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第一部 講演会 (13:00−17:15)
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第69回 放射線科学研究会概要
2019年7月16日(火)住友クラブ
1. (ONSA奨励賞受賞講演)
研究用原子炉による放射化分析法を用いた固体地球化学試料中のハロゲン及び微量元素定量(30分)
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京都大学 複合科学原子力研究所 関本 俊
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中性子放射化分析は、元素分析法の一つで、元素によっては極めて少ない量を感度良く、正確に調べることが可能である。我々はハロゲン元素(塩素、臭素、ヨウ素)に注目しており、岩石試料中の微量ハロゲンを精密に定量する方法を開発した。講演では、この手法の特長を説明し、これを用いて、米国地質調査所他が発行した標準物質のハロゲンを分析した結果を示す。また得られた値を、報告済みの文献値と比較することにより評価する。
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2.放射線が半導体デバイスに与える影響―見えない敵との闘い (50分)
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株式会社ソシオネクスト 品質保証統括部 松山 英也
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地上に降り注ぐ宇宙線は半導体デバイスの誤作動の原因となる。この現象は50年ほど前からソフトエラーとして知られている。微細化に伴い従来とは異なる多ビット反転や、ラッチアップが起こる可能性が出てきており、システムの連続稼働・自動化が進む中で大事故につながりかねない脅威となる。ソフトエラーの正確な実力把握と事前に十分な対策を行うことが必須である。講演では影響と対策について実例を交えご紹介する。
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3.PETを用いた新しい放射線治療(50分)
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京都府立医科大学 放射線医学教室 玉木 長良
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ポジトロン断層撮影法(PET)は、生理的・生化学的機能情報の定量的映像化に優れた画像診断法である。中でも悪性腫瘍の診断・評価に利用されており、治療効果判定を客観的に行うことができ、治療戦略に有効となる。また画像誘導放射線治療が進んでおり、PET情報に基づいた放射線治療への応用に期待がかかる。
他方、新しいPET用の薬剤が開発されており、低酸素イメージングやアミノ酸イメージングの応用が始まっている。また新しい内用療法薬の開発が進み、甲状腺がんに加えて、今後悪性腫瘍の診断と治療を密接につなげる懸け橋(Theranostics)となる点で期待が膨らむ。
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4. ヘリウムプラズマ照射による金属材料の表面改質(50分)
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名古屋大学 未来材料・システム研究所 梶田 信
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エッチングやコーティング等のプラズマ照射による表面改質は、様々な分野で応用されてきた。希ガスであるヘリウムをプラズマ源として用い,ある条件を満たし金属に照射をすると,表面にフラクタル性を有する繊維状のナノ構造が形成されることが見いだされ,この10年ほどの間に盛んに研究が進められてきた。表面は黒色化し,表面積は桁違いに増大するため光触媒やガスセンサー等様々な応用が検討され始めている。
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5. リガクの製品紹介と業界動向(50分)
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株式会社リガク X線研究所XRF研究部 堂井 真
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リガクはX線分析機器製造・販売専門メーカとして1951年に設立し、以来60年以上にわたり、その技術・ノウハウを蓄積してきた。リガクの主な製品はX線回折装置と蛍光X線分析装置で、大学・研究機関での基礎研究から製造現場での工程管理分析まで広く使用されている。本研究会ではリガク製品の紹介と特に蛍光X線分析に関して最新動向について発表する。
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第二部 技術交流会 (17:30−19:00)
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