第1部 講演会 13:30〜 |
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1.文化財保存科学の世界〜考古学に果たす自然科学の役割〜 |
奈良県立橿原考古学研究所 奥山 誠義
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考古学は、地下に埋没する遺物(動産的資料)と遺構(不動産的資料)から過去の歴史を読み解く学問である。発掘された遺物や遺構という考古資料の持つ潜在的な情報を引き出すため、自然科学的手法が幅広く利用されている。ものの履歴や素材を知るため、そして考古資料を後世へ伝え遺すため、いかなる「科学」が利用されているのか紹介する。
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2.テラヘルツ波による非破壊検査技術 |
(独)情報通信研究機構 電磁波計測研究所 福永 香 |
テラヘルツ波帯の分光、パルスエコーを用いたイメージング技術は、物体表面付近の内部構造や物質を非破壊非接触で観察できる。最近では専門家以外でも使える装置が市販されており、電力設備の劣化診断等への応用も進められている。今回は、板絵、壁画、屏風等の文化財の非破壊検査の事例を中心に、テラヘルツ波の応用技術の現状と課題について報告する。
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3.光硬化樹脂収縮率、応力測定装置について |
株式会社センテック 中宗 憲一
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UV硬化樹脂に代表される高機能樹脂は電気電子デバイスをはじめとする多種多様な産業で使用されている。特に近年の高機能樹脂は単なる接着に留まらず製品の基本性能、品質に大きな影響を与える場所での使用が多くなっている。今回は硬化するにつれ樹脂が膨張、収縮する割合と、その時に発生する応力を連続的に測定できる装置について紹介する。
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4.マイクロ波検出技術を用いた高分子材料への熱・放射線照射による経年劣化測定技術の開発 |
福井工業大学工学部原子力技術応用工学科 教授 砂川 武義
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長期稼働する原子力プラントに敷設されている低圧ケーブル絶縁部の劣化の健全性を評価する測定技術の開発を目的とする。原子力プラントに敷設されている低圧ケーブル絶縁部は、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム等が使用されている。これらは、敷設環境下における熱、放射線の影響により、酸化され電気的及び機械的特性が低下することが知られている。本研究は、高分子材料への熱、放射線照射による酸化物の生成にともなう誘電率変化に着目し、高感度で誘電率変化の測定が可能なマイクロ波誘電吸収法を用いた、新たな非破壊的測定手法の開発について講演する。
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第2部 技術交流会 17:00〜 |
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