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第20回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成5年10月13曰 非破壊検査ビル
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1. 冷中性子ラジオグラフィ(会員ページ )
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立教大学原子力研究所
小林久夫
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冷中性子ビームを用いた中性子ラジオグラフィ(NR)を有効に利用するための指針を検討した。
すなわち、熱中性子ビームと比較してNR像のコントラスト増強の条件を解析した。
この解析のためには、各物質の巨視的断面積を中性子ビームの各線質について知る必要があるが、熱および冷中性子ビームについて測定された二、三の結果を示す。
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2.中性子ラジ才グラフィを利用した冷媒の可視化(会員ページ )
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株式会社豊田中央研究所
掛布光孝
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冷凍サイクルで使用される熱交換器は,@形状が複雑,A内部圧力が高い,B部品の壁を介した熱交換が重要などの理由から,透明樹脂などを用いる従来の可視化手法の適用が困難である。
このため,中性子ラジオグラフィを利用した冷媒の可視化が,田沢らにより検討されているが,冷凍サイクルの用途により作動原理・作動流体の種類が異なるため,線吸収係数などの基礎デ一夕,実部品の撮影ノウハウなどの蓄積は十分と言えない。
そこで,今回,中性子ラジオグラフィを利用した冷媒の可視化を力一エアコン用冷凍サイクルについて検討したので,線吸収係数測定などの基礎検討結果と,実部品撮影における利点,問題点ならびに今後の課題を報告する。
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3.NRTによる金属中の水素の工レクトロ卜ランスポートの観察(会員ページ )
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名古屋大学大学院
エネルギーシステム工学研究室 玉置昌義
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A model
of cold fusion was proposed. Electrotransport effect
on deuterium in palladium was crystallographically
examined and verified for the field formation of the condensed matter
fusion. Electrotransported palladium hydride was
analyzed by neutron radiography technique. The effective number of the
electric charge of hydrogen in PdH 0.67 was
evaluated to be +0.30±0.05.
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4.極微量中性子場における中性子動画像(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所
谷ロ良一
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従来の中性子ラジオグラフィに使用されてきた中性子場の数百分の1以下という微弱中性子で撮像可能で、しかも動画像も撮像可能な高感度中性子画像化装置を開発した。
これは、ZnS+6LiFシンチレ一夕とイメージインテンシファイア、および高感度テレビカメラを組み合わせ、さらにデジタル画像処理を適用したものである。
このシステムの中性子感度(量子効率)は1に近く、感度の向上は、ほぼ限界に達している。
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5.第4回中性子ラジオグラフィ国際会議について(会員ページ )
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京都大学
原子炉実験所 藤根成勲
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第4回中性子ラジオグラフィ国際会議は、1992年5月10〜16日にアメリカ・サンフランシスコのヒルトン・ホテルで開催された。
参加者は、登録者名簿によると96名、20ケ国(米国39,日本18,フランス9,ドイツ5,英国4,カナダ4,台湾、スイス、チリ一各2名,イ夕リア、ベルギー、オランダ、イスラエル、チェコ、ロシア、オーストラリア、スロベニア、韓国、トルコ、ハンガリー各1)である。論文数は、92 (内、ポスタ一23)で、他に2件の口頭発表があった。論文内訳は、日本28(+1),米国27(+1),ドイツ6,フランス5,カナダ、イスラエル、チエコ各3,オランダ、ロシア、ハンガリ一、トルコ、スイス、英国各2,チリ一、台湾、スロベニア、オーストラリア、イタリア各1であった。
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6.中性子ラジオグラフィの文化財への利用(会員ページ )
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元興寺文化財研究所
増澤文武
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透過試験は文化財の調査研究に欠かせないものとなっている。中でもX(エックス)線透過試験が一般的である。
加えて、青銅製の仏像など、X線を透過しにくいものの場合にはγ(ガンマ)線による透過試験がなされている。
X線やγ線の透過する元素の質量減衰係数は原子番号が大きいほど増大する。その結果、金属、セラミックス、有機物などは、被試験体の素材により透過力が異なり、これらを同時に持つ複合材の場合には、同一の画面に於いて、各素材の適切な影像を作ることは困難である。ことに重金属と有機物とで構成されているものは極めて難しい。
金属の部分のみの影像か、さもなくば、有機物の場合は、照射方向で金属と重ならない部分が観察できるのみである。
これに対して、中性子ラジオグラフィは有機物を構成する水素、炭素、酸素、窒素などの質量減衰係数が、文化財に使われる金属元素のそれらに比べ著しく大きく、X線やγ線とはまったく異なった挙動をする。
その結果、金属と有機物との複合体、特に金属器内にある有機物の検出には大きな期待が持てる。
そこで、実際に@青銅製誕生仏、A青銅製経筒と経巻、B賢瓶、C合成樹脂などによる保存処理を行った鉄剣に中性子ラジオグラフィを実施し、その効果を検討した。
その結果、従来のX線およびγ線透過試験では得られない影像が得られ、これらの欠点を補うものとして効果があることが判明した。
本報告はその原理、装置、試験条件、および結果について報告する。
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第19回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成4年12月18曰 日本アイソトープ協会大阪事務所
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1.モノグルーブ管形伝熱管内二相流の可視化 (宇宙における排熱システムの実用化に向けて) (会員ページ )
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神戸商船大学 中澤 武
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非破壊検査への応用をめざして開発された中性子ラジオグラフィによる可視化手法は、X線を使った可視化法と同様、物質内での放射線の減衰の差を利用して画像を得る放射線透過法の一つである。
しかし、中性子の質量減衰係数の違いからX線による透過画像とは異なった特徴を持ち、特に金属内の液体の可視化に対して有効である。
従って、この手法は航空機のハニカム構造翼内の腐食、湿気検査をはじめ、金属管内の液体挙動や液体金属の可視化技法として利?されているほか、文化財の調査など幅広い分野での応用が報告されている。
ここでは、中性子ラジオグラフィによる可視化技術の一つの応用として宇宙環境下での使用を目的としたモノグル一ブ管を使った二相流体ル-プ排熱システムの可視化実験を行ったので、その概略説明と実験で得られた画像結果について簡単に紹介する。
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2.宇宙ステーションの非破壊検査要求について(会員ページ )
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日産自動車(株) 間庭孝男
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欧州oアメリカoソ連それぞれが地球周回低軌道用大型ブラットフォーム構想を、一時期はなばなしく打ち出したが、その後財政面等の環境条件激変により、いずれの計画も延期や中断を余儀なくされている。
アメリ力の宇宙ステーション計画も御多分に漏れず縮小あるいは延期をくり返してはいるが、今世紀末から21世紀初頭での実現をめざし、NASA (アメリカ)のみならず、ESA(ヨーロッパ)、CSA(カナダ)、NASDA(日本)ジョイント国際プロジェクトとして開発が進行している。
日本は、JEM (日本実験モジュール)を担当し、NASDAの指導の下、4社プライムコントラク夕にサブコン多数が関連するビッグプロジュクトとして、予備設計から基本設計フェ ーズに入った所である。
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3.ロケットにおける放射線検査の現状と将来(会員ページ )
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日産自動車(株) 間庭孝男
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ロケットはそのミッションクリティカリティ・付加価値の高さにより、高信頼性・高品質が要求される。この検証のため各種の検査o試験が採用され、また固体ロケットの如く、ワンショットミッションで事前作動確認が不可能なものには、特に非破壊検査が工程の各ステ一ションで多用されている。
従って、放射線検査は現状としても多用されており、将来共必要性に大きな変化はないだろう。
但し、検査自体の高信頼性化・高分解能化等グレードアップが必要となる一方で、宇宙関連プロジェクトも今後ビジネスとして考えていく時避けて通れないコストダウンの問題を、他方ではクリアしなくてはいけないことも事実である。
現在、固体ロケットを中心にどんな箇所にどんな目的で放射線検査が使われているかをまとめ、将来指向の中でどういった環境の変化やニーズがあり、これに対応して放射線検査には何が期待されるのかについて私見を述べるものである。
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4.バブルディテクタ一(気泡損傷型放射線検出器)(会員ページ )
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長Pランダウア株式会社 藤崎三郎
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バブルディテクタ一仕様書
1.名称:バブルディテクター(Bubble Detector)
2.種別:気泡損傷型放射線検出器
3.型式:@ BD-100R, BD-100R ON/OFF、A BD - Gamma, B D - Gamma ON/OFF
4.用途:放射線検出/放射線量測定
5.測定対象:@中性子線、Aガンマ線
6.エネルギー範囲:@200keV未満?15MeV以上、A30keV未満?1.5MeV以上
7.感度:@a 標準品 0.033 bubbles/μSv〜3.3
bubbles/μSvの範囲で製造
@b特注品 3.4 bubbles/μSv 〜8.2 bubbles/μSvの範囲で製造
Aa標準品10 bubbles/μSv〜1,000
bubbles/μSvの範囲で製造
Ab 特注品 0.1 bubbles/μSv〜10 bubbles/μSvの範囲で製造
8.測定線量範囲:感度に依存(気泡数1〜約300 )、@0.1μSv未満〜10mSv以上、A0.001μS〜3mSv
9.再使用:可能
10.再使用寿命:適正な使用(1回の生成気泡数?約50個)で速やかに再圧縮を行う場合3力月以上
11.貯蔵寿命:室温(5℃〜30℃)で1年
12.使用環境条件:(a)温度室温(10℃〜35℃),(b)湿度上限なし(水中でも使用可能
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5.手荷物X線検査システムの概要(会員ページ )
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日立メディコ叶X 光徳
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荷物検査装置の種類と手法
1蛍光体による検出
蛍光体に被検査物を置き、その上方からX線を照射して蛍光板に透視画像を得るもので、被検査物を動かさずに一度に大きな範囲の検査が出来る。これには目視法と、TVカメラをくみあわせた方法とがある。
2 X線イメージインテンシファイアによる検出
X線イメージインテンシファイア(以後I Iと言う)は蛍光体から発生した蛍光を電気に変換し、集束することにより強度を上げ、二次蛍光面と呼ばれる出力面に光像として出力するもので少ないX線量で画像が得られるが、一度に検査できる範囲が狭いため被検査物を動かす必要がある。
3ラインセンサー(リニアセンサ)による検出
この方法は蛍光体の後方に設けたフォトセンサによる電気信号に変換するものであるが.フォトセンサが線(ライン)状に並べられているのでこの名称がある。X線はこの線伏のセンサにのみ照射されれば良いので、狭い幅の線状の:K線束を照射すれば良いことになり散乱X線による画像の劣化を抑えられる特長がある。被検?物を一定の速度で動かさねばならないという問題があり、装置の規摸が大きくなる欠点がある。
4フライングスボット方式による検出
シンチレ一夕と呼ばれる蛍光体と光電子増倍管を用いたX線の検出方式で微量のX線の検出が可能なため、X線は小さな点として放射される。したがっていろいろな検出方法の中で一番X線の量が少なくてすむ。ただしこの方法も彼検査物を動かすか検出器を勤かす必要がある。感度が高いので散乱:X線の検出に適している。
5後方散乱法
後方散乱X線を利用した荷物検査装置のシステムで、X線管から放射されたコーン状のX線を直線状のコリメ一夕と回転するコリメータによって、直線走査を行うペンシルビ一ム(フライングスポットとも呼ばれている)を発生させる。このペンシルビ一ムを、コンベアーの荷物に照射し荷物から出てくる後方散乱X線を散乱X線検出器で検出する。 荷物に対するビームの位置は回転コリメー夕の回転位置によって決まるので、ビームの各位置における散乱線の強度を画面上の濃淡に対応して表示することができる。
一方コンベアの移動方向は、コンベアーがあらかじめ決められた距離を進むごとに、検出器の出力を収集するようにしておけば正しい2次元の散乱像が得られる。
すなわち、縦走査をベンシルビームで、横走査をコンベアーでそれぞれ行っていることになる。
原子番号の小さい物質ほど後方散乱線が多いという性質があるので、麻薬やブラスチック爆弾などの軽原子番号の物質を容易に見つけることができる。
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6.小出力原子炉を用いた高感度リアルタイム 中性子ラジオグラフィの基礎的研究
(会員ページ )
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大阪府立大学付属研究所 谷ロ良一
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小出力原子炉(近大炉、出力1W)を用いたリアルタイム中性子ラジオグラフィ装置の開発を行った。
ZnS+6LiFシンチレ一夕とイメージインテンシフアイア、高感度テレビカメラを組み合わせ、デジタル画像処理を併用した。光学系を最適化することにより、104中性子Z cm2/ sec程度の微弱中性子場においても、リアルタイム画像および動画像の観察が可能となった。
ただし、中性子数の不足による像質の問題があるため、位置分解能と時間分解能には、一定の制限がある。
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第18回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成4年7月23曰 日本アイソトープ協会大阪事務所
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1.CTおよびラジオグラフィ用冷中性子モノクロメーター(会員ページ )
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大阪府立大学付属研究所 藤代正敏
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一般に、種々の元素の中性子断面積σは、中性子エネルギーEの平方根に逆比例する:σ=1/√E。
したがって、C Tやラジオグラフィに冷中性子(E く5meV)を用いると、i)感度や分解能が向上する、ii)非常に薄い物の検査が可能になる、ことなどが期待され、将来は冷中性子C Tおよびラジオグラフィの研究が重要になるものと思われる。
利点i)、 ii)を定量的に調べるためには冷中性子モノクロメーターが不可欠なので、われわれは簡単なT-0-Fモノクロ メーターを試作して、その特性試験をおこなっている。
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2.中性子CTにおける散乱中性子線の影響の補正(会員ページ )
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財団法人ファインセラミックスセン夕ー 池田 泰
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中性子ラジオグラフィを用いた手法の一つに中性子CTがある。
得られた像に定量的評価を行うとき、問題となるのが散乱中性子の影響である。
ことにCTの様に多数のデ一タを取り扱い、処理する場合その影響は無視できない。
しかし、現在のCTアルゴリズムでは被写体内で散乱した中性子の挙動を考慮していないため、散乱断面積の大きな被写体では局部的なCT出力値の低下や輪郭のボケなどを生じてしまう。
ソフ卜的にそれを除去することは極めて困難であるので実験的(ハ一ド的)に散乱中性子を除去する方法が必要である。本研究では、そのための方法として、被写体の前に強中性子吸収体(Cd)を設置し、散乱中性子成分のみを求め、後で透過データからそれを差分して補正する方法を用いた。
その結果、従来の単純なデータ採取では得られなかったいくつかの成果が得られた。
まず輝度と断面積の関係において、理論的な物質内での減衰の関係(指数関数)が得られた。
次にCT値の局部的な低下が抑制され、輪郭も明確になるなどの画像的改善がみられた。また、CT値と断面積の間にも補正無しの場合よリも広い範囲で直線性が成立した。
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3.第4回中性子ラジオグラフィ国際会議に出席して
-工学研究手段としての中性子ラジオグラフィ技術を開発するために-(会員ページ )
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名古屋大学工学部原子核工学科原子炉工学研究室 玉置昌義
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原子炉工学研究上、関心のある課題を概説し、中性子ラジオグラフィ技術による可視化解析に至る動機を述べる。
その応用例、現在課題になっている中性子ラジ才グラフィの定量性向上研究を紹介する。
今後の研究方向を探るために参加した第4回中性子ラジオグラフィ世界会議の様子を私的な関心の角度から箇条書的に報告する。
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4.中性子テレビジョン(NTV)用線質計の試作(会員ページ )
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京大原子炉 米田憲司
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中性子ラジオグラフィ(NRG)技術の応用として、オンライン画像処理の可能なNTV法が実用化されて来た。
これまでは熱中性子線による撮影が対象であったが、最近になって高速炉を使った速中性子線によるNT Vも可能となってきた。
一般に、速中性子源には多量のガンマ線が含まれ、その透過特性も互いに良く似ているので明確に判別するための線質計が必要になってきた。
NRGには、ASTMで定められた標準試料が存在するが、熱中性子線によるフィルム撮影法を対象に開発された試料でNTV法には有効ではなかった。
そこで、熱中性子線、速中性子線そしてガンマ線の区別をオンライン画像より直接視覚によって判別出来るよう、新しい線質計を製作した。
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5.液体金属の流れの可視化(ペンシルバニア州立大学での実験)(会員ページ )
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神戸大学工学部 竹中信幸
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第4回中性子ラジオグラフィ世界大会が平成4年5月11日から5月14日開催され、その後ペンシルバニア州立大学のCimbala, Sathianathanらとの共同研究としてペンシルバニア州立大学Breazeale
Reactorの中性子ラジオグラフィシステムを利用して実験を行ったので、システムの概要と実験結果を紹介する。
ペンシルバニア州立大学は、ペンシルバニア州のほぼ中央に位置する大学都市ステイ卜カレッジ市にあり、原子炉は大学構内にある。
原子炉はスイミングプール型のTRIGA炉(Training
Research and Isotope production reactor manifactured
by General Atomics )であり、最大出力は1MWである。
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6.中性子ラジオグラフィの考古遺物への適用(会員ページ )
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(財)元興寺文化財研究所 増澤文武
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兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所が、兵庫県和田山町の施設予定地の一部の発掘調杳を実施した。
発掘時、経筒を取り上げたときに内部に動くものがあり、経巻が残存している可能性があった。併せて、経筒の蓋は身と銹着しており、簡単には開けられない状態であった。
経巻が良好に残存していた場合、早い機会に装こう師による修理が必要とされ、最も幸運な場合には経文などを判読できる。
一方経巻の残存状態が悪い場合、容器の密閉性が良ければそのまま冷暗所に保管するか、または密閉性が悪い場合には内部の?物を取り出し何等かの処置を取り、かつ容器に異常がある場合には保存処理などが要求される。
そこで、これらの判断を行うため、この経筒のX線透過試験、中性子ラジオグラフィを実施した。その結果について報告する。
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第17回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成4年3月16曰 NTT大阪内本町会館
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1.京大炉を用いた中性子ラジオグラフィ-プラスチック、セラミックス及び金属等の欠陥検出評価-(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所 辻井幸雄
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中性子ラジオグラフィの像質評価の尺度としてNRT用透過度計を使用する。
この透過度計で中性子ビームの線質を評価する線質計と透過写真の識別度を評価する識別度計をフィルム力セッ卜面に直接密着させて被写体と共に撮影し、透過像の濃度及び像の分解度から像質評価を行っている。
本実験は識別度計として、ナイロン線による線型及びバシラス型透過度計と鋼線、銅線による線型透過度計を製作し、ASTM E545-81によるNC=84, H= 8?9, G =7等の値の条件下において、ブラスチック、セラミックス及び金属(Fe.Cu.Pb…等)に対して、識別できる最小の線径(検出限界径)を測定した。
また、被写体の厚さに対する識別度を計算により求めたので、その一例について報告する。
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2.3MeVバンデグラーフ加速器を使った表面分析(会員ページ )
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(株)豊田中央研究所 許斐一郎
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数MeVの高エネルギーイオンを用いた表面分析法には、深さ方向の元素組成、欠陥分布の分析に有効なラザフォード後方散乱法(RBS)、特定の核子の検出が行える核反応法(NRA)、微量元素の定量分析に威力を発揮する粒子誘起X線放出法(P IXE)など、それぞれ特徴をもった方法があり、当所においても、様々な分野からの要請に基づき、上記の各分析法の中から最適なものを選んで分析を行なっている。
このうちRBS法は、最も適用範囲が広く、半導体や各種薄膜の組成、欠陥分析に有用なデータを提供している。また、RBS法の他に水素分析に有効な弾性反跳粒子検出法(ERD)、RBS法の低エネルギー側への拡張である中エネルギーイオン散乱法(MEIS)の開発も行ない、分析の適用範囲の拡大、高精度化に努めている。
ここでは、簡単にRBS法の原理を述べた後、RBS、ERD、MEISついて当所での分析例を紹介したい。
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3.経年航空機への中性子ラジオグラフィの適用性(会員ページ )
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三菱原子力工業竃シ古屋航空宇宙システム製作所 安井富雄
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航空宇宙機器分野では材料、加工ブロセスの高度化、多種多様化にともない各種の非破壊検査(Nondestructive Inspection :以下NDIと称す。)法を適用して部品や材料、気体構造部位等の健全性を評価している。
航空機におけるNDIの適用段皆としては、部品の製作加工ブロセス途上や機体組立等新製作時の検査とユーザ機体運用中における定期検査の二つに大別される。
ここでは、後者の定期検査において経年航空機の腐食検知技術として有望視され、新NDIとして適用拡大途上にある中性子ラジオグラフィ(Neutron Radiography :以下NRT)とその適用性の等の概要について報告する。
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4.CT法を適用した二相流の可視化(会員ページ )
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神戸大学工学部 竹中信幸
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中性子ラジオグラフィの画像は中性子束が低い場合には中性子束のゆらぎによる統計的な誤差が生じる。
画像の輝度ゆらぎの標準偏差を測定することにより、測定したボイド率の誤差を不確かさ解析により推定した。その結果、中性子束のゆらぎによる誤差は包括度95%で± 2.6%であった。
また、輝度を水の厚みに校正する際の誤差は土 2%と推定され、全体で士 4.6 %の誤差の測定が行われていると考えられる。
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5.マイクロチヤンネルプレー卜(MCP)とその応用(会員ページ )
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浜松ホ卜ニクス(株) 松浦恵樹
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マイクロチヤンネルプレー卜(MCP)は、各々が独立した連続型二次電子増倍管として機能する導電性ガラス細管を数百万本束ね、厚さが0.24〜1mm程度の板状に仕上げた検出器である。
この構造と動作原理に基づき、小型軽量、高利得、二次元検出、分解能、高速応答、磁場中で動作可能、荷電粒子、紫外線、X線、γ線、中性子等に感度を持つ、低消費電力、ニ端子で取扱いが容易という多くの特長を有する。
これらの特長を生かし、イメージインテンシファイア(I.I)、高速応答光電子増倍管(MCP−PMT)、超高速ストリーク管、二次元ホトンカウンテイングイメージ管等の特殊管への応用の他、MCPが露出したオープンタイプのアッセンブリが放射光関係を始め、分析、半導体素子検査、天文物理等の分野に広く使用されている。
本稿では、MCPとその応用であるアッセンプリの動作原理、構造、特性について述べる。
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第16回中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成3年12月06曰 NTT大阪内本町会館
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1.中性子ラジオグラフィによる二次元ボィド率の測定(会員ページ )
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神戸大学工学部 永田寛
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二相流の伝熱・流動は流動様式に大きく依存し、ボイド率の測定が重要である。
本研究では住友重機械工業の実時間中性子ラジオグラフィシステムを用いてノズル内臨界二相流の可視化と可視化象の画像処理による二次元のボイド率分布の測定の試みを行ったのでその結果を報告する。
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2.JRR-3中性子ラジオグラフィ装置(会員ページ )
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日本原子力研究所 鶴野 晃
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JRR- 3中性子ラジオグラフィ装置は3力所の撮影部から構成されている。即ち、熱中性子ラジオグラフィ装置第1撮影室(TNR F-1)、熱中性子ラジオグラフィ装置第2撮影室(TNRF - 2)及び冷中性子ラジオグラフィ装置(CNRF)である。
これらに付属するものとしてNRキャスク、画像処理装置及び暗室がある。
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3.窒化珪素セラミックスの非破壊検査への応用(会員ページ )
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(財)フアインセラミックスセンター 池田 泰
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窒化珪素セラミックスは高温特性が優れているため、構造用ファインセラミックスの主力製品であり、自動車エンジンのローターや軸受けなどに実用化が進んでいる。
ファインセラミックスは硬度が高く、靱性が小さいため割れ易い。又製造工程やその技術が複雑で歴史も浅いことから、製品間のバラツキも小さくなく、製品の保証試験が必要である。
しかし、元々セラミックスは強い結合力を有する物質である。そのセラミックスが実焼結体では強度が1%以下に減退しているのは表面或は内部に存在する欠陥が原因となっている。
従来の金属材料と比較し2桁以上の微少な欠陥が材料破壊につながっている。
そのためこのような微少な欠陥を検出することがファインセラミックスの非破壊試験にとって製品保証上重要な課埋となっている。代表的な非破壊検査手法にはX線と超音波がある。
しかしこれらも万能ではなく、それらの補完手法として中性子克B影も重要な手法である。
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4.積層CFRPの中性子ラジオグラフィによる吸水特性(会員ページ )
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航空宇宙技術研究所 越出慎一勇 鞄本製鋼所 加藤紀彦
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CFRPの吸水特性について、中性子ラジオグラフィの技法によってその吸水度を調査を行ったのでその結果を述べる。
積屑CFRPはある期間、液体に浸漬しておくと吸水することが古田等(航空宇宙技術研究所)の実験(吸水による重量増加率)で報告されている。
今回の試験では、CFRPの吸水性を他の手法を用いて調べてみた。この手法は、水素分子等に特異的に減弱作用を持つ中性子ラジオグラフィである。これによって、吸水前後の試験片を撮像し、評価を試みようとするものである。
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5.超伝導小型サイクロ卜ロンの紹介(会員ページ )
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日本鋼管(株)応用技術研究所 青木昭雄
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当社は、超伝導小型サイクロ卜ロンによるPET (Positron
Emision Tomography)用化合物の製造システムの開発を進めている。
現在、超伝導小型サイクロ卜ロンは、川崎にある応用技術研究所のサイクロ卜ロンの専用施股にて順調に稼働し、短半減期のPET用核種の生成及び標識化合物合成装置の確性テス卜に使用されている。
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6.小出力原子炉を用いた高感度リアルタイム中性子ラジオグラフィの基礎的研究(会員ページ )
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大阪府立放射線中央研究所 谷ロ良一
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近大原子炉(出力1W)を用いたリアルタイム中性子ラジオグラフィ装置の開発を行った。
感度テレビカメラとZnS + LiF系シンチレーション中性子コンバ一夕の組合せを基本とし、デジタル画像処理も併用した。
予備的な実験の結果、多数の画像を重ね合わせる画像積分処理によって、ある程度の画質の像が得られた。撮像系の感度の向上をはじめ今後の課題は多い。
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第15回中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成3年7月19曰 NTT大阪内本町会館
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1.FRP材の非破壊試験(会員ページ )
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船舶技術研究所大阪支所 吹上紀夫
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FRP材(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチックス)は、高強度の繊維とプラスチック材を複合させた材料で、強度を強化繊維が、耐候性をプラスッチックが受持つ理想的な材料として生まれたものである。
一般的に構造物のような大きく、かつ、強度を要求するFRP材には、繊維としてガラス繊維(GF)、カーボン繊維(CF)、アラミド繊維(AF)等が多く用いられ、マ卜リックスとなる樹脂は、エポキシ樹脂(EP)、ポリエステル樹脂(UP)、ビニルエステル樹脂(VE)のような熱硬化性のものが多く用いられている。
また、FRP材は繊維樹脂共に比重が小さく(金獅フ約1/5)比強度が大きいため、軽量化を要求する場合の構造材に多く使用されている。
船には経済性を考慮し、GF/UPが多く、自動車には大量生産となるため機械成形(SMC、BMC)に適したGF/UPの組合せが多い。宇宙船や航空機では軽量化による経費節減多大となるため、FRP材としては最も性能の高いCF/EPの組合せで、機械装置(オ一トクレーブ、フィラメントワインデイング:FW法等)を用いた成形が行われる。
このことから、FRP材は主要構造部材として多くの分野で使用ざれるようになったが、一方、製作工程の多くが手作業となるため、金属の溶接部などと同様、成形品の非破壊検査は欠くことができない。
即ち、FRP材料自身と構造形状が同時に作られるため、出来上がった製品の厚さ、繊維含有率、強度的指向性および欠陥等品質の管理が必要である。
現在、種々の非破壊検査に関する報告が行われているが、大型のFRP柏?造物については、ほとんど報告されていないのが現状である。
以下は(財)高分子素材センターで実施されている非破壊試験分科会の報告書を参考に、FRP材に応用可能な非破壊試験法とその実例等について紹介する。
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2.H-U ロケット火工品用FNRの概要(会員ページ )
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宇宙開発事業団 中村富久
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ベビーサイクロトロンを中性子源とした熱中性子ラジオグラフィ(TNR)の実用化を行い、1983年よりH-1ロケッ卜の火工品の非破壊検査を行っている。
今回新たに、H-U ロケット用大型火工品(〜Φ10Omm)の検査を行うにあたり、熱中性子よりもさらに透過力の高い速中性子を用いた高速中性子ラジオグラフィ(FNR)の手法を開発・実用化した。
ここにその概要を紹介する。
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3.H-U 個体ロケットブースター用X線CTによる検査結果概要(会員ページ )
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宇宙開発事業団 福島幸夫
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静止軌道に2
ton級衛星を打ち上げることのできる純国産ロケツトH - Uの開発も最終段階に入っているが、この中の開発の1つの柱となっている大型固体ロケットブース夕(以下S R Bという)も過曰の認定試験用モデルによる最終地上燃焼試験が成功裡に終了した。
このS R Bの品質保証の有力手段として宇宙開発事業団(以下N A S D Aという)が本年1月に種子島宇宙セン夕一に導入・設置したX線CTスキャナによる最初の検査が、今回の地上燃焼実験に先立ち実施されたので、ここでは検査結果を中心に導入の経緯・CTスキャナの概要等を含め報告する。
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4.中性子ラジオグラフィによる噴流層内の粒子運動の解析(会員ページ )
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京都大学工学部 鎌田正裕
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固気もしくは固液の接触装置として利用される噴流層内における粒子o流体間、壁o流体間の伝熱や物質移動を正確に評価するためには、層内部の粒子並びに流体の挙動が正確に把握されている必要がある。
しかしながら、例えば、噴流層内部の粒子速度の測定に限ってみても、幾つかの報告はあるものの、それらの多くは半円形の断面を有する噴流層を用いたものや、粒子の流れを層壁の外側から観察したものであって、この様な方法で測定された結果は、通常の噴流層内部における固体粒子の運動を正確には表していないと考えられる。
そこで、本研究では実時間中性子ラジオグラフィを使用することで、噴流層内の粒子運動を可視化し、その速度分布を測定することにした。
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5.中性子を用いた水素の微量分析及びラジオグラフィ(会員ページ )
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日本原子力研究所アイソトープ部 和田延夫
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中性子による水素・水分測定法は非破壊・非接触での連続測定が可能であり,測定量を自動記録したり,また測定量を自動制御のための電気信号に変換することが容易である。
中性子による水素・水分測定法は高速中性子に対する水素の減速能が他の元素に比べて桁違いに大きいことを利用するか,または熱中性子に対する水素の散乱断面積が他の元素に比べて著しく大きいことを利用するので,水素・水分を他の元素と区別して測定できるという大きな特徴をもっている。
従って,高速中性子の減速・熱化現象を利用した水素・水分測定法は著しく進展し,土壌やコークスの水分測定法として実用化されている。
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第14回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成3年3月20曰 NTT大阪内本町会館
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1.京大炉を用いたプラスチック材中の欠陥識別度の評価(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所 辻井幸雄
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中性子ラジ才グラフィの像質評価の尺度としてNRT用透過度計(IQI :
Image Quality Indicator)を使用する。
このIQIで中性子ビームの線質を評価する線質計(BPl:Beam Purity Indicator)と透過写真の識別度を評価する識別度(SI : Sensitivity Indicator)をフィルムカセッ卜面に置き検査試料と共に撮影する。
インジケケー夕は1975年に制定されたASTM
E545に規定されたが、1981年にASTM E545が改正され形状、構造が変更された。
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2. 第1回中性子ラジオグラフィトピ力ル国際シソポに参加して(会員ページ )
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名古屋大学 池田 泰
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昨1990年8月28日から31日までカナダのペンブロークで中性子ラジオグラフィに関する第1回国際トピカルミーチングが開催されました。
ペンブロークはオタワから車で2時間程度西へ行ったオタワ川に沿った市で、近くに力ナダ最大のチョ一クリバ一原子力研究所があるところです。
街の人口はおおよそ1万人ぐらいで、独型的なカナダオンタリ才州の街と云うところでしょうか。
こうしたペンブロークの街のはずれの幹線迫路の近くにある、ちょっとしたドライブインという 感じのベストウエスタンインで中性子ラジオグラフィの会議は開かれました。
発表件数では、口頭発表が20件程度、ポスタ一が4件でやや寂しい状況でした。もともと今回は大阪での第3回国際会議のまだ1年後であり、さらにテーマをシステムデザインとその特性に絞っているため、応用を主とする研究は出し難かったものと思われます。
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3.放射線による精密鋳造品への検査事例(会員ページ )
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石川島播磨重工業株式会社 細川孝人
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はじめに。
最近の精密?造品に対する要求は内部の複雑形伏のものが多くなっており、そのためにセラミックコア(?物中子)によりその形状をつくることが多用されている。
しかし、このセラミックコアが内部に残留することになると、精密鋳造品の当初の要求を満足することが出来なくなる。
そこで,残留セラミックコアを検出することが必要となり、通常のX線検査では不可能な事から新しい方法として中性子ラジオグラフィが適用されるようになった。
今回は、中性子ラジオグラフィでの検杳伏況及びやはり新しい方法としてのX線CT法による残留セラミックコアの検出について概要を報告する。
まとめ
夕一ビンブレード内部の残留セラミックコアの検出は、中性子ラジオグラフィ法が適用されるが、X線CT法も有効と考えられる。
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4.最近の非破壊検査用テレビの動向とCCDカメラの現伏(会員ページ )
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柬京電子工業株式会社 映像技術部長 小林一隆
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結び
非破壊検査テレビカメラの動向として、X線TVシステムを例に高精細度化の流れについて述べ、CCDカメラについては高画素化と、CCDチップの小形化の流れについて述べた。
中性子画像の分野に於いても、高能率な蛍光コンバー夕開発、中性子h1管の開発などが進めば高解像化への要求は高まり、高精細?TVシステムへ移行することが予測される。
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5.小型サイクロ卜ロンを使った試験サービス設備の紹介(会員ページ )
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住重試験検査株式会社 中新威彦
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サイクロトロンを含む加速器のトッフメーカ一である住友重機械工業の高い技術力を生かし、永年培ってきた放射線利用の応用技術をペースとして、ハイテクノロジーの技術サービスを提供します。
東予製造所内に小型サイクロトロンの実機を保有し、付帯設備o技術メンバーを備えてサ-ビスの実施を行っており、民問企業では極めてユニークなサービスセン夕ーとして一般公開利用にしています。
□技術を高め、サービスの範囲を広げるべく技術提携・業務提携を行っています。
□技術提携:西独カールスルーエ原子核研究所(摩耗試験技術)
□業務提携:米国GAテクノロジー(中性子ラジオグラフィ技術)、住友金属鉱山梶E東レレサーチセンター・曰本分析セン夕ー・放射線照射振興協会(放射化分析技術)
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第13回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成2年11月15曰 NTT大阪内本町会館
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1.中性子ラジオグラフイにおける連続画像取り込み装置の応用(会員ページ )
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姫路獨協大学一般教育部 園田浩ー
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実時間中性子ラジオグラフィの最大の特徴は、動画像が観察できることにある。
ところが、撮影時間が短いこともあって得られる画像の画質は非常に低いものである。
そのため、これまで種々の動態に対して実時間中性子ラジオグラフィが試みられてきたが、制約が多いというのが現状である。
そこで、画像処理等を行うことで画質の改善がはかれないか、また、時系列の画像デ-タを利用することはできないか、ということで研究を行ってきた。
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2.
CR-39におけるピット形成と撮像について(会員ページ )
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神戸商船大学 小田啓ニ
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はじめに
近年、ラジオグラフィのひとつの有効な方法として、CR-39飛跡検出器を用いた速中性子ラジオグラフィ(FNR)が注目されている。CR-39はもともと重一次宇宙線測定に利用されてきたもので、その感度の高さ、良好な光学的性質等の特長から中性子測定に応用されている。
おわりに
筆者等がこれまで行ってきた微視的中性子測定の概要と、その結果を踏まえた上で、視点を巨視的中性子測定であるFNRへ向けた時に抱く疑問を解決するための予傭実験について述べた。
こうした各荷?粒子について基礎データが揃えば、中性子による反跳・核反応粒子の種類やエネルギーは前節で述べたように予測できるので、F N Rにおける照射条件・エッチング条件等の最適化のためのひとつの提案ができるのでないかと期待している。
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3.液体金属の流れの可視化(会員ページ )
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神戸大学 機械工学科 竹中信幸
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緒言
液体金属の流動現象は、半導体の単結晶生成、金屈の精錬o精製等のプロセスにおいて、または、高速憎殖炉、核融合炉、加速器の夕一ゲット等の液体金属を熱媒体とする機器において、重要である。
しかし、液体金属は可視光に不透明であり、高温で使用されることが一般的で、高温用の金属容器・るつぼ内で使用されており、その流れを可視化することは、あまり試みられておらず、セラミック製のるつば内のシリコン融液中に密度を液の密度に調節したタングステン製の粒子を卜レーサとして、X線による可視化例が報告されている程度である。
エックス線を用いる限りは、重金属融液や金似e器内での可視化には、明らかに限界があり、中性子ラジオグラフイによる可視化が有望であると思われる。
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4.航空機運用上の腐食例と処置(会員ページ )
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日本航空梶@岡本次郎
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米空軍は中性子線を使った航空機の非破壊検査法を確率した。
機体材料のわすかなヒピを見逃さない高精度の検査システムで事故の危険性を減らすともに、航空機の寿命を伸ばすのに役立つという。
この検査法は、機体材料にかすかなヒピが入ったときに生じる腐食生成物などに含まれる水素を見つける中性子ラジオグラフイによる。
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5.各種高感度中性子透過像の部分統計的性質(会員ページ )
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大阪府立放射線中央研究所 谷□良一
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各種の高感度中性子ラジオグラフィ法において基本的に問題となる中性子の応答の量子化によるノイズの問題を解析した。
これは画像の部分領域における分散と平均の関係を画像全体に対して3次元表示したもので、これによって像の画質、ノイズの種類、中性子場の性質、撮像系の評価等、多次元的な分折が可能となる。
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第12回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成2年6月07日 NTT大阪内本町会館
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1.フィリピンにおける非破壊拭験の動向(会員ページ )
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非破壊検査株式会社 中村和夫
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International
Atomic Energy Agency(IAEA,国際原子力機関)のエキスパートとして、1990年6月6月22曰フィリピン、ケソン市にて、R TレベルVの非破壊試験の技術指導に参加した。
この技術指導は、United Nations Development Program (UNDP,国連開発援助ブログラム)の基金によって運営され、Regional Cooperative Agreement for Research, Development and
Training Related to Nuclear, Science and Technology (RCA,原子力利用技術に関する地域協力条約)加盟国に対し、Industrial Project for Asia and the Pacific on the Application
of Isotopes and Radiation Technology (RAS/86/073、アイソトープ利用技術に関するアジア太平洋地域ブロジェクト)の一環としてIAEAが実施しているものである。
日本では外務省が窓口となり、これから日本非破壊検査協会が要請を受け、非破壊検査分野でこれに協力している。
ここでは主として、フィリピンの非破壊試験技術者の実情の一部を報告する。
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2.アイソ卜ープ中性子源によるラジオグラフィ(会員ページ )
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日本原子力研究所東海研究所アイソトーブ部利用開発室 和田延夫
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中性子の物質透過特性を巧みに利用して物質内部を撮像する中性子ラジオグラフィはX線やガンマ線とは異なる物質内部情報を与える特長があり非破壊検査技術の一つとして重要な位置を占めるようになった。
既に原子炉を中性子源とする熱,熱外,冷中性子ラジオグラフィは原子炉や宇宙・航空関連部品の検査に実用化されているが,将来は,現場検査にも利用できる移動型の熱中性子ラジオグラフィ装置の開発が是非必要である。
そこで,カリホルニウム2 5 2 ( 252Cf)中性子源を用いた移動型熱中性子ラジオグラフィ装置を設計・製作し,撮像方法の検討・評価をも含めて,その利用性能試験を進めてきたので報告する。
また同装置を用いた熱中性子及びガンマ線同時ラジ才グラフィ及び熱中性子誘発アルファ線オートラジオグラフィについて報告する。
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3.中性子ラジオグラフイ法によるCN-2の特性測定(会員ページ )
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京都大学原子炉実験所 米田憲司
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京大炉冷中性子源設備(KUR/CNS)には、4個のビーム孔が設けられている。
この中のCN-2に、中性子導管と測定小屋が新設された。このビーム孔の特性試験として、ビームの強度及び中性子束分布を、中性子ラジオグラフイ法によって測定した。
又この冷中性子を用いて、熱中性子では得られない特徴ある中性子ラジオグラフイを得た。
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4.動燃におけるラジオグラフィ技術の適用と技術開発の現状(会員ページ )
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動力炉・核燃料開発事業団 大洗工学センター 永峰 剛
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動燃では、F
B R及びATR技術開発に向けて広い分野でラジオグラフィ技術の適用を行っている。特に、原子炉の燃料の製造時の検査や原子炉で燃やした後の検査に利用している。
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5.原子力産業へのNRTの適用(会員ページ )
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原子燃料工業梶@熊藤久雄
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原子力分野への中性子ラジオグラフィの応用は、比較的はやい時期に試験燃料の照射後試験の分野において実用化された。
現在では改良型燃料の開発や制御棒の検査(西ドイツ)に使われている。
ここでは中性子ラジオグラフィの適用例を記す。
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第11回 中性子ラジオグラフィ利用技術研究会
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平成2年3月09日 NTT大阪内本町会館
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1. 近畿大学原子炉中性子ラジオグラフィ設備の概要と特性(会員ページ )
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近畿大学原子力研究所
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丹羽健夫
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ロケット、航空機用部品など高度の信頼性が必要な製品の非破壊検査には従来エックス線またはガンマ線画像を広く利用しているが、最近はさらに中性子ラジ才グラフィ画像も利用し始めている。
エックス線・ガンマ線画像では被写体のうち原子番号の大きい元素で構成した部分が陰になるのに対し、中性子ラジオグラフイ画像では中性子核反応断面積の大きい軽元索などで描成した部分が陰になるため、エックス線・ガンマ線画像には現れなかった部分の欠陥等が識別できる特徴がある。
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2.弥生炉による高速中性子ラジオグラフィについて(会員ページ )
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東京大学工学部原子力工学研究施設 吉井康司
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放射線を利用する非破壊試験の一分野として、熱中性子を用いた熱中性子ラジオグラフィ(TNR)がよく開発利用され、ようやくその技術的評価が確立されはじめている。
しかし、熱中性子の物質透過力には限界があり、TNRの適用できる被写体の厚さは、かなり制限されたものとなっている。
たとえば、プラスチックでは厚みが約20mm、鉄では約50mmを越える被写体についはTNRによる撮影がすこぶる困難に感じられる。
TNRのこのような限界を補うものとして、高速中性子の強い透過力を利用した高速中性子ラジオグラフィ(FNR)が注目されはじめてきた。
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3.卜ラック法による中性子ラジオグラフィの原理(会員ページ )
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近畿大学原子力研究所 鶴田隆雄
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卜ラック法による中性子ラジオグラフィでは、透過中性子の強弱を、中性子一核反応によって生成した重荷電粒子の飛跡の濃淡として固体中に記録し、これをエッチングにより可視化している。一般に、この種の検出器を「固体飛跡検出器」という。
原理的に、利用できる核反応としては、核分裂、反跳、(n.α)反応等がある。 また、飛跡を記録させる物質としては、雲母等の結晶性物質、各種のガラスおよびプラスチックが考えられる。
実際には、使いやすさの見地から、核反応としては反跳または(n.α)反応が、飛跡記録物質としては硝酸セルロース(セルロイド)またはアリル・ジグリコ一ル・カーボネイ卜(CR-39)が使われることが多い。
ここでは、固体中の重荷電粒子飛跡の生成メカニズム、飛跡エッチングのメカニズム、エッチピット生成の感度等卜ラック法による中性子ラジオグラフィの基礎になるいくつかの事項について解説する。
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4.JRR-3中性子ラジオグラフィ装置の概要と目的(会員ページ )
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曰本原子力研究所東海研所 鶴野 晃
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中性子ラジオグラフィは、中性子を用いて試料を透過させ、内部の状態を画像として検出することにより非破壊検査を行う方法である。
JRR-3中性子ラジオグラフィ装置は、熱中性子ラジオグラフィ装置と冷中性子ラジオグラフィ装置からなる。
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5.H-U SRB開発状況とFNRを含むNRT適用計画(会員ページ )
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日産自動車株式会社 間庭孝夫
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日本においては、科学研究分野と実用衛星打ち上げ分野で、それぞれ宇宙科学研究所、宇宙開発事業団が分担する方式で開発/運用がなされている。
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6.米国における中性子ラジオグラフィについて
―適用状況等の紹介― (会員ページ )
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三菱重工業(株)名古屋航空宇宙システム製作所 安井富雄
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米国における中性子ラジオグラフィについて適用状況等の紹介を行う。
中性子利用航空機機体検査装置の概要
USAF(米空軍) 航空機丸ごと中性子ラジオグラフィ検査設備
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