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第50回
放射線科学研究会
(終了しました)
(聴講記)
今回は国の科学技術週間関連行事の一つとしての開催になり、4名の方にご講演をお願いしました。
前半では、イオンビームを利用した品種改良と多機能複合ナノ材料の形成に関する話題、後半は福島第一原発事故から2年を経過し、環境の放射性物質の除去などに貢献している様々な放射線利用技術、放射線の人体影響を調査する放射線疫学の基礎的手法についてご紹介していただきます。
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主 催: |
(一社)大阪ニュークリアサイエンス協会 |
日 時: |
平成25年4月19日(金) 13:30〜19:00 |
場 所: |
住友クラブ |
大阪市西区江戸堀1-13-10 Tel:06-6443-1986
地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車 A出口よりすぐ【アクセス地図】 |
第一部 参加費: |
企業 5,000円 |
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協会会員、大学・公設機関
1,000円 |
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放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料 |
第二部 参加費: |
3,500円 |
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参加を希望される方は、研究会の名前、住所、氏名、所属と第一部・第二部参加の有無を記入してまでメールでお申し込み下さい。 |
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第一部 講演会 (13:30−17:15)
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1. イオンビーム突然変異を利用した小麦の遺伝子解析と品種改良
(50分)
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(公)福井県立大学生物資源学部遺伝資源学 教授 村井 耕二
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小麦の乾燥種子にイオンビームを照射することにより、遺伝子突然変異体が作出できる。私たちは10年におよぶイオンビーム照射実験の結果、1万を超える小麦突然変異系統を作出した。これらの中から、小麦の収穫時期の早晩性に関する突然変異体の解析を進めている。本講演では、これらの知見を利用した小麦の品種改良について紹介する。
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2. 1つの粒子による多機能複合ナノ材料の形成
(50分)
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大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授 関 修平
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近年の微細加工技術は、光や放射線の相互作用の本質である励起・イオン化とそれに伴う化学反応を、「集束」されたビームを用いて一定の空間限定することによって実現されている。一方で放射線を用いた化学反応解析が、G値に代表されるように高い定量性を示す最大の要因は、放射線の高い透過能に起因した均一な活性種の分布がその根底にある。ここでは、両者の「優位性」をあえて無視し、単一の粒子によって引き起こされる“不均一性”と、高い透過能に由来した“次元制御性”を巧みに用いた、「ありとあらゆる材料」のナノ構造化のための手法と、複合機能を有するナノ材料の形成に関する一連の研究成果について紹介する。
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3. 福島第一原子力発電所事故からの復興に貢献する放射線利用技術
(50分)
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(独)日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 研究推進室長代理 松橋 信平
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原子力機構では、東日本大震災をきっかけとする福島第一原子力発電所事故により広く環境中に拡散した放射性セシウムを除去し、環境の回復を図る活動を展開している。この中で、水中に極微量溶けているセシウムを除去できる捕集材の開発や、土壌中のセシウムを吸いにくいイネの開発など、復興への貢献を目指した研究開発を進めている。この講演では、これまでの放射線利用研究で培ってきた知識や経験を活かした私達の取り組みについて紹介する。
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4. 放射線疫学の基礎的手法(50分)
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(公財)放射線影響研究所 疫学部 小笹 晃太郎
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放射線影響研究所は前身の原爆傷害調査委員会(ABCC)以来、被爆者追跡調査によって原爆放射線による健康後影響のリスク評価を行ってきた。本講演では、そのための疫学方法論について、対象者、影響を評価すべき因子、および結果指標の定義および情報収集の方法、当該因子の結果に対するリスク評価方法と因果推論、および偏りや交絡、因子間の交互作用の評価方法等について概説する。
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第二部 技術交流会 (17:30−19:00)
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