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H06年(第09年) 度耐放射線データベース研究会
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T はじめに
U 調査概要
V
平成06年度 耐放射線性機器・材料デ一タベース研究委員会委員名簿
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W調査結果(H06)
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1.企業等民間機関における機器・材料に関する耐放射線性試験研究の調査
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1.1石英系イメージガイドの耐放射線性に及ぼす各種要因の影響(会員ページ )
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三菱電線工業鰹報通信事業部 速水弘之
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石英系イメージガイドは耐放射線性が特に優れているが、原子力分野で用途拡大が進むにつれて、106〜108Rの高線量・高温環境下で用いられるようになった。
即ち、純石英コアイメージガイドの耐放射線性に最も大きく影響を及ぼすコア材料(CL量、0H量、F量)・画素構成寸法(コア占有率、コア径、クラッド厚さ)・画素数(3,000、30,000)・線引条件等の影響、線量率・累積線量・試料温度等のγ線照射条件の影響について、実時間増加損失波長特性の測定と実時間画像劣化の観察とから、系統的に調べた結果が報告された。
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1.2熱・放射線による低圧ケーブルの劣化診断(会員ページ )
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タッタ電線褐、究開発部 田中卓男
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現在、高圧ケーブルの劣化診断には、直流漏れ電流tanδを測定する方法が採用されており、診断効果を上げている。
しかし、低圧ケーブルでは絶縁体の上に遮蔽層がなく、電気抵抗が測定できないので、絶縁体やシースの伸び値が用いられているが、これは破壊試験であり、現場での非破壊試験法の問発が望まれている。
そこで、難燃性ケーブルを105℃の加熱下でγ線照射を行ない、引張強さ、伸び、ねじりトルク、曲げ応力を測定し、照射による劣化曲線を互いに比較した結果、破壊試験である伸びと、非破壊試験であるねじりトルクと曲げ応力の問におおよその比例関係が見出され、これを利用すれば非破壊的な劣化診断の可能性があることがうかがわれた。
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1.3希土類永久磁石の放射線照射による影響
(会員ページ )
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信越化学工業且・性材料研究所 大橋健
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Nd-Fe-B、Sm-Co系の希土類永久磁石が近年広範に使われるようになり、使用の環境も多岐にわたることになる。
磁気特性の温度や腐食の影響以外にも、原子力や加速器の周辺での使用に際しては、数少ない報告ではあるが、例えば、中性子・陽子・γ線など粒子線の照射により磁束の減少が見られる場合がある。
今後、このような分野に希土類永久磁石の使用が増えることが予想され、本報告では希土類永久磁石に対する電子線・γ線照射の影響と、磁気特性劣化の機構について発表された。
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1.4耐放射線ハイプリッドIC(会員ページ )
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三菱重工業株式会社名古屋誘導推進システム製作所 黒田能克
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原子力発電所γ線雰囲気での自社製電子機器用として開発を行なっているハイプリッドI Cを紹介された。
a)放射線に強い素子の使用により100倍以上の、
b)特殊複合材パッケージ及び薄膜金属ベースの多層基盤を用いることで10倍以上の、
c)特性変動に強い回路を設計することにより10〜100倍以上の
耐放射線性を得た。
これにより、耐放射線性以外にも動作温度範囲の広く( -55℃〜+150℃)、振動・衝撃にも強く、小型化が可能な基板が作れるようになった。
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1.5IC半導体の市場動向(会員ページ )
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富士エレクトロニクス滑C外営業部 越智信次郎
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MlL/Space用I Cの認定基準が従来の製品そのものから、製造工程の認定に移行している。
また、軍事予算の削減により製造中止に追い込まれたICも多数に上がる。
さらに、情報の高速処理・記憶容量の増大・多機能化・小型化・低消費電力化によりICのライフサイクルも短くなり、開発・設計に用いるときに留意する必要がある。
戦略兵器用の耐放射線性ICについては、従来RAD HAEDが要求されていたが、冷戦終結にともなって、軍事予算が大幅に削減され、キャンセルが揩ヲている。
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1.6イオンビーム照射による高分子材料の表面改質と医療への応用(会員ページ )
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曰新電機株式会社イオン機器事業部 鈴木泰雄
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従来、表面改質は金属が対象であった。
高分子材料に対しては、当初の頃はイオン注入が改質どころか損傷を与え、関心が薄れていた。
ところが、電気・電子・情報産業の発達に伴い、高密度磁気記録媒体、導電性フィルム、フレキシブルプリン卜基板等がマグネ卜ロンスパ夕法、改善された蒸着法によって広く利用されるようになった。
高分子材料の高付加価値化のため、イオン照射による低温プロセスで基板上に高い密着力の薄膜形成が可能な「イオン蒸着薄膜形成法(IVD法)」を紹介し、高分子材料基板と膜の密着性・緻密性についてと医用高分子材料の高機能化について述べる。
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1.7 ポリイミド樹脂の耐漏線性(会員ページ )
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タッタ電線褐、究開発部 田中卓男
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ポリイミド樹脂は耐熱性および耐放射線性が優れているといわれている。
しかし、実際にはその実験データが少ないため、3種類のポリイミド樹脂について最高lOOMGyの60Co γ線を照射し、その引張強度の変化を測定した報告である。
その結果エーテル結合を含まない芳香族ポリイミドはその結合を持つものより耐放射線性に優れてはいるが、エーテル結合を含む芳香族ポリイミドでもπ電子の広がりの差による共鳴安定性の違いにより、耐放射線性に差のあることがわかった。
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1.8 高分子材料へのイオン照射効果(会員ページ )
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住友電気工業株式会社大阪研究所 日比野 豊
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高分子材料へのイオン照射の最近の研究は、阻止能の測定、LET効果、高密度励起などの基礎研究から、改質や高機能化など多岐にわたっている。
イオン注入による改質についても表面物質から宇宙環境での材料特性の劣化の研究まで幅広い。
本講演ではイオンビームで改良した高分子の工業利用の観点から、
(1)導電化(導電性材料の創製)、
(2)架橋(高耐熱性材料の創製)、
(3)多孔質(精密分離膜の創製)等
に関する最近の工業利用の原理とその研究が紹介された。
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2.大学・公的研究機関等における機器・材料に関する耐放射線性試験研究の調査
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2.1放射線と接着(会員ページ )
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日本原子力研究所高崎研究所 佐々木隆
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放射線、特に電子線の照射による高分子加工技術は工業的成形技術として、広く利用されている。例えば、ポリエチレンの照射効果が見出され、1957年には電子線による高分子加工が実用化された。
しかし、高分子に対する照射効果の研究では材料としての力学的特性の研究に重点が置かれ、機能面に対する影響は余り調ベられていない。
一方、電子線硬化技術の進展とともに多くの機能材料への応用がなされている。
本日の講演では、『接着』という機能に焦点を合せ、放射線との関わりを発表された。
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2.2有機/有機複合材料の低温物性と照射効果(会員ページ )
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大阪大学産業科学研究所 西嶋茂宏
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極低温では有機材料は通常脆く固くなり、使用に耐えないと考えられている。
しかし、超伝導機器等の極低温機器に用いられ、重要な役割を果たしており、これらの有機材料が超伝導機器の特性を決定することがしばしばある。
ここではエポキシ樹脂を例にとり、有機材料の分子の凝集状態が及ぼす極低温物性への効果を調べ、分子設計の方向を検討する。
また、これらの有機材料が放射線を受けたときの極低温物性の変化についても検討した。
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2.3宇宙用半導体素子のシングルイベント特性の評価(会員ページ )
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宇宙開発事業団機器・部品開発部 松田純夫
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メモリ素子等のICは高性能化にともない、ICを構成する回路素子の微細化は、回路ノードの容量を低下させて、電荷による電圧変動が起きやすくなり、これに起因するSEU (Single Event Upset)も発生しやすくなる。
NASDAでは原研高崎と共同で、AVFサイクロトロンを利用した重粒子によるSEU現象の研究を行ない、開発済あるいは今後関発する予定の半導体デバイスに対する耐制評価を行なっている。
これに従い、平成5年度の実験結果が紹介された。
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2.4半導体データべース検索ソフト(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所 伊藤憲男
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永年にわたって積み重ねてきた本研究会で中でのデータ収集及び日本原子力研究所よりの受託事業の中でのデータの整理と、検索を容易にするすることでの使用の利便性の向上のため、従来、年度毎にRベースでインプットされていたものを、あらためて整理するソフトを作成して公開した。
さらにデータベースとしての使用の効率を上げるため、いくつかの意見を得て、ソフトの一部修正を行なうこととなった。
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2.5高分子材料の機械的性質に及ぼす放射線と応力との同時効果(会員ページ )
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大阪大学産業科学研究所 西浦徹也
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核融合炉の絶縁材や構造材として用いられる有機材料(エポキシ樹脂とそのFRP)に対する耐放射線性のみならず、温度並びに応力の存在下での機械的性質の変化について報告された。
その結果、これら環境条件の同時効果によって、FRPの劣化が促進され、温度によってクリープ速度が助長され、さらに切断反応のG値からみると、同時効果によって切断反応が加速されることを明らかにした。
このことから、同時効果によって劣化が促進されることから、FRPの使用部位によっては、従来の結果を再検討する必要があることを示唆した。
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2.6高分子材料のイオン照射効果とその耐放射線性効果(会員ページ )
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曰本原子力研究所高崎研究所 瀬ロ忠男
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宇宙機器・核融合炉に用いられる高分子材料には高エネルギーイオンに対する耐放射線性が求められる。
イオンとγ線・電子線とでは、そのLETが異なることから、耐放射線性も異なるとされていた。
原研のサイクロ卜ロンに10×10cmの均一照射装置を設置し、陽子線照射とγ線・電子線照射の結果を比較した。
FTFEの引張試験時の伸び、PMMA及びGFRPの破断時の引張強度は何れの照射でも差はなかった。
すなわち、吸収線置を同一にすれば、陽子線照射による機械的特性試験はγ線・電子線照射試験で代替できるものと考えられる。
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2.7加速器による高レベル放射線廃棄物の消滅処理(会員ページ )
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日本原子力研究所東海研究所 水木元治
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原子炉の運転によって発生する高レベル放射性廃棄物は、超寿命のα・β・γ線を放出する核種が多く含まれている。
これらの管理には長期にわたって人類の環境から隔離することが要求される。
ここでは科学技術庁のOMEGA計画に沿って、粒子加速技術の原理的な発展(ビーム軌道理論、加速位相安定法)や基盤的な技術(精密工作、電場・磁場の高精度化、イオン源、計算機工学)の発展に支えられて、加速器の原子力分野への応用との観点から、大強度陽子加速器を利用した核破碎反応による消滅処理方法の考え方、日本原子力研究所における加速器の開発について紹介された。
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2.8宇宙開発と放射線の問題(会員ページ )
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宇宙問発事業団 機器・部品開発部 福田敏幸
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我々の生活する地球上では、地磁気とともに地球の引力により大気が存在する。 一方、現在、宇宙開発事業団等が宇宙開発として利用する地球近傍の宇宙空間では、無重力・真空という特異な世界である。
それとともに地上に比較して厳しい放射線環境にある。
ここでは、宇宙における放射線の状況、半導体部品の故障と放射線、人工衛星に用いられる有機材料の放射線劣化の問題、有人宇宙活動に際しての人体に対する放射線の影響等について述べられた。
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2.9電子線による排煙・廃水処理(会員ページ )
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日本原子力研究所高崎研究所 コ永興公
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大気や水などの地球環境はいろいろな物質の汚染によって悪化しており、これらの汚染によって引き起こされる問題はますます深刻化している。
炭酸ガスによる地球の温暖化、フロン等によるオゾン層の破壊、硫黄酸化物、窒素酸化物等が原因で発生する酸性雨による森林・湖沼の死滅、有機塩素化合物等による大気・河川・地下水・海水の汚染等が上げられる。
これらの環境悪化を防止するための対策として、放射線による排煙・廃水処理技術の開発は、石炭火力発電所等からの排煙の硫黄酸化物・窒素酸化物を、工場等の廃水の汚染物や細菌を効率的な分解・除去によって環境悪化の防止に寄与しようとするものである。
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2.10大型加速器の放射線損傷(会員ページ )
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高工ネルギー物理学研究所 放射線管理センター 平山英夫
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大型の加速器の施設内における放射線場の特徴は、放射線の種類が多くそのエネルギー範囲が広いことである。
したがって、それらの放射線による物質の損傷は低エネルギー放射線の場合のように単純ではない。
欧州国際原子核研究機関(CERN)で約20年前から大型加速器施設内で使用する物質の放射線損傷または、耐放射線性の系統的な研究が行なわれている。
今回はそれらのデータの紹介があった。
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3.電気学会、原子力学会、その他学会、国際会議における耐放射線性・耐環境性に関する試験研究の実情調査
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3.1IEEE-NSREC(1993)国際放射線効果会議報告(会員ページ )
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宇宙開発事業団 信頼性管理部 久保山智司
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会議は7月19〜23日米国ユタ州スノーバードで開催された。
発表論文は105件(内講演56件、ポスター49件)、参加者は約500名であった。
今回特に目立ったことは、シングルイベント現象に関し、スーパーコンピュータによるシュミレーシヨンが多用されていることであった。
特にデバイス内部の電位分布等を力ラーアニメで示す発表が2件あった。
その他、興味を引いたものとして、卜ー夕ルノーズ効果の理論的解析に関するもの、ICそのものの一部を線量測定用素子として使用し被ばく量を測定するもの、日本のEXOS-Dによる宇宙環境放射線の測定、メーカ自身によるデバイスやI Cの放射線効果の測定、Si基板に互いに独立した多数の微小卜ランジス夕を作成する方法等であった。
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3.2原子力・宇宙における放射線照射効果に関する国際会議(NSREC1994)の概要と耐放射線性強化32bitマイクロプロセッサ(会員ページ )
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鞄立製作所エネルギー研究所 上村 博
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参加者は米国についでフランス、日本、イギリス、カナダが多かった。
国際社会の緊張緩和の結果、従来多かった軍事用ICに対し、宇宙用に使用されるI Cも平和利用を念頭に置き、民生用の活用が考えられている。
さらにこの会議で発表した講演者の耐放射線性強化32 bitマイクロプロセッサを紹介した。 本品は民生用のMPUに若干のプロセス変更を加えたもので、ラッチアップフリーで約10倍、1kGy(Si)の耐放射線性を有する宇宙用32bitマイクロプロセッサを開発することが可能になった
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H05年(第8年) 度耐放射線データベース研究会
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T はじめに
U 調査概要
V
平成05年度 耐放射線性機器・材料デ一タベース研究委員会委員名簿
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W調査結果(H05)
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1.高線量率、大線量照射下など極限環境における機器・材料の耐放射線性試験研究の調査
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1.1光ファイバ分野における耐放射線性試験研究の動向(会員ページ )
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曰本原子力研究所東海研究所 角田恒巳
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光ファイバの耐放射線性の向上には着色中心となる欠陥形成の機構解明とその生成を抑制する技術開発が必要である。
従来の放射線遮蔽窓ガラス等では光のパスレングスはたかだか1mであるのに対して、光フアイパでは数10 km以上のパスレングスを有することが絶対条件となっている。
このため、ガラスの構造、欠陥の解明や放射線と関わる種々の問題解決のための研究が促進され、耐放射線性光ファイバの実用化が進んできている。
本講演では、ガラスの構造、欠陥と放射線、耐放射線光ファイバの現状、中性子照射の現状、原研における中性子照射試験等試験研究の現状と動向が紹介された。
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1.2大阪府立大学附属研究所における耐放射線性の研究(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所 岡本信一
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原子力関連施設では電線ケーブルのシース・絶縁材料の許容放射線量が2〜10 MGy以上へと高くなってきている。
そのため、高分子材料の耐放射線線量が各種添加材の併用によって向上するかどうか等について行なわれた研究の結果が報告された。
本講演では
@60Co照射施設の紹介(10rad/hr〜107rad/hrの照射が可能)
Aガンマ線照射による腐食性ガスの発生が少ないケーブルの開発
B2〜4MGy照射後の折曲げ試験による発生ガスの電線中の導体への影響の調査
C絶縁材と添加材の組み合わせによる耐放射線性の改善
D耐放射線性シース材料の開発
が報告された。
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1.3高分子(ボリエチレン、エチレンプロピレンゴム)シー卜のイオン照射効果(会員ページ )
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早稲田大学理工学総合研究所 濱 義昌
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高分子材料のイオン照射ではLETがγ、X線より極めて高いため、γ、X線照射とは異なる化学構造変化の分布が得られると考えられるので、試料に低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンプロピレンゴム(EP)のシー卜を用い、真空中にいれ、10MeVのH+を300nA照射(原研高崎TIARAによる)後、シー卜断面に沿って数10μm〜数100μmの厚さの薄片を空気中で作り、赤外線吸収スペクトルを顕微FT-IRで測定した。
H+照射では卜ランス型2重結合(964cm-1)の吸収が見られるのに対し、γ、X線照射ではカルボニル基の生成が見られる。
また、LDPEでは2重結合の吸収ピークの深さ方向への分布にはブラックピークが観測され、飛程は計算値とよい一致が得られ、2重結合生成のG値は約1.2であった。
その他、γ、X線照射した場合の結果との対比が示された。
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1.4高密度電子線照射による岩塩中のナ卜リウム微粒子形成(会員ページ )
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大阪府立大学総合科学部 大脇成裕
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材料改質の基礎研究として、NaCl等イオン結晶中に高密度の電子線を照射して、構成金属(Na等)の微粒子を形成させる。
その微粒子が金属かどうかの評価結果について報告された。
この研究は高レベル放射性廃棄物の岩塩坑中での保管の問題に通ずるものである。
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1.5核融合プラズマ対向材料(316 SS)の表面損傷低減のための粒子線前照射表層窒化改質(会員ページ )
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大阪大学産業科学研究所 布垣昌伸
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核融合実験で高温プラズマが材料を直接衝撃するような場合、材料は高速粒子束衝撃及び熱負荷を蒙る。
JET (Joint Europian Tours)では炉壁が溶融して恰も溶岩流のように真空容器内壁に附着した。
炉壁寿命の他、プラズマ温度低下の原因となる。
この軽減を目的として、材料を表層窒化改質して10kA/20μsの大熱負荷試験による損耗量を表面粗さ計、微量天秤などで計測した。
窒化に際しては、新形式窒化法一粒子線前照射による窒化効率の向上などの成果を得た。
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1.6原子力発電等における潤滑剤の耐放射線性(会員ページ )
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東燃椛麹研究所 中西 博
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潤滑油及びグリースの耐放射線性、耐放射線性潤滑剤の開発について実例を挙げて報告された。
具体的には60Coγ線照射施設、電子線照射施設、高速増殖炉(文珠、常陽)、再処理施設の潤滑剤の使用例が報告された。
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1.7半導体素子の中性子損傷(会員ページ )
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大阪大学工学部原子力工学科 飯田敏行
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14 MeV中性子発生装置を利用して、各種の核融合診断用センサー、素子、機材の中性子照射実験から、核融合診断のための機器や関連材料の選択や開発について、多くの有用なデ一夕を得ることができた。
半導体素子についても、同一のSi半導体素子をDT及びDD中性子或は核分裂中性子で照射し、劣化特性を比較し、エネルギーの異なる中性子の照射効果についての定量的な関係を検討した。
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1.8核燃料サイクル施設における耐放射線性試験研究(会員ページ )
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動力炉核燃料開発事業団 田中康正
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動燃の高レベル廃液ガラス固化技術開発施設や高速炉燃料再処理技術開発施設などの高放射線施設には、遠隔保守システムの概念が適用されている。
これは施設のセル内の機器を走行式の双腕パワーマニプレー夕、インセルクレーン監視テレビ(高品位テレビを含む)などを用いて、点検や交換を行なえるようにモジュール化して設計するものである。
耐放射線性を強く要求される監視テレビカメラとその開発過程が主として紹介された。
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1.9電気ベネ卜レーシヨンの開発(会員ページ )
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鞄月ナ 原子力技術研究所 中東重雄
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最近急速に開発が進んでいる物理的、化学的安定性に優れた素材を活用して原子力発電に適用可能な機器・部品の開発の目的で、1985年に設立された「技術研究組合 原子力用次世代機器開発研究所」(ANERI : Advanced Nuclear Equipment Reseach Institute)の開発活動の例が紹介された。項目は、
@電気ベネ卜レーシヨン
A非ハロゲン系難燃ケーブル
B中忤子検出器の気密シール部品
Cオーステナイ卜系ステンレス鋼の照射誘起偏析
であった。
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2.宇宙環境における機器・材料に関する耐放射線性試験研究の調査
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2.1 NASDAが実施している「部品試験デー夕解析システム」(会員ページ )
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宇宙開発事業団技術研究本部 内藤一郎
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宇宙開発事業団が実施している部品の耐放射線試験データ及びTEDAデータについて収集・登録・検索・解析を迅速に効率よく実施することを目的として「部品試験データ解析システム(PAS)」を開発中であり、平成4年度にPAS メインシステムを完成し、現在データの登録等第2段階のシステム整備にかかっている。
蓄積されるデ一夕はシングルイベント断面積、反転断面積、卜一夕ルドーズ効果による部品の電気特性、TEDA工学値等である。解析としては、
@重粒子イオンによるアップセッ卜率の推定、
A軌道上で遭遇する電子、陽子のフルエンスからA1遮蔽材の厚さの関数として吸収線量を計算する、
B軌道要素を入れてミッション期間中に当たる粒子数(電子、陽子)
を求めることができる。
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2.2傾斜機能材料の研究の現状と今後の展開(会員ページ )
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航空宇宙技術研究所 新野正之
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スーパープレーンの実現には超高温に曝され、しかも非常に大きな内部温度差が生じる環境に耐える超耐熱材料の開発が不可欠である。
この要求から傾斜機能材料(Functionally Gradient Material:FGM)という新材料の概念が生れ、昭和62年度から5年間この材料開発の研究が行なわれた。
FGM材料の設計理論を確立するため弾塑性解析手法を整備し、スーパープレーンの機体構造、エンジン部材への適用、大型試験片の試作、実環境試験法の確立等に取り組んだ。
実環境試験が抱える熱衝撃、高温度落差、熱疲労、エロージョン・コロ一ジョン、アーク過熱試験等についての問題点のスクリーニングが行なわれた。
昭和62年傾斜機能材料研究会が発足し、日米で2回の国際シンポジウムを開催した。
傾斜機能材料の技術成果は核融合、エレクトロニクス、生体材料等広い分野への適用が可能である。
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2.3ロケット・極低温の卜ライポロジー(会員ページ )
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航空宇宙技術研究所 野坂正隆
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ロケッ卜エンジンの燃料である液体酸素・液体水素を燃焼器へ圧送するターボポンプの?受は極低温流体中で高速稼動し、極低温ポンプと高温ガスタービンの間に設ける軸受と軸シールはきわめて重要な寿命部品である。
本稿ではH-I、H-Uロケッ卜の研究開発過程で経験した興味ある実験結果を中心にロケッ卜用ターボボンプの極限環境下での潤滑問題について述べられた。
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2.4耐放射線性強化LSI用MOFET(会員ページ )
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鞄立製作所 エネルギー研究所 上村 博
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民生用LSI (集積線量は高々O.lGy)の素子構造をできる限り変更せず、人工衛星用LSIに要求される耐放射線性(集積線量lkGy、線量率5Gy/h)を、製造プロセスを若干変更することで実現し、或るモデルで閾値電圧のシフ卜が宇宙放射線環境での使用に耐えると予測した研究開発が紹介された。
試みた具体的な民生品との製造プロセスの差異は
@フィールド酸化膜の薄膜化
Aゲー卜酸化温度の低温化
B表面保護膜に窒化珪素層を追加
である。
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3.電気学会、原子力学会、その他学会、国際会議の活動状況及びデー夕ベースの実情調査
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3.1電気学会「誘電・絶縁材料の分析法の新展開調査専門委員会」の活動(会員ページ )
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早稲田大学理工学総合研究所 濱 義昌
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本委員会は、誘電・絶縁材料の評価には従来機械的・電気的特性のような比較的巨視的側面からの試験から基準が作成されてきたが、最近発達してきた微視的分析技術を取り入れる可能性を調査するため、出来るだけ多くの分析法についてその特徴を調査検討することを目的としている。
本委員会での主な検討項目は次の通りである。
@誘電・絶縁材料の微視的劣化機構
A巨視的劣化機構と微視的物性変化との相関性
B新しい分析システムの構築可能性
Cデバイス・システムにおける劣化機構評価法
D新しい評価基準、寿命予測等の可能性
Eデータベース、エキスパ一卜システム利用の可能性
等である。
これらの達成のため、委員会、研究会、見学会等を実施している。
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3.2 IEEE Annual Conference on Nuclear and Space Radiation Effects,1992の報告(会員ページ )
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日本テキサスインスツルメンツ梶@西岡泰城
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表記学会に出席し、次のいくつかの興味ある研究を紹介された。
@Latent interface-irap Buildup and Its Implications for Hardness Assurance
AHole Trapping in Irradiated SIMOX, ZMR and BESOI Buried Oxides
BEvidence for a Deep Electron Trap and Charge Compensation in Separation by Implanted Oxygen Oxides
etc.
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H04年(第07年) 度耐放射線データベース研究会
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T はじめに
U 調査概要
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平成04年度 耐放射線性機器・材料デ一タベース研究委員会委員名簿
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W調査結果(H04)
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1.有機材料、光ファイバ、半導体等の機器、材料に関する耐放射線性試験研究の調査
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1.1非均質媒質中の放射線吸収線量の評価(会員ページ )
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大阪府立大学附属研究所 多幡達夫
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均質でない試料や別の媒質に接する試料に放射線が入射したとき、その中で吸収される線量を推定することは容易でない。
これは、放射線と物質との相互作用(阻止能や反応断面積)の媒質間の相違により、境界で吸収線量が不連続になるだけでなく、その相違が境界を越えてある範囲まで影響するからである。
講演では、ガンマ線と電子線が非均質媒質に生ずる吸収線量の分布に関する研究が概説され、演者が開発した多層媒質中での電子の深度線量分布に対する簡易計算コードにも言及された。
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1.2耐放射線性半導体としての炭化けい素-原研における研究開発-(会員ページ )
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日本原子力研究所高崎研究所 梨山 勇
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立方晶炭化けい素(3C-SIC)をCVDエピタキシャル成長法で半導体材料として作成するために克服せねばならない、多くの残留キャリア(10l6/cm3)についての研究が紹介された。
続いて、熱酸化Si02膜を持つSiC-MOS構造の耐放射線性を調べるため、ガンマ線による卜ータルドーズ効果の研究が紹介され、Si02のそれより耐放射線性がすぐれていることが示された。
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1.3宇宙放射線環境に対するシステム設計上のアプローチ その1放射線環境と部品材料の劣化
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宇宙開発事業団 松田純夫
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宇宙開発事業団が、ロケッ卜や人工衛星を開発・設計する際に守るべき基準の体系化を図る一環として1989年3月にまとめた「NASDA設計基準耐放射線設計基準NDC-l-7-l」の第2部(耐放射線設計基準マニュアル)に含まれる『宇宙放射線環境』、『卜一タルドーズ効果』、『太陽電池アレイの放射線劣化予測』、『シングルイベン卜』の内容が紹介された。 講演中に本報告書が回覧された。
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1.4宇宙放射線環境に対するシステム設計上のアプローチ その2耐放射線設計基準(会員ページ )
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宇宙開発事業団 久保山智司
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前第41回研究会に引き続き、宇宙開発事業団がロケッ卜や人工衛星等宇宙機を開発・設計する際に守るべき基準の体系化を図る一環として1989年3月にまとめた「NASDA設計基準耐放射線設計基準NDC-1-7-1」における「耐放射線設計基準」について、その位置付けと概要が紹介された。
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1.5「あけぼの」衛星による放射線帯粒子と半導体素子の損傷の測定(会員ページ )
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宇宙科学研究所 槙野文命
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あけぼの衛星の打ち上げはオーロラ現象の解明のため磁場、電場、粒子や電子の加速状況を調査し、プラズマの状況を調査する目的のである。
搭載している高工ネルギ粒子検出(HPM)及び半導体放射線効果モニタ(RIC)の構造性能とそれらによる測定結果が紹介された。
HPMでは電子、陽子及びα粒子のエネルギ・スペクトルと粒子強度分布の測定を行ない、磁気赤道付近の高度約4500kmで強度のピークがあり、この処を通過するとき半導体シングルイベントの発生が多くなる。
また、半導体の卜ー夕ルドースo効果はMOSトランジスタのしきい電圧の変化から求めることができた。 その他多くの測定が紹介された。
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1.6各種ゴムの照射効果(会員ページ )
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各種ゴムの照射効果日本原子力研究所ラジオアイソト-ブo研修所 伊藤政幸
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ゴムに対する放射線効果の利用の大きな分野は天然ゴムの放射線加硫であり、期待されている。
放射線照射効果のもう一つの面は照射によるゴムの劣化の問題であり、原子力施設、原子力関連施設などの電線ケーブル、パッキング等があげられる。
講演では、ゴムの放射線劣化に関する研究の現状、切断と架橋、照射に伴う破断・伸びの低下の原因、さらに、熱と放射線の相乗効果及び劣化に及ぼす効果の違い等が述べられた。
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1.7 D-T中性子による半導体素子の照射効果(会員ページ )
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大阪大学工学部 飯田敏行
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1992年11月に開催された核融合ワークショップ"高密度プラズマ診断技術"の参加報告後、演者等が大阪大学OKTAVIANなどによる14 MeV中性子照射による半導体素子(卜ランジス夕、メモリ、光電子部品等)光ファイバ等の照射効果についての研究成果が紹介された。
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2.高線量率、大線量照射下における機器、材料に関する耐放射線性試験研究の調査
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2.1耐放射線性有機複合材料の開発(核融合炉用超伝導マグネット絶縁材料を中心として)(会員ページ )
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大阪大学産業科学研究所 西嶋茂宏
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強い放射線場で用いられる核融合炉用マグネッ卜の構成材料の中で、絶縁材料の機械的強度は最も放射線照射に敏感で問題である。
最も有望な有機ガラス繊維強化樹脂(GFRP)に対する演者らの研究成果が示された。
原子炉中性子とコバルト60ガンマ線での照射試験の結果、ガラス繊維とエポキシマ卜リックスの間の界面の劣化による層間剪断強度の低下が劣化モードであること、ほう素含有率の低いT-ガラスを使うことが非常に耐放射線性の向上に有効であること、などが見いだされた。
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2.2金属材料の照射効果に関する最近の話題
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姫路工業大学工学部基礎工学教室 寺澤倫孝
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金属材料の照射効果に関する最近の4つのトピックス(下記)が紹介された。
(1)低エネルギー中性子の関与する圧力容器材料の照射脆化
(2)衝突カスケードにおける残存点欠陥
(3)照射加速応力腐蝕割れ
(4)高エネルギー粒子の電子励起による照射効果
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2.3高分子複合材料の放射線劣化挙動と劣化機構
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曰本原子力研究所高崎研究所 江草茂則
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核融合炉用超伝導マグネッ卜に用いられる絶縁材料には高分子複合材料が採用され、中性子やガンマ線の核融合環境放射線に対して敏感でその機械的性質の劣化が事実上その寿命を決定する。
講演では、これに関する演者らのグルーブの13年以降の研究成果がレビューされて紹介された。
様々な条件での照射実験結果から劣化挙動を事実上支配する因子は、マ卜リックス樹脂の破壊歪の変化であると結諭づけられている。
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2.4合金材料の照射誘起偏析及び析出(会員ページ )
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大阪大学基礎工学部 江澤正思
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原子炉、核融合炉炉壁材料など高エネルギー粒子の強照射に曝される材料には転移・キャビティ一など2次欠陥の形成に加えて、材料の組成変化・相変化が引き起こされる。
これらの原因と機構を論ずるために、AL・Ni・Au 2元合金薄膜試料を作成し、超高圧電子顕微鏡で加速電圧2 MVの電子線を照射し、2次欠陥・析出物の形成・成長過程を同時観察・測定した結果が報告された。
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2.5セラミック材料における動的照射効果-主として電気特性に及ぼす効果とその評価-
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東北大学金属材料研究所 四竈樹男
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核融合炉等の高電離放射線照射下で用いられるセラミック系絶縁物では、電気電導度の著しい増加(照射誘起電導)が起こり、核融合炉の関発上極めて重要な問題となっている。
この原因を解明するため、試料のサファイヤ、及びアルミナ結晶を原研大洗のJMTRにより高速中性子束約1018n/m2・sで照射しながら約96曰間電導度を連続測定したところ、5曰を過ぎる頃から徐々に電導度が増加することが認められた。
また、DC 250Vを負荷したものと、しないものを同時照射したところ前者は5曰過ぎから電導度が上昇したが後者は殆ど変化しないことが明らかとなった。
この現象の発見は核融合炉用セラミックス材料開発への足掛りとなる。
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2.6トカマク型核融合施設の光計測システム-ITER計画における光計測システムと照射計画-
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日本原子力研究所那珂研究所 的場 徹
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曰、米、ソ、EC 4極協同で始められた国際核融合実験炉(ITER)計画の全容、組織及びわが国が分担する研究開発に付いて紹介された。
第一段階として、昭和63年4月〜平成4年12月にかけてITERの装置の規模、主要性能を確定し、次の段階として平成4年7月、建設開始に必要な詳細設計と技術開発によるデータ蓄積をするためITER工学設計活動(EDA)が、各国それぞれ分担を決めて、協定され、今後6年間の活動が実施されることとなった。
わが国では原研那珂研究所において超伝導コイルを中心にプラズマ制御機器、卜リチウム関連機器、炉室構造、真空容器外システムの研究開発を分担することになっている。
さらに、講演では開発に要な光学機器についての紹介があった。
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3.他分野におけるデ一タベースの実情調査
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3.1電気学会絶縁材料全文デ一夕ベース
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豊橋技術科学大学 長尾雅行
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電気学会絶縁材料デ一夕ベース調査専門委員会が作成した絶縁材料に関する全文デ一夕ベースが紹介された。
電気学会絶縁材料関係の5,000頁の文献(H1-2年、電気学会論文誌、絶縁材料シンポジウム、誘電・絶縁材料研究会資料、電気学会全国大会予稿集)をCD-ROMに圧縮イメージデ一夕として収納し、キーワードなどの情報はフロッピーディスクにおさめられ、dBXLを用いて検索される。
研究会ではシステムの一式が持ち込まれ実演が行なわれた。
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3.2食品照射デ一夕べ一スの開発(会員ページ )
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(財)原子力データセンター 柴田誠一、寺門正秋、泉文男
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食品照射の実用化推進のため、安全性データの消費者への提供と照射効果・技術情報の業者への提供を具体的目的とした標記データベースの構築を、(財)原子力デ一夕センターが原研高崎研・環境資源利用研究部・資源利用技術研究室からの受託で平成元年度から5ケ年計画で実施している。
データ入力は高崎研で専門家グル一プが整理して行ない、平成3年末で2,000頁を入力済である。
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3.3日本化学会「化学と教育」誌データベースの概要(会員ページ )
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大阪府立西浦高等学校 紺野 昇
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全国小中高校の化学教師を対象として日本化学会が出版している化学教育情報誌『化学と教育』の記事をその内容別にまず分類し、要旨を作成し、簡単な操作で検索可能なデ一夕ベースを構築し、すでに350の学校に頒布したことが紹介された。
この雑誌の編集委員と有志委員からなるグルーブが分担し、要旨を作成し、最終的に演者が内容の統一に配慮してまとめている。
講演では検索の様子などが実演披露された。
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3.4ヒューマンファクター研究デー夕べース(会員ページ )
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電力中央研究所 藤本順三
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原子力発電所は複雑・高度な技術の集大成であり、安全に安定した運転を維持するためには設備・機器の信頼性の向上とともに、それらを運用管理する人間の役割が重要である。
ヒューマンエラー防止対策には人間工学、労働科学、システム工学、心理・生理学など学際的領域の協力が必要である。
講演では電中研ヒューマンファクター研究センタ-が現在迄に実用化している「ヒューマンファクター文献デー夕べース」及び「J-HPES分析データベース」について概要が紹介された。
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3.5パソコン通信「アトム・ネット」(会員ページ )
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(財)原子力発電技術機構 服部尚弘
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原子力発電の情報を少しでも大勢の人々に身近に感じてもらうために、通産省の委託で、パソコン通信で情報を提供するサービスネッ卜ワーク(愛称アトム・ネット)である。
開局は平成2年9月。パソコン又はワープロの全ての機種で受信でき、24時間提供体制になっている。
図面、グラフを含む画像情報も有しており、原子力発電所の卜ラブルなどのブレス発表は直ちに入力される。
情報内容はニュース、イベント、トラブル情報、放射線等管理情報、エネルギー一般情報等である。
利用実績は平均38回/日である。
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4.原子力関連学会・国際会議の活動状況
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4.1核融合ワークショップ・"高密度プラズマ診断技術"に参加して(会員ページ )
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大阪大学工学部 飯田敏行
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1992年11月に標記ワークショップが米国ロチェスター、リバモア、シアトルの3個所で2週間にわたり開催された。
このワークショップの概略紹介と演者が発表したレーザ一核融合の中性子測定用の陰極にU02を用いた中性子ス卜リークチューブの性能について報告された。
また、大阪大で演者等が測定した4MeV中性子照射による半導体素子(トランジスタ、メモリ、光電子部品等)光ファイバ等の耐放射線性についての研究成果が紹介された。
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