の放射線源の事故で、直ちに救命を必要する人の医療をどうするのか。今回この課題について、医療用線源のセキュリティ対応と緊急被ばく医療の現状と問題を紹介する。

 

5.古文化財や考古学資料の年代測定に関する最近の話題

−加速器質量分析による14C年代測定の信頼度をめぐって−(会員ページ )

名古屋大学年代測定総合研究センター 教授 中村 俊夫

 2003年に、国立歴史民俗博物館の研究成果として、弥生時代の始まりが従来の年代観に比べて500年程度遡る可能性が高いことが発表されて以来、放射性炭素(14C)年代測定法がにわかに脚光を浴びるよ うになった。九州北部に分布する、水田稲作に関係する遺跡から発掘された土器片に付着する炭化物の14C年代値を測定し、それを暦年代軸に較正した結果、紀元前10世紀末ごろに遡る較正年代が得られた。 この研究成果が年代データの観点からみて重要なことは、@これまで弥生時代遺跡遺物の年代測定試料としては用いられたことがなかった土器付着炭化物を測定対象としたこと、A加速器質量分析法という最新の分析法を用いたこと、B14C年代値ではなく、それを暦年代軸に換算した較正年代を用いたこと、である。ここでは、加速器質量分析法による14C年代測定の現状と得られる年代値の信頼度、また応用研究につ いて議論する。

 

6.放射光を利用した微細加工技術の現状とその展開(会員ページ )

兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 教授 服部  正

 マイクロセンサ、マイクロアクチュエータの微小な機能部品から構成され、複雑で高度な働きをするマイクロマシン、あるいはマイクロ・ナノシステムと呼ばれているシステムは、これまでにない概念のシステムが実 現できるということから、この技術が次の世界を征していくだろうと注目されており、アメリカをはじめ、世界中 の国々がその研究にしのぎを削っている。バイオ、医療、環境、情報通信など多岐にわたって応用が提案され、大きな成長に期待がかかっている。そのなかで、大きな課題は加工プロセスのコストダウンといわれて いる。現在、この分野で進展している放射光を用いたLIGA(リソグラフィLithographie、電鋳Galvanoformung、 成形Abformungの頭文字からの略語)プロセスはコストダウン要求に大きな力を発揮するといわれているが、 日本では実用化の例がまだ数少ない状況である。今回、ここではマイクロ・ナノシステムとマイクロ・ナノ加工として有望なLIGAプロセスを中心にその現状と展開について述べる。

 

7.高バックグラウンド放射線地域住民の染色体調査で判った

  低線量放射線の健康影響(会員ページ )

放射線医学総合研究所 名誉研究員 早田  勇

 中国南部の広東省の陽江に環境自然放射線が普通より高い地域がある。高くなっている放射線の量は胸の集団検診のX線を毎年20〜40回受ける程度(1〜2mSv/年)である。この高自然放射線地域に住んでいる人達のリンパ球中に出現する染色体異常を解析したところ、放射線によるものは放射線以外の変異原(代謝による活性酸素や化学物質等)によるものに比べて少なく、放射線以外の変異原によるものの個人差の範囲内であった。

 

8.古典放射線生物学を分子生物学で解く

−恩師エルカインド博士を偲んで−(会員ページ )

京都大学名誉教授・(財)体質研究会主任研究員 内海 博司

 8年ほど前に亡くなられた恩師エルカインド博士が発見した「エルカインド回復」は、古典放射線生物 学の最大の解決すべき課題でした。DNA組換技術のお陰で、DSB修復を人為的に欠損させた変異細胞が作られ、世界で初めてこの現象がDSBの相同組換え修復であることを明らかにした。これによって、次々と古典放射線生物学上ではブラックボックスであった重要な放射線生物現象が分子レベルで解けてきまし た。

 

  

第15回放射線利用総合シンポジウム概要聴講記

開催日 平成18年1月27日 於 住友クラブ

1.ガスハイドレートを巡る最近の話題-基礎研究から天然ガス輸送・水素貯蔵技術まで-(会員ページ )

大阪大学大学院基礎工学部 大垣 一成

 水の水素結合で構成されるガスハイドレートが、地球レベルの環境問題対策技術の鍵を握る物質として注目されている。本講では、ガスハイドレートの構造と性質を概説し、特に最近注目されている天然ガス輸送・水素貯蔵との係わりを明らかにする。また、放射線照射によりハイドレート籠内に生成したラジカルの安定性と崩壊現象についても触れる。

 

2.近江の古代製鉄について(会員ページ )

NFCセンター顧問 田部 善一

 7〜8世紀の近江は、近畿地方最大の鉄生産国であった。現在、滋賀県には60カ所以上の製鉄遺跡が見つかっており、一つの遺跡に一つの炉とは限らないので、製鉄炉の数は相当数に上る。 これらの製鉄遺跡の状況を、古代の文献や分析値(放射線分析を含む)から考察し、当時の国家体制との関わりなどについても触れてみたい。

 

3.地球上の大異変の鍵をにぎるのは巨大分子雲との遭遇か? 微量元素分析を通して仮説を検討する(会員ページ )

京都大学名誉教授 藪下  信

 地球の過去には、いくつかの大異変があったが、特筆すべきは、全地球凍結(約5億年前)、ペルム三畳紀境界(P/T境界、2億5000万年前)、それに白亜紀第三紀境界(K/T境界、6500万年前)である。とくに、K/T境界は、恐竜の絶滅で、広く知られている。

  K/T境界地層では、地球上に少ないイリジウムが見出され、しかも大クレーターが見つかったことから、地球外から巨大隕石が衝突したとの仮説が、流布されている。しかし、地層を詳細にしらべると、整合性がない。またP/T 境界はイリジウムも見出されず、クレーターはみいだされてはいるものの、小さくて、全世界的な異変をもたらすには、小さすぎる。さらに全地球凍結をもたらすには、巨大隕石のしょうとつでは、無理がある。さらに、地球磁場の逆転がなかった時代(スーパークロン)も、異変と関係している。

  他方、太陽系の属する銀河系には、巨大分子雲が多数存在する。とうぜん、太陽系はそれらと遭遇する。そのとき大異変が地球にもたらされることが、理論的に導かれる。その証拠となるのは、微量にしか地上に存在しない元素である。どのような測定結果がえられているか。どのような結果が得られると考えられるかについて、述べる。

 

4.FDG-PETおよびPET/CTによる腫瘍の画像診断(会員ページ )

京都大学先端領域融合医学研究機構 中本 裕士

 フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたポジトロン断層撮像法(PET)は、新しいがんの画像診断法として注目を集めている。2002年春からは保険適用が開始され、検査可能施設がここ数年増加しており、検査件数もうなぎのぼりである。一方この検査について「微小ながんをみつける切り札」のように誤解されていることもしばしばである。FDG-PET検査の真の臨床的有用性について、わかりやすく解説します。

5.低線量放射線と生体免疫能の変化(会員ページ )

東京理科大学薬学部 教授 小島 周二

 本シンポジウムでは低線量放射線照射による免疫機能、特に抗腫瘍免疫の亢進に注目し、その作用機構の解明を目的として、低線量γ線照射の免疫細胞への影響について検討した。この結果、低線量のγ線照射により細胞性免疫が亢進し、腫瘍免疫亢進に有利に作用した可能性が示唆された。また、照射群で抗腫瘍活性の指標であるCTL及びNK活性の上昇も確認された。さらに、全リンパ球に対する相対比では、照射によるB細胞の減少が見られ、この現象も細胞性免疫の亢進にむすびつくものと考えられる。

 

6.高速増殖炉の開発−「もんじゅ」改造着手にあたって−(会員ページ )

(独)日本原子力研究開発機構

次世代原子力システム研究開発部門 中島 文明

 高速増殖炉は、長期的なエネルギー安定供給や放射性廃棄物の潜在的有害度の低減に貢献できる可能性を有することから、その実用化に向けた研究開発を進めている。その中核施設である「もんじゅ」は、早期の運転再開を目指して平成17年9月より本格的な改造工事を開始した。

 「もんじゅ」では、発電プラントとしての運転信頼性の実証や運転経験を通じたナトリウム取扱技術の確立を図っていく。また、高速増殖炉サイクルの実用化像を提示するための研究開発の場として利用していく。国際的にも第4世代原子炉の開発のため、具体的利用について検討を進めている。更に、地元福井県の「エネルギー研究開発拠点化計画」では研究開発、人材育成、産業の創出・育成の面での拠点として期待されている。

 

7.高温ガス炉の核熱を利用した水素製造(会員ページ )

(独)日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 国富 一彦

 高温ガス炉は優れた安全性を有するだけでなく、950℃の高温の熱を炉外に取り出すことができます。日本原子力研究開発機構では、高温ガス炉の核熱を用いて水から水素を製造する原子炉システムの開発を行っています。このシステムは水素製造の過程で全く炭酸ガスを排出しない究極にクリーンなシステムであり、2020年以降の実用化が期待されています。本講演では、高温ガス炉水素製造システムの開発の現状を紹介します。

 

第14回放射線利用総合シンポジウム概要(聴講記

平成17年1月21日  建設交流館

1.SPring−8を用いる蛍光X線微量分析−細胞1つの分析から材料中不純物の解析まで(会員ページ )

広島大学大学院工学研究科物質化学システム専攻 助教授 早川 慎二郎

 

 放射光を用いる蛍光X線分析では試料を破壊する事なく極微量な元素を検出する事が可能です。特にマイクロビームを用いる走査型X線顕微鏡により、細胞1つや材料の特異な部位を選択的に測定する事ができます。さらにX線吸収スペクトルからは微量元素の酸化数や近接する原子に関する情報も得る事ができます。本講演ではSPring−8を用いる蛍光X線分析についてその基礎から応用までを取り上げます。

 

2.古代青銅鏡の科学的研究における最近の成果(会員ページ )

財団法人泉屋博古館学芸課 主査 廣川 

 

 青銅鏡は、東アジアの古代文化を研究するうえで重要な鍵を握る考古資料である、なかでも三角縁神獣鏡は卑弥呼の鏡ともいわれ、日本古代史上とくに注目されている。今回、三角縁神獣鏡を含む中国及び日本の古代青銅鏡について、Spring−8による蛍光X線分析を実施したところ、その製作時期と地域により微量成分特性に違いがあることが判った。微量成分の残存量は青銅鏡原材料産地あるいは製造方法に固有のものと考えられることから、東アジア古代青銅鏡原材料産地を探る有力な手段の一つになるものと期待できる。

 

3.暮らしと放射線に関する女性層への理解促進活動(会員ページ )

Win−Japan会長、日本原子力発電(株)広報室 小川 順子

 

 一般の女性を対象に、放射線について話をするとき、より理解をしていただくための工夫として、実践や体験を盛り込むことや、日々の暮らしと放射線の関係を取り上げることなどを心がけています。少人数のテーブルトーク方式の女性交流会では、放射線のイロハから、疑問にお答えし、「放射線を知ることは楽しい」と思っていただけるようにわかりやすい言葉使いに、気配りしています。私自身が見聞きし、実践してきた広報活動をご紹介し、女性層への理解促進活動の一助としていただければと思います。

 

4.放射線による宝石の着色(会員ページ )

大阪大学名誉教授 藤田 英一

 

無色透明を貴しとするダイアモンドに色があって値段が支配され、同じコランダム(Al)結晶に青いサファイヤと紅いルビーがあるなどはよく知られ、放射線照射によっても色が変わることも割合に知られている。しかし、それらの機構はあまり説明されていない。色が結晶中の不純物と格子欠陥の光吸収、励起発光、コロイド散乱や構造中の干渉によることを判り易く説き、放射線による変色作用を加熱や薬品(染料)による方法と比較説明する。

 

5.放射線影響教育の将来展望(会員ページ )

京都大学原子炉実験所  教授 渡邉 正己

 

 放射線あるいは原子力は、エネルギー源としてあるいは医療手段として極めて有用な資源として広く利用されてきたが、一般社会における認知と許容は必ずしも十分であるとはいえない。これは原子力エネルギーが兵器として利用されたことに大きな原因があり、そのことが我が国における原子力および放射線教育全般を歪にしているためであろう。しかし、放射線および原子力は、人類の持つ様々な問題を解決し、人類に“夢”を与えるものである。この講演では、私が大学の教員として放射線生物学の研究および教育に携わった経験から、今、放射線影響教育に必要とされる展望に関する私感を解説する。

  

6.溶融塩高速炉に関する設計研究(会員ページ )

核燃料サイクル開発機構FRBシステムグループリーダー 此村 

 

 ウランやプルトニウムなどの核分裂性物質を含む溶融塩を、炉心領域で発熱させ、熱交換器で除熱し、両者の間を循環させて熱エネルギーを取り出す溶融塩炉(Molten Salt Reactor)という概念があります。燃料と冷却材とが一致しているため、溶融塩を媒体として、原子炉と再処理プラントとを結合することが可能で、燃料サイクルを単純化できる概念です。実用化戦略調査研究では、この溶融塩炉を高速炉体系に用いた時の検討を行いました。この結果を課題も含めてご紹介します。

 

7.原子炉中性子による脳腫瘍の治療−細胞選択的照射を目指したホウ素中性子捕捉療法−(会員ページ )

京都大学原子炉実験所 教授  小野 公二

 

 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)はホウ素の安定同位体B−10が原子炉からの中性子を捕獲して放出するα粒子で癌細胞を破壊する放射線治療です。このα粒子は飛行距離が細胞径程度なので、B−10化合物が癌細胞に選択的に集まると癌細胞を選択的に破棄できます。京大原子炉では世界で最初に脳腫瘍のBPA−BNCTや頭頸部癌のBNCTを実施しました。肝臓癌や肺癌への適応拡大の研究についてもお話します。

 

第13回放射線利用総合シンポジウム概要 聴講記

平成16年1月23日  建設交流館

1.ゴム・プラスチック製品へのダイヤモンド状炭素膜コーティング(会員ページ )

日本アイ・ティ・エフ株式会社技術部 技術部長補佐 中東 孝浩

低摩擦で代表なセラミックスコーティングに、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜がある。しかし、膜自身が非常に固く、内部応力も大きいことから処理できる基材は、金属やセラミックス基材に限られていた。この問題に対して、膜構造を制御することで変形を伴う高分子材料へのコーティングが可能になり、摺動用途以外に、食品・メディカル分野等の従来とは異なる分野への適用検討が進められており、この現状について解説する。

2.ニュースバル(兵庫県放射光施設)と放射光の本格的産業利用(会員ページ )

姫路工業大学高度産業科学技術研究所 教授 安東愛之輔

放射光が産業利用に有効とうたわれて、久しくお題目に止まっていたが、兵庫県(姫工大)が SPring-8 との協力で建設したニュースバルでは、大学、企業及び国(科研費)と共同で本格的産業利用が始まった。主企業は敷地近くに研究所兼工場を建設中である。これを可能にした、ニュースバルでの研究開発の数例を紹介する。なお企業との共同は、特別な料金を要しない、「共同研究」として実施されている。

3.放射線利用の国際的展望(会員ページ )

  内閣府原子力委員会 委員 町  末男

放射線の利用はいまや先進国だけのものではなく、途上国において、工業、医療、農業、環境などの分野で拡がっており、社会・経済活動を活発化し、生活の向上に役立っている。
IAEA
による技術協力プログラム、日本主導のアジア原子力協力プログラムが、このような技術移動を促進している。一方、日本国内では、重イオンによるがん治療、材料開発、品種改良、天然ポリマーの改良など新分野での研究が続いている。

4.宇宙における元素創成 ─私たちが存在する偶然の幸運─(会員ページ )

理化学研究所 望月 優子

元素は、宇宙の誕生とともに生まれ、137億年の進化のなかで多様化し、現在の存在 比に至った。人類はしかし、天然に存在する最も重い元素であるウランや、生命に必 須のヨウ素や金などの重元素が、どのようにして創られたかという根本的な問いにま だ答えられない。講演では、ウラン元素誕生の謎にせまろうとする最前線の取り組み を紹介し、さらに生命が存在するために非常に微妙な偶然がいくつも作用していたこ とに言及したい。

5.低線量率長期被ばくの”寿命と発がん”に及ぼす影響(会員ページ )

(財)環境科学技術研究所生物影響研究部 主任研究員 田中 公夫

放射線を利用する機会が多い現在、どのくらいの低線量率の被ばくまでなら健康に影響はないかを科学的に検証していくことは大変重要です。(財)環境研では、自然界の放射線の約20, 400, 8000倍という低線量率で、多数のマウスを飼育しながら長期間照射ができる施設を用い、低線量率放射線の長期被ばくが寿命や発がんに及ぼす影響について実証的・機構論的な研究を行っています。これまで得られた成果を発表します。

6.最新の臨床PET検査−がん、脳、心臓(会員ページ )

(財)若狭湾エネルギー研究センター粒子線医療研究室長 山本 和高

PET(Positron Emission Tomography)は、C-11 F-18 といった陽電子放出核種で標識した化合物の体内動態をポジトロンカメラで撮像し、局所の機能を定量的に画像化することができる検査法である。F-18 FDG は、ブドウ糖の類似物質で、痴呆やてんかんなどの脳疾患、狭心症などの心疾患や、悪性腫瘍の診断に有用性が高い。1回の静脈注射で、非侵襲的にがんの全身的な検索ができるので F-18 FDG を用いるPET検査はがん検診としても広く利用され始めている。

7.ここまで進んだ癌の放射線治療                    

大阪大学名誉教授 蘇生会総合病院名誉院長 井上 俊彦

X線・Ra発見から100年余が経過しました。放射線治療において前者は外部照射へ、後者は小線源治療へと発展しました。1970年代に推進された癌の拡大根治療法は失速し、替わってQOLの向上を目指した低侵襲性治療が受け入れられてきました。機能と形態を温存する放射線治療は従来型の治療の枠を超えて、患者さんに優しい医療を提供します。私はロボット放射線治療の新分野を紹介します。

 

 

 

 

第12回放射線利用総合シンポジウム概要

平成15年1月17日  産業創造館

 

1.耐放射線性に優れた光ファイバとイメージガイド ―その開発経緯と将来展望(会員ページ )

三菱電線工業株式会社 情報通信事業本部

速水 弘之

原子力分野に石英系光ファイバやイメージガイドを適用する際の最重要特性は耐放射線性であり、主に可視領域におけるγ線照射劣化特性について、基礎、応用両面からの研究を長年続けてきた。その結果、本特性に最も大きな影響を及ぼす石英コア材料として、着手当時既に高い評価が定着していたOH基数百ppm組成よりも、このOH基がフリー、Fが数千ppm含有の組成の方がはるかに優れていることを見出し、これまで実用に広く供してきた。その開発経緯を主に発表し、最後にF元素の優れた働きの奥に潜む自然現象の可能性に触れたい。

2.食品照射の規制と問題点・香辛料の放射線滅菌(会員ページ )

前・株式会社カネカサンスパイス 取締役研究開発部長

河智 義弘

世界で食品照射を認可している国は、1999年現在41ヶ国、117品目以上に及んでいる。このうち、香辛料及び乾燥野菜の認可国は26ヶ国に及んでいる。 わが国では馬鈴薯の発芽防止以外に照射は認められていない。欧米では、最近は肉類の照射殺菌も認めつつある。全日本スパイス協会は、2000年12月、当時の厚生省に、認可に対する《要請書》を提出した。本講演では、国内での香辛料の照射に関するデータと最近の動きを中心に紹介する。

3.放射線が解き明かした古代日本史(会員ページ )

特定非営利活動法人文化財保存支援機構 理事

増澤 文武

1968年埼玉県稲荷山古墳から出土した約200点の金属遺物のうち、1978 X線撮影により一振の鉄剣に金象嵌の115文字が発見され、西暦471年の年号と、雄略天皇を意味する文字の存在が明らかになった。それは解明されなかった5世紀に光をあて、雄略天皇の実在を示すものであり、古事記・日本書紀の検討材料として、古代史、国語学、技術史、博物館学など文化財の学際的な研究の出発点となった。この発見はまた考古遺物研究への科学技術の応用を促すきっかけともなった。その後の25年間を振り返る。

4.原子エネルギー教育の現状と課題 −主として初等・中等教育を中心として−(会員ページ )

兵庫教育大学名誉教授

広瀬 正美

本来、初等・中等教育は学習指導要領に準拠して具体的に実践されるものである。その指導要領内に原子力エネルギー・放射線に関する教材が充分に取り扱われていないと再三指摘されている。 そこで学外関係機関からその援助の一環として刊行印刷物、講演会、シンポジウム、更に実験・実習を伴なった研修セミナーなどが実施されて来た。これは正しい原子力・放射線の情報が授業実践の場で取りあげられることを願ってのことである。この研修の成果がどの程度達成されたかを検討する時期に来ている。

5.放射線障害例から見たRadium研究所像―ラザフォード・グループとの比較―(会員ページ )

東北大学薬学部

大内 浩子

放射線・放射能に関する画期的な発見が相次いでいた20世紀初頭において、とりわけ傑出していたのは、Marie Curieを中心とするRadium研究所とE.Rutherfordを中心とするグループであった。しかし、この両者間において放射線障害が疑われる事例数、死亡例数は大きく異なっている。何によってこの差はもたらされたのか。放射線防護の立場から当時の状況を振り返りつつ原因を探った。

6.原子炉の解体と放射線管理(会員ページ )

日本原子力発電() 廃止措置プロジェクト推進室

佐藤 忠道

役割を終えた原子炉の後片付けを「廃止措置」という。日本では、今までに53基の商業用原子力発電所が建設、運転されてきている。一方、最初の商業炉である東海発電所は運転を終了し、昨年12月から廃止措置が開始されている。日本の商業用原子力発電所の廃止措置の方針は、原子炉を解体撤去し跡地を引続き有効利用することである。廃止措置では、施設内には放射性の部分があるので、作業者の放射線管理や解体で発生する放射性の解体物の管理が必要となる。

7.革新型小型軽水炉―新しい原子力の利用方法の開拓―(会員ページ )

日本原子力研究所エネルギーシステム研究部

落合 政昭

原子力利用を推進することは、21世紀最重要課題であるエネルギーと環境問題解決に貢献できる。従来型の原子力発電が概ね飽和状態であることから、原子力の新しい利用方法を開拓する必要がある。原研では、国内での民生用熱供給や発展途上国での原子力利用に適した、革新型小型軽水炉の研究を進めている。

8.兵庫県立粒子線医療センターの現状(会員ページ ) 粒子線がん治療の現況と将来展望

兵庫県立粒子線医療センター 名誉院長

阿部 光幸

  粒子線治療はがんを集中的に照射できるという大きな特徴があるので、胃癌などの消化器癌を除けば、最小限の副作用でがんを切らずに治すことができる最新の放射線治療として期待されています。兵庫県立粒子線医療センターは平成134月に設立され、本年7月までに種々の難治がん60例に臨床試験を行い、優れた治療成績を得ました。本講演では粒子線治療の概要、その治療成績、粒子線治療の将来について説明します。

 

 

 

  

第11回放射線利用総合シンポジウム概要

 平成14年1月25日 於 NTT大阪内本会館

1.電子線照射の温水パイプ用途への応用(会員ページ )

住友電工ファインポリマー株式会社

岡本 達雄

現在日本ではプラスチックパイプの機械的強度や耐熱性を高めるために、パイプの素材に化学物質を混入し、化学反応させることで架橋する方法がとられている。しかしこの方法は、人体・環境への影響が懸念され、欧州では電子線を照射して架橋する方法への移行が進んでいる。当社では特に近年市場が拡大している住宅用床暖房システムに着眼し、同システムに用いられる架橋ポリエチレンパイプに電子線照射架橋を応用した製品を開発した。

 

2.放射光と産業利用─どのような成果が出ているか─(会員ページ )

()高輝度光科学研究センター 放射光研究所

飯野 

放射光は加速器から取り出される非常に明るい光である。放射光には数々のすぐれた特長があるため、通常の分析装置ではできない、材料の高精度な分析・評価が行われている。また近年、世界各国の放射光施設では、産業利用が最重要視され、様々な産業分野において放射光の利用が行われている。国内外の放射光施設における産業利用の研究事例を紹介し、大型放射光施設SPring-8の利用について述べる。

 

3.産業における放射線利用画像化技術の現状と展望(会員ページ )

()ファインセラミックスセンター 試験研究所

 池田 

放射線による物体の内部構造の画像化技術は、産業に於いて広く利用されている成熟した技術ではあるが、微小焦点X線源、高エネルギー加速器線源、中性子線など新しい線源の開発に加えて、高効率の半導体検出器、3Dトモグラフィなど検出器や画像化システムの発展があり、今なおホットなテーマとなっている。産業応用の実状を踏まえて、現状と展望について紹介する。

 

4.最先端の医療診断、PET技術(会員ページ )

国立循環器病センター 研究所 放射線医学部

飯田 秀博

PETは定量性に優れるだけでなくトレーサに対する感度が非常に高く、また生体内に自然に存在する様々な分子を標識合成できることから、基礎および臨床研究に多大な貢献を果たしてきた。工学技術の進歩もめざましく、初期には数センチメートル程度だった空間分解能も、最近では1ミリメートルに迫る。大容量のデータ計測技術の確立と検出器の細密化、さらに電子回路の高速化などの基盤技術がこれを支える。近年米国で、腫瘍イメージングに対する医療保険が適用されたことで、さらに高性能装置の開発に拍車がかかる。近年のPETの進歩を振り返り、将来の可能性と基礎および臨床医学への貢献について議論したい。

 

5.重粒子線によるがん治療の成果(会員ページ )

放射線医学総合研究所顧問

平尾 泰男

放射線医学総合研究所は1994年から、重粒子線がん治療装置(HIMAC)の炭素線を用いたがん治療の臨床試験を開始、20017月には治療1000症例を超えた。重イオン線は、多重散乱の小ささによる照射野の正確さと共に、飛程端末の高密度吸収線量、それ故の高い生物効果、感受性に対する低酸素濃度依存性や低増殖周期依存性等を有し、すべての放射線の中で最も良好な標的線量分布と高い抗腫瘍効果、低い障害発生率、短い治療期間等が予測されていたが、その臨床試験の成果はこれらの期待を裏付けつつある。その全国展開の要請も次第に高まりつつある。

 

6.放射能と人類(会員ページ )

金沢大学名誉教授

阪上 正信

人類発生以前より存在しながら19世紀末やっと認知された放射能について、次の三つの視点から考察する。

1)科学史的な観点から見た、目に見えないものとしての放射能。

2)自然観察の三要素、構造・エネルギー・時間の広がりで総合的に考えさせる放射能。

3)クスリ(有効性)とリスク(危険性)のはざま・緊張関係の中で、知・情・意の関わる人間集団である人類と、その文化とは何かの問題を考えさせるきずなの放射能

 

7.宇宙での放射線環境(会員ページ )

宇宙開発事業団 技術研究本部

五家 建夫

国際宇宙ステーションの船内に搭載された我が国で一番乗りの装置は「中性子モニタ装置」です。平成13年3月から11月まで計測された実測データを見ながら、その宇宙での放射線環境を紹介します。

南米上空の異常地帯の成因と今後の変化、太陽フレアの影響、宇宙天気予報、人工衛星の宇宙環境による故障例とその対策などについて最新の成果を紹介します。

 

8.スーパーカミオカンデで捉えたニュートリノ(会員ページ )

東京大学 神岡宇宙素粒子研究施設

中畑 雅行

素粒子のひとつとして知られるニュートリノは、極めて特異な性質を持つ。スーパーカミオカンデが捉えたニュートリノにより、ニュートリノは極めて小さい質量を持ち、その種類が飛行中に変わってしまうということがわかった。

この小さなニュートリノの質量は、未知なる超高エネルギー状態の様子を探るヒントとなるかもしれない。ニュートリノは、まさに素粒子物理、宇宙物理学の切り札である。

 

 

 

 

第10回放射線利用総合シンポジウム概要

平成13124日 於NTT大阪内本町会館

1.わが国の放射性医薬産業の発展─その歴史と将来展望─(会員ページ )

日本メジフィジックス株式会社生産本部  豊田 亘博

短半減期のRIを医学分野に利用した「核医学」は近年、目覚しい発展を遂げた。その結果、今日では病気の診断に欠かせない技術となっている。それを支えてきたのは核医学装置の発達と放射性医薬品の開発である。

サイクロトロンおよび原子炉で作られたRIが医薬品になるまでの過程を説明するとともに、これまでわが国の放射性医薬品産業がたどったあ|とを振り返る。さらに、21世紀の医学分野でのRI利用についいて展望する。



2.X線CTによる埋蔵文化財の立体画像化(会員ページ )

奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター遺物処理研究室  肥塚 隆保

奈良国立文化財研究所では、1994年に文化財資料用に高工ネルギーXCTを設置して以来、出土遺物のCTによる調査を行ってきた。これまで、「静岡県•賤機山(しずはた)古墳出土銀象嵌柄頭の三次元ダイナミック構造解析」をはじめ、重要文化財「藤ノ木古墳出土の剣や馬具の内部構造」、「島根県•加茂岩倉遺跡出土銅鐸の入れ子状態の調査」、鳥取県「上淀廃寺出土の壁体•塑像片の断面構造」などの調査を進めてきた。

同時に1998年よりCOE考古科学研究•保存科学部門では「文化財資料の非破壊調査」をテーマの一つとして、従来から困難であった見えない内部にある複雑な構造を有する遺物の材質を推定する方法や三次元動画構築の開発研究に取り組んできた。講演では幾つかの例について解説する。



3.日本人とヒューマンエラー(会員ページ )

滋賀医科大名誉教授  青山 

東海村Jcoの臨界事故は、わが国の国民に大きな衝撃を与えた。この他ここ数年、阪神大震災での高速道路の倒壊など、日本では起こらないと思われていた科学技術に関連した事故が連続している。

そこで「安全カルチャーの欠落」や「技術者の倫理に問題あり」といった論調が盛んとなってき た。日本人の勤勉と、名人•達人を生んだ職人気質は何処へ行ったのか?。ヒュ一マンエラ一は倫理教育やマニュアルの完備さえあれば防げるのか?。日本人の精神構造を形成していると思われる縄文や弥生文化はヒューマンエラ一と関係しているの か?。そのあたりを考えてみたい。



4.脳は低線量放射線を感知したーマウスの実験からー(会員ページ )

東邦大学医学部総合研究部アイソトープ室  宮地 幸久

「動物は、放射線を感じることができるか」。放射線科学に携わるものなら、一度は考える非常に素朴な疑問に、行動や生理学的分析から捉えた研究は比較的多い。

特に、1950年代には、あらゆる生物を使って研究されている。その過去の仕事をお話しながら、最近行った私達のマウスを使った研究をご紹介したい。



5.放射線分解による天然高分子の生物活性発現とその応用(会員ページ )

日本原子力研究所材料開発部高機能第1研究室  久米 民和

多糖類などの天然高分子は放射線によって分解し、本来有していなかった新しい生物活性を発現する。ここでは、海藻などから得られる多糖類の放射線分解物を中心に、植物の生育促進効果、植物自己防御物質(ファイトアレキシン)の誘導、重金属や塩などの環境ストレス傷害抑制効果など、新規生物活性の発現について述べる。

また、照射キトサンの大腸菌やカビに対する抗菌活性の発現、及びその応用分野について 紹介する。



6.世界における食品照射の現状とわが国の展望(会員ページ )

農水省食品総合研究所放射線利用研究室  等々力 節子

近年、食品の衛生化対策および臭化メチルくん蒸の代替技術として、食品照射技術が新たに注目されている。アメリカ合衆国では、20002月の農務省の赤身肉の照射に関する規制の発効を受けて、実用的な牛肉の照射が開始され、EUでも食品照射に関する統一規制の制定が進められている。本講演では、食品照射に関する諸外国の法規制の動きと実用化状況を取り上げ、この技術の将来を展望する。



7.非電離放射線(特に交流磁場)の健康影響とその規制の現状(会員ページ )

大阪大学名誉教授  志賀  

非電離放射線で健康影響が問題となっているの は、マイクロ波(携帯電話など)と極低周波(ELF50/60Hz)がある。後者について多くの研究が行われたが、動物実験(慢 性暴露飼育、内分泌(メラトーン)、細胞や遺伝子研究のほぼすべてがELFは無害という結論である。

但し、疫学調査の一部に小児白血病リスクのわずかな増加を示すものがあって、送電線などが問題視されることがある。現在までのこれらの研究 結果を総覧する。



8.超新星からの放射線を使って宇宙を測る(会員ページ )

九州大学大学院理学研究院物理学部門  山岡  

 天体は、電波からガンマ線までさまざまな波長 の電磁波を放っている。X線、ガンマ線は地球大気を透過しないため、これらの波長による天体観測は人工衛星などの飛翔体を用いたものになる。またX線やガンマ線で見た天体は、可視光で見るのとは全く異なった姿を現わしてくる。

さまざまな天体、特に超新星爆発に焦点を当てて、天体のX線•ガンマ 線による観測について概観する。

 

 

 

第9回放射線利用総合シンポジウム概要 

平成12年1月21日 於NTT大阪内本町会館

1.科学捜査とX線技術─SPring−8利用への展望(会員ページ )

兵庫県讐察本部科学捜査研究所  二宮 利男

科学捜査分野では、事件鑑定資料の鑑定に種々の分析手法が使用されています。それらの分析手法の中で、X線技術は、非破壊的な手法として活用されています。

本稿では、非破壊高感度微量分析手法としての全反射蛍光X線分析 法の特徴とその応用について概説し、さらに最近注目を集めているシンクロトロ ン放射光による応用例について述べる。



2.蛍光X線分析で見る文化財─富本銭を中心として(会員ページ )

奈良国立文化財研究所主任研究官   村上 隆

X線などの電磁波の利用は、文化財の調査•研究において最近大変盛んになってきた。特に考古物に対しては必要不可欠であり、「材質」や「構造」を探る道具として重要である。今回はこの中でも蛍光•分析に焦点を絞り、古代の金工品の材質や製作技法の調査•研究の現状を紹介する。曰本最古の銭貨と して最近注目されている富本銭の材質についても触れてみたい。



3.自由電子レーザーとその利用研究トピックス(会員ページ )

且ゥ由電子レーザー研究所  石津  顕

自由電子レーザー(FEL)は、紫外から遠赤外におよぶ広い範囲の波長可変性とピコ秒の短パルス幅、MW以上の高いピーク出力という特性を併せ持った新しい夢のレ一ザ一である。ここでは、半導体分野への利用研究の応用例を中心に、現状と将来性について述べるとともに、医学•生物学への応用についても簡単に紹介する。



4.超伝導トンネル接合を用いた高感度放射線検出器(会員ページ )

大阪電気通信大学客員教授  倉門 雅彦

超伝導トンネル接合を用いた放射線検出器は、エネルギー超高分解能を持つ可能性がある。実際、1つの接合でX線を直接吸収して検出する単接合検出器は、半導体検出器より大幅に優れた分解能が得られている。

可視光の光子11個のエネルギ一分析も可能となってきている。放射線を利用した材料分析や物理計測の重要な手段となっていくことが期待される。

本講演では、超伝導トンネル接合検出器の原理と近年の開発状況、および我々 が最近特に力を注いでいる超伝導直列接合検出器に関する研究開発について紹介する。



5.高温ガス炉HTTR開発の現状(会員ページ )

日本原子力研究所大洗研究所  大久保 実

高温工学試験研究炉(HTTR)は、高温ガス炉技術の研究開発や、高温照射 環境を利用した基礎研究を行う研究施設であり、平成101110日、日本原子力研究所が建設した8基目の原子炉として初臨界を達成した。講演では、昭和44年以来現在までの経緯、系統別総合機能試験、臨界試験等で確認したブラント性能、炉物理特性、および今後の出力上昇試験計画について報告する。



6.放射線発がん─広島・長崎とチェルノブイリから学ぶこと(会員ページ )

近畿大学原子力研究所教授  武部  

東海村事故は、3名の大線量被ばく者があったことは極めて残念であるが、その人達以外の作業従事者、一般市民などの被ばく線量は少なく将来発がんや白血病、あるいは奇形児を生んだり、遺伝性疾患の頻度が増したりするおそれは全くないか、あったとしても極度に確率は小さい。このことは、広島•長崎とチェルノブイリの貴重な犠牲者のデータから明白である。

 

7.原子力・放射線のリスクコミュニケーション(会員ページ )

京都大学名誉教授  木下 冨雄

原子力を含めて、リスクのある科学技術を公衆に理解して貰うためには、その 効用だけでなくリスクはリスクとして正しく伝える必要がある。このようなリスク・コミュニケ一シヨンの背後にある思想、技術、効果などについて述べる。



8.低線量全身照射併用がん放射線療法(会員ページ )

東北大学名誉教授  坂本 澄彦

放射線の全身照射は、照射線量に拘わらず照射された動物の免疫機能が抑制されると言われている。確かに、臓器移植や免疫に関する研究では、動物に全身照射をして、免疫抑制をして実験を行う場合がある。しかし、免疫抑制に必要な最低線量に関する研究は殆どなぐその線量はどのくらいか、最低線量以下の線量ではどのような効果が現れるかを確かめるために、この研究が行われた。

その結果、低線量全身照射はがん免疫を賦活させること、全身照射と局所照射の併用により、臨床的にも放射線治療効果が上がることが示唆された。

 

 

 

第8回放射線利用総合シンポジウム

平成11年1月29日 於NTT大阪内本町会館

1.CO排出制限とアジアの原子力発電量予測(会員ページ )

京都大学大学院工学研究科  大西 輝明

199712月、京都で開催されたC0P3(第三回気候変動枠組み条約締結国会議)では、2008 年から2012年までに1990年に比べ先進国全体で平均5.2%だけの温室効果ガスの削減が議定された。アジアの他の諸国は、現在この条約に拘束されないとは言うものの、アジアからのC02排出量は1990年で19億トン/C/年を超え、世界全体の1/3にも相当する。さ らに、2020年のアジアの開発途上国からの排出量は現在の約2倍にも達すると予測されている。

従って、今後アジア諸国がしだいに経済成長を達成させるに及んで、温室効果 ガス対策をあらかじめ十分考慮しておくことが重要である。この種の対策として従来、家電製品や自動車等の省エネルギや新技術導入によるエネルギー効率の改善などが指摘されており、さらに熱帯林の植栽などの有効性も考慮されている。しかし、発電部門でのC02 排出削減は最も有効な手だてのひとつであることは広く知られるところであり、化石燃料枯渴問題とも係って原子力発電の大幅な導入や置き換えの必要性が叫ばれている。例えば、わが国の場合、通産省試案によれば年率2%の成長率を維持する場合、上記の目標達成のためには設備容量で2550万キロワット、約20基分の原発増設を必要とする。わが国と同 様の議論が直ちにアジア諸国に適用されるわけではないが、21世紀におけるアジアでの エネルギー問題において原子力が占める役割は決して看過できるものではない。

そこで、C02排出がいずれの国についても制限される場合、西暦2100年に至までに、各国のエネルギー需要量がいかに増大し、その中で『原子力発電量』がどの程度の割合を占めるかをモデル予測した結果を報告する。



2.原子力発電によるプルサーマル計画(会員ページ )

関西電力株式会社原子燃料部  山手 浩一

エネルギー資源に乏しいわが国では、原子力発電所で使用した燃料(使用済燃料)をリサイクルして有効利用することをエネルギーの基本としている。プルサ一マルは、使用済燃料の再処理によって回収されたプルトニウムをウランに混ぜて混合酸化燃料(M0X燃料)とし、軽水炉で利用することを言い、現在、最も確実なプルトニウムの利用方法である。このプルサ一マル計画について説明する。



3.日本原子力研究所関西研究所光量子科学センター構想(会員ページ )

日本原子力研究所関西研究所   有沢  孝

原研が新しい研究テーマとして"光量子科学研究”を掲げて3年が経つ。平成11年夏の『けいはんな(京阪奈)研究施設』の完成を予定しているが、この機に、今後の研究構想と、今まで進めてきた予備的 研究の成果について述べる。



4.中性子ラジオグラフィによる流体現象の研究(会員ページ )

京都大学原子炉実験所 日引  

 X線(あるいはγ線)ラジオグラフィと相補的な特性を有する中性子ラジオグラフィは「量子工学に基づく革新的計測手法」として種々の科学分野においてシーズの役割を期待されている。

 本講演では、中 性子ラジ才グラフィ基本原理、計測限界について解説し、近年、注目 されている中性子ラジオグラフィの流体現象の可視化・計測への応用 研究例について概説する



5.放射光によるマイクロマシン技術(会員ページ )

 立命館大学理工学部  杉山  

ンクロトロン放射光の直進性、透過性を利用した、高アスペクト比X線リゾグラフィによる超微細構造体作成技術(LIGAプロセス)の実際と、センサ、アクチュエー夕およびマイクロマシンへの応用に関する、課題と展望を紹介する。



6.X線CTのデータによるバーチャル内視鏡システム(会員ページ )

名古屋大学大学院工学研究科   森  健策

本講演では、計算機上において3次元CT像を基に人体内部の自由な観察を可能とする。仮想内視鏡システムについては、CT像に含まれる臓器を、3次元画像処理、コンピュータグラフィックス手法を用いて高速に表示することで、あたかも実際の内視鏡で観察したような 画像をリアルタイムで生成する。

講演においては、ビデオによりシステムの紹介を行ない、有効性、今後の展望等について述べる。



7.最近の放射線計測技術の進歩(会員ページ )

東京大学大学院工学研究科  中澤 正治

光ファイパ一や超伝導材を用いた新しい放射線計測器の開発の現状についてお話するとともに、最近興味を持っている光ファイバ一による原子炉計測系の放射線測定について解説する。

 

 

 

第7回放射線利用総合シンポジウム概要

   平成10年1月27日 於 大阪府教育会館 "たかつガーデン"

1.原子力発電所蒸気発生器取替え工事の実績について(会員ページ )

  関西電力株式会社原子力・火力本部  西川 峰之

関西電力では、昭和4511月に美浜発電所1号機の運転を開始して以来、 現在11基を運転している。これらのうち、蒸気発生器の検査・補修に比較的長時間を要するものがあり、社会的信頼性、保守性および経済性等を総合的に勘案した結果、新型の蒸気発生器に取替えた。

ここでは、蒸気発生器取替えについて取替用蒸気発生器の改良点・取替技術に ついて、その実績を紹介する。



2.京大炉極低温照射施設概要と非金属性物質の照射効果(会員ページ )

  京都大学原子炉実験所  岡田 守民

 京都大学原子炉実験所の研究炉に設置されている低温照射装置(KUR-LTL)の概要と、最近実施された、15Kから353Kの間の中間温度領域における、温度制御中性子照射実験の実施状況について記されている。また、六方晶SiC単結晶(4H及び6H)中に、原子炉中性子照射により生成される照射欠陥生成効率の照射温度依存性について、MgOA1O3TiO2等の酸化物、A1NBN等の窒化物、KC1等のアルカリハランドの結果と比較されている。その結果、SiCにおける照射欠陥生成効率の照射温度依存性は他のいずれの物質とも異なっている。



3.高速増殖炉の開発と原型炉もんじゅ(会員ページ )

  京都大学原子炉実験所  西原 英晃

 平成7128日に起こった高速増殖炉もんじゅの二次冷却材ナトリウム漏えい事故は、局所的事象と見れば初歩的な技術上のミスであったに過ぎないが、そのもたらした波紋は大きく単に高速増殖炉の問題にとどまらず、今後のわが国の原子力開発のあり方、エネルギー 政策の方向をも揺さぶっている。

また、この事故が社会的問題となった背景を考えると、戦後 の復興からの経済の発展が(虚構であった)バブルで頂点を迎えるまでの道程の抱えていたわが国のもろもろの構造的な弱点が露呈した一つの現象であったとも言えよう。ここでは、高速増殖炉の役割と、平成712月に発生した原型炉もんじゅのナトリウム漏えい事故とこれらに関連する事項について概説する。



4.中華人民共和国における電子ビーム脱硫ブロジェクト(会員ページ )

  株式会社荏原製作所  土居 祥孝

当社は中国の国家計画委員会、電力動工業部と共同で排ガス処理量30Nm3/h の電子ビーム脱硫モデルプラントを中国四川省の石炭火力発電所に建設し、97年7月から実ガス試運転を開始した。

電子ビームおよび本プロジェク卜の概要並びにモデルプラン卜の運転状況、生成した副生肥料の試験結果等について紹介する。



5.最近の工業用高エネルギーX線CTとデジタルラジオグラフィ(会員ページ )

  株式会社日立製作所  出海  

放射線検査は超音波検査とともに物体の内部を可視化する有効な手段として広く普及し ている。放射線検査では、放射線源として60Co192Irなどの放射性同位元素かX線発生装置を使い、検出器としては主にX線フイルムを利用している。最近はIP(イメ一ジング•プ レート)が利用できるようになり、感度•ダイナミックレンジの点でX線フイルムより格段 に画質の向上が見られるばかりでなく、画像の計算機処理が可能になった点でも大きく進歩した。

さらにイメージ・インテンシファイア(II)の利用で高感度化とディジ夕ル化が進んでいる。しかしながら、現状の放射線検査手段を厚物材、たとえば100mmを越える鋼材の検査に適用すると、減衰が大きく分解能・検査時間あるいは画像の濃淡情報の点で必ずしも 満足できない。これを解決するには透過力の強い高エネルギーX線を使う必要がある。1MeVを越えるX線を得るにはX線管ではなく、電子線線形加速器(電子線LINAC)を使う。 たとえば250keVX線管で得られるX線は100mmの鋼板を透過すると6桁以上の減衰が あり測定不可能であるが、6MeVLINACで得られるX線の減衰は2桁弱にすぎない。ところがこのように透過力の強いX線はフイルム・IPIIなどの従来のX線検出器を使うと 極めて効率が悪くなるという問題がある。それは透過力が強いが故に検出器とも相互作用せずに透過してしまうからである。したがって高工ネルギ一X線に対して高感度なX線検出器を開発することが厚物材の検査にとって重要な課題となる。ここでは高エネルギーX線に対して高い感度を持つ検出器と、それを使った透過撮影(DR)と断層撮影(CT)の双方が 可能な装置について述べる。



6.放射性同位元素を用いた最新の医療診断技術(会員ページ )

  塩野義製薬株式会社  浅田 英久

血液や尿に含まれる体液成分の測定は、疾患の病態把握の指標として広く臨床応用されてきた。特に、疾患の早期発見は予後の向上および医療費削減にも貢献することから、その診断法の向上に期待するものは大きい。

高感度免疫測定法は、体内の微量成分の量的変化を敏感にとらえ、日常診療の中で、特定の疾患の病態把握に客観的な判断基準を与え得るものとして、現在広く利用されている手法で ある。今回は、高感度放射免疫測定法を用いた心臓ホルモンの測定系の確立とその臨床応用について紹介し、心不全の早期診断への期待について述べる。



7.ガン治療における放射線の役割(会員ページ )

  慶応義塾大学医学部  近藤  

もし、自分や家族ががんにかかったら----。どんな治療法を選ぶかは生死の分かれ目であり、闘病やその後の生活の内容(Quality of Life)も、それによって大きく変わってくる。

ところが、がんの医療情報には「誤り」を招く欠陥が実に多くたくさんの人が選択に失敗している。

この失敗を明らかにし、情報の正しい読み方を示したい。

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