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平成26年度第2回見学会

大阪府立大学BNCT研究センター見学記

 

 秋の装いの1028日大阪府立大学白鷺門にONSA会員15名が集合して、大阪府立大学21世紀研究機構BNCT研究センターを見学させて頂いた。BNCT研究センターの成果の一端は第53回 放射線科学研究会(平成26418日(金)開催)でBNCT研究センター特認教授 切畑光統氏にすでに発表頂いている。また、平成27年1月26日(月)開催ONSA23回 放射線利用総合シンポジウムでは切畑光統教授と関係のある京都大学熊取実験所鈴木実教授の発表を予定している。

 同研究センターは我々会員に馴染みの旧大阪府立放射線中央研究所の本館、現在の大阪府立大学放射線研究センターに隣接した真新しい建物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真1 BNCT研究センター外観

 

会員15名がBNCT研究センター玄関で、切畑光統教授の出迎えを受け、同教授のプレゼンテーションを約1時間伺った。この時に配布頂いたBNCT研究会発行の下記冊子と合わせて要旨を概説する。

「日本の叡智が拓く がん治療の新たなる地平 BNCT Boron Neutron Capture Therapy (ホウ素中性子補足療法)

中性子捕捉療法(BNCT)は、米国の物理学者Locher が提唱し、米国の臨床研究は失敗に終わったが、日本で大きく花開き、78年を経て新たな展開の時代を迎えようとしている。

特に、日本では大阪府立大学が立地する大阪府はBNCT 開発拠点が集中するメッカとなっている。開発拠点の主な担当は、大阪府立大学がBNCTの薬剤評価等、京都大学熊取実験所が中性子照射を研究・実施等、大阪大学が薬剤濃度等の研究等、大阪府南部のメーカーが薬剤製造を分担しており、いずれも大阪府下で互いに距離が近くて連携が容易である。

また、政治的にも、開発拠点の絶大な協力が得られて、大阪発のBNCT実用化に向けて「BNCT研究会」を下記の組織で地域あげて取り組んでいる。

運営委員長:京都大学熊取実験所長、推進委員:京都大学総長・大阪府知事・熊取町長、

事務局:京都大学熊取実験所・大阪府・熊取町。

この組織から地域の期待度や本気度が読み取れる。また、国からの期待度も本格的で、独立行政法人科学技術振興機(JST)を経由して、BNCT研究センターのハード・ソフトのかなりの部分が国からの補助によるものであるとのことであった。

 

写真2 切畑光統教授によるプレゼンテーションの様子

 

BNCTはガン組織に細胞レベルでの選択的な低速(熱)中性子による照射・攻撃(破壊)が可能な治療法で、生体の健全部に大きな影響を与えずに、しかも入院を要せずに日帰り治療でガンを完全治癒できる最新の治療法である。現在「治験」段階で、「治験」適用が可能   

ならば、通常なら約300万円程度掛かる治療費が検査費用だけで無料適用も可能とのお話も伺った。ご希望があれば、お早めに名乗り出てください。適用部は低速(熱)中性子の透過能力から生体表面から数cm程度までの範囲である。

BNCTの原理は図1に示したように、ガン細胞に選択的に集積した10B―ホウ素に熱(外)中性子を照射して核分裂反応を誘発させ、この時に発生する平均2.34 MeVのエネルギーとともに、発生した4He (α粒子)、7Li反跳核、およびγ線によりガン細胞のみを破壊に導く “ガン細胞選択的治療”である。ここで発生するα粒子と7Li反跳核の飛程は、それぞれ細胞サイズの長さであり生体中で健全部に悪影響を与えるおそれがない。

 

 

BNCT研究センターで、切畑光統教授が現在尽力されているのは、10B―ホウ素の高濃度薬液を安定的に供給することであった。

プレゼンテーションの後にBNCT研究センターを見学させて頂いた。同センターは製薬開発事業を担当しているためにセキュリテイは非常に厳格で、IDカードが必要のことはもちろんのこと、研究開発現場での動きが常に記録保持されていることを感じた。これは理化学研究所「小保方博士の追試・再現実験」の様子をニュースで見た筆者としては納得できた。見学の様子を写真で示した。

 (藪下延樹 記)

                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真3 見学の様子1                             写真4 見学の様子2

 

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