第1部 講演会 13:30〜17:15 |
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1.柔軟性に優れる多官能アクリレート 〜ポリグリセリンアクリレートモノマー〜(50分) |
阪本薬品工業株式会社 研究所 栗山重平
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光硬化性樹脂の1つであるアクリレートは、硬化に熱を必要とせず、短時間で硬化できることに加え、無溶剤化が可能であることから、省エネルギーで環境負荷が少ない材料である。当社では、グリセリンの重縮合物であるポリグリセリンを主骨格に用いた多官能アクリレートを開発している。柔軟なポリグリセリン骨格により、硬化物は硬化速度が早い、柔軟性が高い、硬化収縮が低いなど多くの特徴を有する。本講演では、ポリグリセリンアクリレートモノマーについて、その基礎物性と応用例を紹介する。
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2.深紫外線LED光を用いた作物ウイルス病害の抑制技術の開発(50分) |
広島県立総合技術研究所 農業技術センター 生産環境研究部 松浦昌平 |
トマト苗に波長280〜290nmの深紫外線LED光を1日あたり0.7〜1.4kJ/m2で照射することで,トマトモザイクウイルス病(ToMV)の発病を,少ないUV障害で抑制できる技術を開発した。さらに,より実用的な育苗施設で作業者のいない夜間に低照射量(1日あたり0.3〜0.4J/m2)でトマト苗に照射することで,同様の効果が得られることを解明した。
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3.ブルーテクノロジーとしての電子加速器の産業利用(50分) |
ebeam Technologies(Japan) Tan Phong Phan
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イービーム技術は既に長年にわたり使用されており、架橋結合や滅菌などの応用で知られている。近年開発された完全密封式電子加速器は、数年前には不可能だと思われたシステム設計において小型化を可能にした。イービームは、エネルギー効率が非常に高く、環境への負担が小さいため、今後ますます厳しくなる環境規制への対応に最適な技術である。
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4.イオン液体中での電子の反応およびセルロース複合材料への電子線照射効果(50分) |
金沢大学 理工研究域 高橋憲司
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イオン液体とは、陽イオンと負イオンから構成される有機塩である。食塩は、無機塩であり、その融点は800℃近傍であるが、イオン液体の多くは100℃以下で液体である。液体であることは化学反応プロセス上とても重要である。最近は、量子ビームをイオン液体の研究に用いる研究例が急激に増えてきた。
例えば、イオン液体は真空下でも揮発しないという特徴を生かして,X線や電子ビーム照射によるファブリケーションやスパッタリングによる微粒子生成などへの応用が展開されており,荷電粒子とイオン液体との相互作用が関与する応用分野がたくさん出現してきた。
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第2部 技術交流会 17:30〜19:00 |
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