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第49回 放射線科学研究会 (終了しました)  

 今回は、中性子散乱の基礎と利用例、陽電子消滅法による耐熱鋼のクリープ余寿命予測、 低線量放射線に対する細胞応答のしくみと原発事故被災地域での教育セミナーや、大阪で医療放射線に携わっておられる 大阪府放射線技師会の活動についてご紹介いただきます。

 

 

主    催:

(社)大阪ニュークリアサイエンス協会
日    時: 平成24年10月19日(金)  13:30〜19:00
場    所: 住友クラブ
大阪市西区江戸堀1-13-10  Tel:06-6443-1986 
 地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車 A出口よりすぐ【アクセス地図】
第一部 参加費: 企業 5,000円
協会会員、大学・公設機関 1,000円
放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料
第二部 参加費: 3,500円
  参加を希望される方は、研究会の名前、住所、氏名、所属と第一部・第二部参加の有無を記入してまでメールでお申し込み下さい。

 

 
 
第一部 講演会 (13:30−17:30) 

1.セメント材料およびエネルギー材料分野における中性子散乱技術の利用 (50分)

  京都大学原子炉実験所粒子線基礎物性研究部門 中性子材料科学研究分野     
 准教授 森 一 広

  近年、大強度陽子加速器施設/物質・生命科学実験施設(J-PARC/MLF、東海村)の完成によって、中性子散乱装置の性能が大幅に向上しています。それに伴い、特に産業応用の分野では、中性子を利用する研究者・技術者の数が飛躍的に増えています。このような背景を踏まえて、本講演では、中性子散乱の基礎に加え、セメント材料やエネルギー材料の話題を中心に中性子散乱の利用例についてご紹介致します。
 
2.陽電子消滅法による耐熱鋼のクリープ劣化評価
          −陽電子消滅法で耐熱鋼のクリープ余寿命は予測できるのか?− (50分)

東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センター 准教授 井上 耕治

  陽電子は、電子の反粒子であり正の電荷を持っています。そのため材料中では、陽電子は、正の電荷を持つ原子核が存在しない場所、例えば空孔や転位などの空孔型欠陥に局在し、その位置で電子と対消滅しγ線を放出します。このγ線を検出することで、空孔型欠陥の情報を得ることが可能です。我々は、この手法(陽電子消滅法)を耐熱鋼のクリープ試験片に適用し、陽電子による空孔型欠陥の挙動観察から耐熱鋼のクリープ余寿命予測を行おうとしています。その研究について紹介します。
 
3.低線量被ばくを考える −福島第一原発事故を受けて− (50分)  

福井大学 高エネルギー医学研究センター がん病態制御・治療部門 准教授 松本 英樹

  現在,放射線および放射能なくして医療は成り立たなくなってきています。また人類の生活エネルギーとして原子力エネルギーが利用され始め,地球温暖化問題によりその利用が見直されてきていた矢先,昨年3月11日,東日本大地震が起き,そして福島第一原子力発電所の事故が発生しました。
 今回のセミナーでは,日本の現状に鑑み,低線量放射線に対する細胞の応答のしくみを概説し,また福島および近隣県での教育セミナー活動の経験を紹介します。
 
会員サロン (40分)
◇大阪府放射線技師会の歩みと活動報告

社団法人 大阪府放射線技師会 土谷 輝美

  大阪府放射線技師会は、昭和23年に関西放射線技師会として大阪大学付属病院に誕生しました。そして、来年度には65周年を迎えることとなりました。診療放射線技術の向上、診療放射線技師の職業倫理を高揚、そして府民の健康維持並びに増進に寄与することを目的として活動しています。患者本位の医療の確立と診療放射線技師の地位の向上を目指すべく行ってきたこれまでの歩みと活動をご紹介します。
 
第二部 技術交流会 (17:30−19:00)