第10回 UV/EB研究会概要 平成11年9月7日(火) 於 住友クラブ 1.高エネルギ電子滅菌装置の今後の動向に関する一考察(会員ページ) 三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所 神納 祐一郎 10MeVクラスの高エネルギ電子滅菌装置の今後の動向について、電子滅菌行程の実際面から検討を行い、実用的な電子滅菌装置の性能諸元についてまとめる。また、当社で開発中の最新の機種について、その概要を述べる。 2.医療用材料の放射線滅菌の動向(会員ページ) 大阪府立大学先端科学研究所 古田 雅一 本講演においては、我が国のディスポーザブル医療用具の放射線滅菌の現状について概観し、より厳しい微生物管理の必要性が求められつつある生薬や天然物由来の医薬、今後の発展が期待される生体由来材料や酵素などを含む高度なバイオ医用材料に対する放射線照射効果について解説し、放射線滅菌の可能性について論じる予定である。 3.医療用具の放射線滅菌における微生物試験法とバリデーション(会員ページ) (社)日本アイソトープ協会甲賀研究所 越川 富比古 医療用具の放射線滅菌は、国際的な規格に基づいた方法が導入され、滅菌線量設定法も一新され、また、定期的に滅菌線量を監査することが義務づけられた。製品に付着する微生物(バイオバーデン)の測定方法及びバイオバーデンノ性状の把握が重要であり、これらの微生物試験法について述べる。 第09回 UV/EB研究会概要 平成11年5月25日(火) 於 住友クラブ 1.ダイオキシン類の汚染の現状と問題点(会員ページ) 摂南大学薬学部 太田 壮一 本講演では、ダイオキシン類の毒性に関する基礎的知識について簡単に解説した後、現在のWHO並びに日本政府が今後設定しようとする耐容1日摂取量(TDI)に対する基本概念について、さらに茨城県竜ヶ崎市ゴミ焼却場周辺と埼玉県産業廃棄物周辺の環境汚染実態を解説、理解して頂いた上で、最後に、焼却場労働者や胎児などでのダイオキシン類の人体汚染実態の現状を解説し、現在の日本のダイオキシン類汚染の問題点について参加者と一緒に考えたい。 2.ダイオキシンにPCBの二の舞いをさせてはならない(会員ページ) 放射線教育フォーラム 篠崎 善治 今にして思うと、国がPCB対策の最初の対応を誤ったことがことがダイオキシンの環境汚染に繋がっている気がしてならない。1997年がわが国のダイオキシン対策の元年で、欧米から10年の遅れがあるとされている。しかも、現在わが国経済は未曾有の危機に直面している。最近の新聞・テレビの報道や政府の対応を見ると、私には何故かPCBの悪夢が思い出されてならない。絶対にPCBの二の舞いをさせないために、放射線(γ線、紫外線、太陽光及び熱)によるPCBの分解技術を開発(特許取得)した経験を踏まえて若干の提言を行う。 3.PCB処理対策の現状と展望(会員ページ) (財)生産開発科学研究所 谷本 文男 平成10年6月17日「改正廃掃法」施行以来、PCB処理は、三省庁の評価委員会で既に認められた5つの化学的処理法を中心に各関連企業において処理の準備が進められているようである。しかし、明確に実施をスタートしたとは未だ聞かない。一方、巷間に報道されている如く、厳重保管の筈が、肝腎の物が失われ行方不明とされるものが多く、早急な実施が望まれる。処理のためには、周辺居住者の同意を得られるのか。 第08回 UV/EB研究会概要 平成11年2月16日(火) 於 住友クラブ 1.光ファイバの樹脂コーティング(会員ページ) 三菱電線工業 材料研究部 葛下 弘和 光ファイバのコーティング材として、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂が使用されている。本講演では、光ファイバおよびコーティング材の簡単な解説、それらの市場と将来予測、コーティング材に要求される特性、最近の技術動向や課題、そして、弊社での最近の検討結果などを紹介する。また、識別のために使用される紫外線硬化型インキについても紹介する。 2.放射線インジケーター(会員ページ) 住友電気工業樺部支社 新製品市場開発室 上野 桂二 近年、放射線の工業利用は、ポリマーの放射線架橋を応用した電線及び熱収縮チューブを始めとして、食品照射、医療器具の滅菌など多岐にわたっている。これらの工業利用においては、照射線量のコントロール及び測定が品質の安定化という点で重要である。我々は、PH指示薬をポリ塩化ビニル(PVC)に添加し、照射によるPVCからの脱塩酸反応を利用して、広範囲な照射線量測定が可能な簡易放射線量インジケーターを開発した。 3.UV(紫外放射)による水殺菌技術(会員ページ) 松下電器産業褐、究本部 照明研究所 洞口 公俊 紫外放射(UV)による水殺菌は、水質に化学的変化を与えない、常温で流水殺菌が可能、使用に伴う菌の耐性が生じない、スイッチの開閉で簡便に使用できる等、薬剤や加熱による殺菌では得難い多くの利点を持っている。ここでは各種の流水殺菌UVランプおよび魚介類の飼育用水、養液栽培培養液、空調冷却水等へのUV殺菌応用技術について述べる。 第07回 UV/EB研究会概要 平成10年11月24日(火) 於 住友クラブ 1.EB装置の利用技術について(会員ページ) 日新ハイボルテージ株式会社 星 康久 EBの(電子線)利用分野は、架橋反応を利用したポリエチレンの改質に始まり、キュアリング、グラフと重合など、多くの分野で拡大している。EB法の特徴及び各分野で利用されているEB装置の特徴などについて、環境問題への対応を含めた最近の動向を交えて紹介する。 2.UV/EBの食品包装材料への応用(会員ページ) 神奈川大学理学部 横山 理雄 PL法が施行され、食品衛生管理に HACCP方式が採用されるにつれ、食品の無菌充填包装や無 菌化包装が活発に行われるようになった。これら食品の包装材料の殺菌に過酸化水素、エチレンオキサイドガスが使用され、紫外線(UV)、ガンマ線と電子線(EB)による殺菌も行われている。今回の研究会では、UV/EBの食品包装材料への応用というテーマで、紫外線と電子線による包装材料の殺菌について説明する。 3.UVランプと最近の動向(会員ページ) ウシオ電機株式会社 平本 立躬 対象とする光化学反応に対して放射線の質と量に関する最適化とともに反応に最適な光源の形 状や耐久性の向上、更には反応に関わるフォトン一個当たりのコストの削減などが従来なされて きた。ここではこれらの光源の最近の状況や、新しく開発された紫外線光源についてまとめる。 最近の光化学反応の産業応用についても触れる 第06回 UV/EB研究会概要 平成10年8月25日(火) 於 住友クラブ 1.Influence of Light Intensity and Spectral Distribution In Free Radical Induced Photopolymerization.フリーラジカル誘導型光重合における光照度およびスペクトル分布の及ぼす影響(会員ページ) Fusion UV Systems Japan Dr. Sonny Jönsson フリーラジカル誘導型硬化材料の大気中での光重合は、酸素阻害の低下と暗重合の有効利用が重要である。光開始剤のフリーシステム、光開始剤含有フマル酸ドナーシステム及び従来型アクリレート材料システムを用い、「モノクロマティック」ランプと従来型「ポリクロマティック」ランプによる上記反応性の違いを測定、考察した。 2.三次元造形-光カチオン重合の利用(会員ページ) JSR(株)筑波研究所 山村 哲也 光造形システムは、レーザービームを光硬化性樹脂液面上に走査し、樹脂を硬化させることで目的の三次元形状物を得る三次元成形技術である。光造形に使用される光硬化性樹脂は、現在、ラジカルを重合活性種とするウレタンアクリレート系樹脂と、カチオンを重合活種とするエポキシ系樹脂が主流となっている。本講演では、光カチオン重合を利用した光造形用樹脂の特性を中心に最近の技術研究動向について述べる。 3.モノマーから見たUV/EB技術の現状と動向(会員ページ) 大阪有機化学工業(株)ラセコ5研究部 森 吉弘 光硬化システムのメリットから、光硬化性樹脂の構成、使われるモノマー類についての話に続き、現状での問題点、モノマーに対する要求特性、その改良について、例をあげる。最後に新しい原料モノマーとその使われ方や市場動向について述べる予定である。 第05回 UV/EB研究会概要 平成10年5月26日(火) 於 住友クラブ 1.超小型電子線発生管を用いた電子線照射技術(会員ページ) 東洋インキ製造(株)研究統括部 高山 蹊男 超小型超低加速電圧化、取扱易さを実現した新規電子線照射システム「ライオキュア」システムは、米国AIT社の超小型電子線発生管「Min−EBチューブ」を搭載した電子線硬化乾燥システムである。新規EB硬化・乾燥技術は、印刷・包装、グラフィックアーツ等の分野での利用が期待されており、同システムの概要、特徴、適用用途などについて解説する。 2.最近の木工用照射硬化システム(会員ページ) カシュー(株)技術本部開発第1グループ 野口 茂 最近、活発化してきているカチオン重合型硬化システムの特徴の再認識をし、木材塗装へ適用した場合の有利点と今後の見通しについて概説し、新規材料の紹介も併せて行う。また、着色系のUV硬化、UV粉体塗料、近赤外感応型開始剤についても最近の話題を紹介する。 3.N−ビニルホルムアミドの光硬化システムへの応用(会員ページ) 荒川化学工業(株)研究所化成品部 今井 敏之 近年、UV/EB硬化システムにおいては、益々無溶剤化のニーズが高まってきているが従来のアクリル系希釈剤ではそのニーズには完全には応えきれていなかった。N−ビニルホルムアミド(ビームセット770)は希釈効率が高く、硬化性が速いという特徴に加え、皮膚刺激性(PH:0.4)が低いことより、コーティング剤の無溶剤化や脱スチレンに貢献が期待されている。 第04回 UV/EB研究会概要 平成10年2月20日 於 住友クラブ 1.新規光カチオン重合開始剤の開発(会員ページ) 本化薬株式会社化学品研究所 谷口 信雄 近年、光カチオン重合システムに関する研究が注目を集めている。我々はこれまでのラジカル系開始剤の開発をベースにして分子設計を行い、クリアー系及び吸収波長域が可視域まであるインク顔料系用途向けの光カチオン重合開始剤を4品目開発した。またこれら以外の基本骨格を有する開始剤の探索も、現在行っている。 2.架橋剤「TAIC」について(会員ページ) 日本化成株式会社研究所 高山 義弘 TAICは長時間安定に保存できるモノマーで、適当な条件下において、非常に重合あるいは共重合しやすい性質を有している。TAICはモノマーとして、プレモノマーとして、あるいは高重合物として、広範囲な用途を有している点においては、アリル系モノマーとして異色なものであり、その重合体、共重合体の優れた性質は、工業材料として、最近また注目されるようになった。高分子材料としてのTAICについて、用途例等を重点に紹介する。 3.電子線硬化によるハードコート・防汚処理(会員ページ) 日新ハイボルテージ株式会社EB加工技術センター 中井 康二 電子線硬化反応は、照射条件により異なることが知られている。そこでハードコート用樹脂を用いて、その影響を検討した内容および含フッ素モノマーを添加して防汚性能を付加したときの性能を紫外線硬化と比較して述べる。また、電子線硬化の各種応用例について述べる。 第03回 UV/EB研究会概要 平成9年12月4日 於 住友クラブ 1.UV装置の最近の動向(会員ページ) アイグラフィックス(株) 三好 和彦 紫外線の工業応用は、露光、乾燥、殺菌、洗浄、造形の等々極めて多岐にわたっている。印刷、塗装、接着の分野に定着した紫外線硬化技術を中心に、殺菌、洗浄、改質などを主にして、表面処理に用いるUV装置を紹介し、最近の動向について述べる。 2.塗工技術と最近の技術動(会員ページ) (株)ヒラノテクシード 米田 知弘 今回は次の順序でコーター技術を紹介する.。1)塗工機械の最近の市場動向、2)各種塗工機械の一覧図、3)塗工方式と特性、4)各種製品別塗工方式特性表、5)各種製品に応じたコーティング法、6)コーターの大まかな流れ、7)代表的なコーターの塗工量コントロール方式(コンマコーター,リップコーター,R2コーター)、8)最近の主な製作機械(HighSpeedLipCoating,2次電池用コーター,テクニカムに設置のクリーンコーターM200DL) 3.カチオン重合の動向について(会員ページ) ISPジャパン(株) 戸木 真吾 近年、紫外線照射重合技術が急速に進展し、エポキシ系樹脂及びビニルエーテル系オリゴマーをベースとしたカチオン重合技術の開発が盛んである。アクリレート系が、その残留モノマーの有害性から食品分野等への応用が懸念されており、安全性を重視した用途への展開にカチオン系が重視されている。また、カチオン重合の持つ耐薬品性、耐熱性、耐密着性などの優れた特徴は、広範にその使用の可能性を持つ。今回は、市場用途等を重点に紹介する。 第02回 UV/EB研究会概要/第3回放射線科学研究会と合同 平成9年10月16日 於 住友クラブ 1.EB装置の最近の動向について(会員ページ) 日新ハイボルテージ(株) 水澤 健一 電子線照射装置の工業利用は、電線被覆、自動車タイヤ、発泡ポリオレフィンの業界に定着し、印刷、塗装、殺菌、滅菌さらに排煙の脱硫・脱硝に利用範囲が拡大しつつある。また、最近になってソフトエレクトロンと呼ばれる低エネルギーの電子線を穀類等の表面殺菌に用いることが注目を浴びている。この利用拡大に伴う電子線照射装置の用途に応じた変革を報告する。 2.電子ビームによる抗菌・防かび付与帯電防止処理(会員ページ) 岩崎電気(株) 木下 忍 身の回りには、抗菌・抗かび加工品が最近多くみられる。その加工方法として、通常練り込み方法が行われているが、常温で処理が可能な低エネルギー型電子線加速装置による簡便な加工方法で良好な抗菌・抗かび効果と併せて紹介する。 3.放射線照射事業の狙い、現状と展望(会員ページ) 日本照射サービス(株) 稲邑 豊昭 日本照射サービス(株)では、つくば電子照射センターに加え、近く茨城県東海村にガンマ照射施設と大阪府泉大津市に電子線照射施設を開設する予定である。これは、医療用具製造管理及び品質管理規則(GMP)の改正に伴う放射線滅菌ニーズへの対応や、輸入切り花の殺虫、医薬品原材料の殺菌など新しい応用分野の開発を指向するものである。 第01回 UV/EB研究会概要 平成9年8月28日 於 住友クラブ 1.最近の防菌・防かび技術の動向(会員ページ) 松下電器産業(株) 生活環境システム開発センター 冨岡 敏一 最近の抗菌ブームの中で、真の抗菌の意味と消費者から期待される抗菌処理について見直す。また、各種の抗菌材とその特徴を解説する。さらに、特徴ある抗菌剤について、その使いこなし方と、具体的応用例を紹介する。 2.食品照射の消費者動向に関する最近の話(会員ページ) 大阪府立大学先端科学研究所 古田 雅一 放射線照射による殺菌技術は、温度上昇が少なく有害な残留物がない点で生鮮食品や冷凍食品に対する新しい殺菌法として期待されているが、一般に普及させるためには、食品業界や一般消費者の放射線に対する理解及びPublic Acceptanceの形成が不可欠となる。講演では5月に開催された「第10回放射線プロセス国際会議」の話題を中心に、最近の話題について述べる。 3.ソフトエレクトロンを用いた食品の殺菌(会員ページ) 農林水産省食品総合研究所 林 徹 エネルギーが300keV以下の電子「ソフトエレクトロン」は透過力が小さいために食品表面しか透過しないので、品質変化をほとんど起こすことなく、穀物、豆、香辛料などを殺菌することが可能である。ソフトエレクトロン殺菌は、装置と遮蔽が簡単なために、従来の放射線殺菌と比べて安価な技術である。
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