60回 放射線科学研究会

 

    催:

(一社)大阪ニュークリアサイエンス協会

    時:

平成280715日(金)  13:3019:00

    所:

住友クラブ

大阪市西区江戸堀1-13-10  Tel:06-6443-1986 
 
地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車 A出口よりすぐ【アクセス地図】

第一部 参加費:

企業 5,000

協会会員、大学・公設機関 1,000

放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料

第二部 参加費:

3,500

  ◎参加を希望される方は、e-mail Addressからお申込み下さい。受付の返信が無い場合は、お手数ですが電話/FAX等でご確認下さい。

542-0081 大阪市中央区南船場3丁目3番27号

電話 06-6282-3350  FAX 06-6282-3351

e-mail Address 

 

 

 

 

 

 

第一部 講演会 (13301730) 

 

1. 超音波、プラズマによる水中励起反応場の基礎、比較、応用(50分)

 

  東北大学金属材料研究所附属産学官広域連携センター 特任准教授 水越克彰

 

 水中に高出力の超音波を、あるいは水中の金属電極対に高周波パルス電圧を印加すると、励起反応場が発生する。
局所的な高エネルギー場で、ラジカルが発生することなど両者には類似点が多く見受けられるが、これらを比較した例はほとんどない。
本講演では、従前より超音波の化学反応について研究し、近年は水中のプラズマ反応も扱う発表者の研究成果を中心に、両反応場の基本的な性質を比較し、その応用についても紹介する。

 

 

 

2.サブミクロンの放射線挙動から解き明かす放射線の物質影響 (50)

 

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門原子力基礎工学研究センター
環境・放射線科学ディビジョン放射線挙動解析研究グループ 研究員 小川達彦

 

 放射線によっておこる化学現象は、材料開発や放射線検出などに幅広く応用されている。
しかし放射線化学現象は、放射線のエネルギーを2倍にすると、100倍になったり見えなくなったりと、予測が難しい分野と思われてきた。
そこで我々は、化学現象が起こるサブミクロン領域における放射線挙動に注目することで、放射線化学現象の不規則に見える変化を解明しようとしている。進みつつあるその最前線を紹介する。

 

 

 

3.レーザーコンプトンγ線による高速陽電子の材料研究への応用
−NewSUBARU放射光施設における陽電子ビーム装置の開発−

 

大阪府立大学大学院工学研究科マテリアル工学分野 准教授 堀 史説

 

 陽電子を用いた物質研究は、放射性同位元素の使用や専用加速器の必要性などからあまり広く利用されていない。
我々は放射光施設NewSUBARUにおいて蓄積リング内電子へのレーザー照射で発生するレーザーコンプトンγ線を利用して、単純で小型なシステムで陽電子生成から物質内に入射して原子レベルの欠陥検出可能な装置開発を進めてきた。
本講演ではそれらの仕組みと現状、また実際に物質内に注入した陽電子消滅実験の例を紹介する。

 

 

 

4. 103番元素でみつけた周期表の綻び
−103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定に成功− (50分)

日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター
重元素核科学研究グループ 研究副主幹 佐藤哲也

 元素周期表は、元素を原子番号の順に並べると、その化学的性質が周期性を示すことを表しており、化学者にとって地図に等しい。
ところが、原子番号が大きくなると、この周期性が成り立たなくなる可能性が指摘されている。
今回、我々は高温の金属表面で起こる表面電離イオン化過程を応用した新しい手法を開発し、数秒に1個程度しか得ることができず、寿命も30秒ほどしかない103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギーの決定を初めて実現した。
得られた結果は、元素の化学的性質を決める電子の配置が、Lrでは周期表からの予想と異なることを強く支持するものだった。
講演では、Natureの表紙を飾った本成果について詳しく紹介するとともに、その後の議論についても紹介する。

 

第二部 技術交流会 (17301900