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第45回 放射線科学研究会 (終了しました)  

<エキゾチックビームシリーズ(9)>  

  量子線と呼ばれるビームには色々な種類があり、物質との相互作用も多様で、その照射効果はエネルギーや照射条件に よって様々です。エキゾチックビームシリーズでは、斯様なビームの物質に対する照射効果とその応用について、専門の研究者 の方に最新の話題を提供していただきます。

 

 

主    催:

(社)大阪ニュークリアサイエンス協会
日    時: 平成23年7月22日(金)  13:30〜19:00
場    所: 住友クラブ
大阪市西区江戸堀1-13-10  Tel:06-6443-1986 
 地下鉄四つ橋線肥後橋駅下車 A出口よりすぐ【アクセス地図】
第一部 参加費: 企業 5,000円
協会会員、大学・公設機関 1,000円
放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料
第二部 参加費: 3,500円
  参加を希望される方は、研究会の名前、住所、氏名、所属と第一部・第二部参加の有無を記入してまでメールでお申し込み下さい。

 

 
 
第一部 講演会 (13:30−17:15) 

1.量子ビームを利用した無機材料の磁性改質とその評価 (50分)

  大阪府立大学 21世紀科学研究機構 教授 松井 利之

  室温付近に強磁性―反強磁性一次磁気相転移をもつB2型FeRh合金にMeVからkeV領域のエネルギーを持つイオンビームを照射すると、弾性的はじき出しに伴う付与エネルギーに依存してその磁気特性が変化します。講演ではイオンビーム照射による磁気改質、特にイ オンマイクロビームや集束イオンビームを用いた局所磁気構造の作製について述べるとともに、放射光を利用したXMCD解析やPEEMによる磁区構造観察結果について言及します。
 
2.放射光X線による応用磁性材料の磁気評価技術 (50分)

(財)高輝度光科学研究センター利用研究促進部門 分光物性IIグループ 主幹研究員 中村 哲也

  磁性体は磁気記録装置やモーターなどの要となる材料です。レアメタル問題や省エネとも密接に関係しており、一層のこと磁性材 料研究の重要性が増しています。このような動向を背景に、近年では先端的な磁気評価技術として放射光が大きな役割を担うように なっています。講演では、材料中の磁化を含有磁性元素毎に分離して評価可能な「X線磁気円二色性実験」について、実用材料への 応用例とともに紹介します。
 
3.三次元アトムプローブによる原子力材料のナノ組織観察 (50分)       

(財)電力中央研究所 材料科学研究所 西田 憲二

  原子力プラントに使用されている材料は中性子や熱にさらされることによって材料の特性が変化します。これらの変化を精度良く評 価・予測するためには材料内部で起こっている現象の理解が必要ですが、これらの現象は数〜数十ナノメートルの極めて小さなスケ ールで起こっていることが多くあります。三次元アトムプローブはこのような極微小領域の元素の分布を高感度に分析できる装置で あり、本講演では鉄鋼やステンレスといった原子炉材料内部で起こっているナノ組織変化を三次元アトムプローブにより直接観察し た結果を紹介します。
 
4.イオン照射によって導入される点欠陥のふるまいを利用した新しいナノテクノロジー  (50分)

高知工科大学 物質・環境システム工学科 教授 谷脇 雅文

  高速イオンが物質に照射されると原子と衝突します。はじきとばされた原子は次々と衝突をくりかえし、結晶の中に、原子空孔とそ れと同数の格子間原子が形成されます。ほとんどの物質ではこれらの点欠陥はいずれ合体消滅するのですが、いくつかの半導体では これらが生き残り、微細なセル状構造ができます。この現象のメカニズムと、それを利用したナノ技術を紹介します。
 
第二部 技術交流会 (17:30−19:00)