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放射線研究会リスト

放射線シンポジウムリスト

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74回 放射線科学研究会(核融合開発の現在)概要(講演案内)

20211129日(月)zoom開催が主体、サンエイビル

 

1. 核融合研究の100年史と展望50分) 

 

  大阪府立大学 研究推進機構 放射線研究センター 教授 松浦 寛人

 

 いわゆるゼロカーボンの手段として、政権与党の選挙で論じられ、ベンチャー企業の設立が報じられるなど、核融合研究をめぐる状態はこれまでにない状況にある。しかし、安易に「クリーン」を強調したり、実用化までに克服すべき課題を見誤ると、先行した核分裂の二の舞になりかねない。本講演では、核融合反応の発見まで遡り、核融合研究のエピソードや達成点を時代ごとに紹介し核融合の将来を議論したい。

 

 

 

2.わが国の核融合研究開発と量子科学技術研究開発機構(QST)の役割:
原型炉研究開発ロードマップ、イーター計画、幅広いアプローチ活動を中心に
50分)

 

QST量子エネルギー部門 研究企画部 部長 東島 智

 

 カーボンニュートラルの実現が不可避とされる2050年頃をターゲットに、わが国は、太陽が輝く源である核融合を地上で起こす研究開発を、原型炉研究開発ロードマップに沿って進めている。QSTは国の指定を受け、日・欧・米・露・中・韓・印の7極の国際協力の下、重水素と三重水素を用いて持続的な核融合燃焼を実証するイーター計画を仏国で進めるとともに、並行して、イーターの次に最初に発電する「原型炉」を目指し、日欧協力の幅広いアプローチ活動を実施している。本講演では、これら研究開発について紹介する。

 

 

 

3.ITER用機器の開発についてートロイダル磁場コイルとダイバータターゲットを中心にー  50分)

 

三菱重工業株式会社 新型炉・原燃サイクル技術部 核融合推進室 マネージメントエキスパート 清水 克祐

 

 日本が調達分担となっている機器の中で、ITERの主要機器であるトロイダル磁場コイル及び外側ダイバータターゲットに関して、厳しい要求条件を克服するために創意工夫した製造技術について概説する。特に、トロイダル磁場コイルへの製作精度要求は10m超長に対してmmのオーダーであり、原子力機器の製作で培った製造技術を基盤とし、数値シミュレーションも併用して、要求条件を満足する製品を提供できた。当日、可能であれば、製作ビデオをご覧いただければと考えている。

 

4.核融合炉材料のはなし(タングステンを中心として)  50分)

 

大阪大学 工学研究科 教授 上田 良夫

 

 核融合炉では、核融合反応の際に中性子が発生するため炉材料の選択には中性子影響を考慮することが求められる。また、様々な機器で特有の性質(高融点や高熱伝導率、等々)を持った材料が使 用される予定であり、適切な材料選択とその適用技術の開発は核融合炉実現のために不可欠である。本講演では、核融合炉を構成する材料の選択基準や具体的に使用が検討されている材料について述べ、その後特に高い熱負荷を受けるダイバータで使用されるタングステン材料に焦点を当てて、求められる特性や研究開発の現状、及びその波及効果などを説明する。

 

 

 

73回 放射線科学研究会概要(講演案内)

20211129日(月)サンエイビル

 

ONSAの事業と協会賞について50分) 

 

  大阪ニュークリアサイエンス協会  奥田 修一

 

 

1. [ONSA賞]質量分析イメージング法によるPET診断用低酸素イメージング剤の腫瘍内集積機序の解明:
薬物相互作用の探索,創薬への展開
(授賞公開論文)50分) 

 

  京都大学 医学部附属病院  志水陽一

 

 ニトロイミダゾールを母核に有するPET診断用低酸素イメージング剤は、低酸素環境下細胞内の還元代謝により低酸素特異的に集積すると考えられてきたが、その詳細は不明であった。本講演では、化学形態を区別して組織内分布を可視化できる質量分析イメージング法を用いた本薬剤の腫瘍低酸素組織への集積機序の解明、集積機序に基づく本薬剤の薬物相互作用の探索、腫瘍低酸素のPET診断により最適な薬剤開発への展開について紹介する。

 

 

 

2.[ONSA賞]低線量X動画イメージングによる新しい肺機能画像診断技術の創出
― 息止めしないレントゲン検査 ―
(授賞公開論文)50分)

 

金沢大学 医薬保健研究域  田中利恵

 

 「大きく息をすって〜、ゆっくりはいてくださ〜い。はい、ゆっくりすってくださ〜い。撮影終了です」。このような合図で呼吸状態を撮影した胸部X線動画像には、横隔膜や胸郭の動き、肺血管・気管支の密度変化に起因する白黒濃淡変化が描出されている。これらの動的変化を数値化・可視化することで、造影剤や放射線医薬品を用いない肺機能画像診断を実現した。本講演では、開発した動画解析技術と最新の臨床研究成果を紹介する。

 

 

 

3.[ONSA賞]表面を一原子層単位の深さ精度で磁性探査できる新技術を開発
― 鉄の磁石の「表面の謎」を解明!― (授賞公開論文)
50分)

 

量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門  三井隆也

 

 量子科学技術研究開発機構は、放射光から放射性同位体線源よりも10万倍も輝度の高いγ線を発生させる技術を独自開発して材料研究に応用している。最近、この新しい量子ビームを用い、金属表面の磁性を原子層単位の深さ精度で調べる手法を実用化することで、40年前に予言された鉄の表面の磁力が原子層毎に増減する現象の観測に初めて成功した。本講演では、一原子層単位での局所磁性探査法の原理から応用までを紹介する。

 

 

 

72回 放射線科学研究会概要(講演案内)

(講演者略歴)

20201218日(金)サンエイビル

 

1. 阪大産研量子ビーム科学研究施設の紹介(会員ページ )50分) 

 

  大阪大学 産業科学研究所 誉田義英

 

 阪大産研量子ビーム科学研究施設は1957年に放射線の利用を目的として設置され、1978年に電子線形加速器の設置が認められて以降はCo-60γ線源の利用に加え、電子ビームの利用研究も行われてきた。その後FELや陽電子ビームの開発も行われ、更にRF電子銃ライナッ  クの設置も認められ、多様な電子ビーム・光の利用が進められている。本講演ではこれまでの経緯と現在の利用状況・形態について紹介する。

 

 

 

2.京大複合研電子ライナックの多目的利用(会員ページ )50分)

 

京都大学 複合原子力科学研究所 高橋俊晴

 

 30 MeVLバンドライナックで、数十MeVクラスとしては国内最高電流330μA、最大ビーム出力は10 kWである。可変範囲も、エネルギー646 MeV、パルス幅2 ns4 μsと広い。全国共同利用の装置として、ビーム出射時間は年間2,000時間を超え、パルス中性子、高エネルギーまたは低エネルギー電子線、制動X線、THz帯ミリ波帯コヒーレント放射光など多種粒子線源として、多様な研究分野に利用されている。

 

 

 

3.電子線照射装置とそのアプリケーション(会員ページ )50分)

 

株式会社NHVコーポレーション EB加工部 奥村康之

 

 放射線によるポリエチレンの架橋が発見されたころとほぼ同じ時期となる1957年に日新電機が電子線照射装置の開発に着手した。それから半世紀が過ぎ、弊社に受け継がれた電子線照射装置は35か国以上で活用され、モノづくりに貢献している。本講演では、電子線照射技術の利用例を交えて、今後、益々活躍の場が広がる電子線照射装置や照射サービスについてご紹介する。

 

 

 

4. 電子加速器のビームの特徴と利用研究および関西を中心とする施設の現状(会員ページ )50分)

大阪ニュークリアサイエンス協会 奥田修一

 電子加速器では、ビームのエネルギー、時間構造(パルス)、輝度などが制御でき、高度利用が行われている。電子ビームの特性と物質との相互作用の特徴、2次ビームとその応用、これまでの研究で得られたビーム利用に関する知見について述べる。一方で、新しい産業応用につながる基礎研究のために必要な汎用の加速器は、維持管理が困難になっている。関西を中心にこの現状を報告する。



 

71回 放射線科学研究会概要(講演者略歴)

2020年9月25日(金)サンエイビル

1. (ONSA奨励賞授賞講演)
イオン照射によるナノ組織制御を用いた超伝導材料の高特性化に関する研究 (授賞公開論文)

 

  関西学院大学理工学部  尾崎 壽紀

 

 現在、各種放射線の利用が日本の科学技術、社会・経済発展に非常に重要な役割を果たしている。特にイオン照射技術を利用した機能材料研究・開発は、今後大きな発展が期待できる科学技術分野である。 本講演では、エネルギー機能性材料である超伝導材料に、比較的低いエネルギー(数MeV以下)でイオン照射を行うことによる超伝導特性の高特性化について紹介する。

 

 

 

2.中性子ラジオグラフィの実用化に向けて(会員ページ )

 

日本非破壊検査協会 谷口 良一

 

 中性子ラジオグラフィ(NRT)はX線が苦手としている水素の検出が得意であり、この特徴に注目して、NRTはXRTを補う技術として、約半世紀前から技術開発が始まった。60年代にロケットの火工品(爆裂ボルト)などを対象として実用化が開始されて以後、中性子画像技術の開発は、順調に進められて、IPの利用、高感度化、CT化、高精度化などが進められた。 一方では中性子源の制約が大きく、その後の展開は、必ずしも順調とは言えないものがある。現時点においても中性子のイメージング技術は極めて限定された対象の検査、あるいは研究用の実験技術にとどまっており、産業用として広く普及しているとは言い難い。 本講演は、中性子の画像技術の現時点での全体像を紹介するとともに、中性子イメージングの発展の観点から、中性子源の開発、高感度撮像技術等の開発課題を明らかにすること目的としている。

 

 

 

3.日本、及び世界の負イオン型NBIの進展(会員ページ )

 

核融合科学研究所 津守 克嘉

 

 核融合研究における、中性粒子ビーム加熱方式(NBI)は核融合プラズマの加熱と電流駆動に必須な手法である。核融合プラズマ閉じ込め装置の大型化を見越して日本が世界で初めて開発と実用化を行ない、同型NBIは、将来のITERやDEMOでも採用され、建造が予定されている。 本講演では、日本での負イオン型NBIの開発、負イオン源内プラズマの特異な物理現象、そして今後の負イオン型NBIの展開を説明させて頂く。

 

 

 

4. 実験動物モデルを用いた放射線発がん研究(会員ページ )

広島大学 原爆放射線医科学研究所 笹谷 めぐみ

 放射線は線量依存的に発がんリスクを増加させる。しかしながら、低線量・低線量率放射線被ばくによる発がんリスクは未だ明らかにされていない。また一般的に、若年期被ばくは、成人期被ばくよりも発がんリスクが高いがその機構は明らかにされていない。 そこで我々は、実験動物モデルを用いて低線量・低線量率発がんリスク評価や被ばく時年齢が放射線発がんへ及ぼす影響解明を行っている。本研究会では、その研究結果について紹介したい。


 


5. 若狭湾エネルギー研究センターの加速器を用いた材料改質・分析実験(会員ページ )

(公財)若狭湾エネルギー研究センター 研究開発部 石神 龍哉

 若狭湾エネルギー研究センターには200 kVイオン注入装置、タンデム加速器、シンクロトロンという3つの加速器が設置されている。講演ではそれらを使った研究の一部を紹介する。 鉄白金薄膜磁石への窒素イオン注入による保磁力増大、イオン照射による保磁力の低下と弾き出し原子密度との関係について説明する。また、大気中に置かれた材料中の水素が加熱により減少する様子を、高エネルギーイオンビームを用いて観察した結果を報告する。