第58回 放射線科学研究会

 

主    催:

(一社)大阪ニュークリアサイエンス協会
日    時: 平成27年10月16日(金)  13:30〜19:00
場    所: 住友クラブ
大阪市西区江戸堀1-13-10  Tel:06-6443-1986 
 地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車 A出口よりすぐ【アクセス地図】
第一部 参加費: 企業 5,000円
協会会員、大学・公設機関 1,000円
放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料
第二部 参加費: 3,500円
  ◎参加を希望される方は、 参加申込みフォームからお申込み下さい。受付の返信が無い場合は、お手数ですが電話/FAX等でご確認下さい。

542-0081 大阪市中央区南船場3丁目3番27号

電話 06-6282-3350  FAX 06-6282-3351

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第一部 講演会 (13:30−17:30) 

1. 核融合炉材料開発の現状 〜 微小試験片による熱拡散率測定技術開発 (50分)

  大阪府立大学地域連携研究機構放射線研究センター 准教授 秋吉 優文

 現在ITERなどの核融合炉開発が進められているが、ダイバータ部の材料開発が難航している。高い熱負荷、中性子照射といった極めて過酷な環境で用いることの出来る材料として、タングステン材料や、SiCなどのセラミックスが検討されているが、これらの材料の熱拡散率が照射により低下することが大きな問題となっている。照射後試料の評価が必要であるが、照射体積や放射能低減のために微小試験片での測定技術の開発について紹介する。
 
2.磁気ハイパーサーミア療法の確立にむけて (50分)

大阪大学大学院工学研究科 准教授 中川 貴

  磁気ハイパーサーミア療法とは、高周波磁場を印加すると発熱する発熱体をがん患部に集積あるいは挿入して、がんを局所的に加温して治療する方法である。この治療法は放射線療法と相性がよく、併用するとがんの治療効果が上がると言われている。磁気ハイパーサーミア用の発熱体と磁場発生装置の双方の開発の現状を紹介する。
 
3.ホウ素中性子捕捉療法のためのサイクロトロンを用いた加速器中性子源 (50分)  

京都大学原子炉実験所 特定准教授 田中 浩基

  京都大学原子炉実験所と住友重機械工業は、30MeV・1mAの陽子ビームを供給可能なサイクロトロン加速器とベリリウムターゲットの組み合わせによる加速器中性子源の開発に成功した。平成21年3月より中性子発生試験を開始し、治療可能な熱外中性子束を供給することが可能となり、物理実験、動物・細胞の照射試験を経て、平成24年10月に世界で初めて加速器中性子源によるホウ素中性子捕捉療法の治験を開始した。本講演ではこの加速器中性子源の詳細について紹介したい。
 
4. 加速器中性子源の産業利用に向けた応用(50分)

名古屋大学大学院工学研究科 特任教授 鬼柳 善明

  中性子はX線より透過力が強いこと、また水素などの軽元素が見やすいなどの特徴があり、大型のJ-PARC中性子源や小型加速器中性子源を用いて、産業応用が進められている。日本の中性子源、全く新しい方法としてのパルス中性子透過法による鉄鋼材料の結晶構造、結晶配向、結晶子サイズ評価、また、小型加速器を用いた通信機器の宇宙線中性子によるソフトエラーなどの最近の応用例について紹介する。
 
第二部 技術交流会 (17:30−19:00)