第1部 講演会 13:30〜 |
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1.エン/チオールUV硬化材料の特徴と物性 |
堺化学工業(株) 中央研究所 川崎 徳明
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チオール化合物と二重結合を持つエン化合物は、チイルラジカルを活性種とした付加反応を起こすことが知られている。このエン/チオール反応
を用いたUV硬化系は、空気中でも効率よく硬化することや、硬化物の高い接着性等の有用な特徴をもっている。我々は、従来実用上問題であった
チオール化合物の大幅な低臭気化に成功した。今回はこのチオール化合物を用いたエン/チオールUV硬化系の特徴と物性について紹介する。
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2.光架橋反応による有機無機ハイブリッド材料の創成 |
大阪市立工業研究所 電子材料研究部 松川 公洋 |
有機無機ハイブリッドは、有機成分と無機成分がナノメートルサイズで分散し、それぞれ単独では成し得ない特性を示すことから、注目されている機能材料である。異種成分の相互作用には、紫外線照射下での光ゾルゲル反応、光ラジカル重合、光カチオン重合、エンチオール反応などが効率的である。本講演では、これらの光架橋反応を活用した有機無機ハイブリッドの作製と屈折率を制御したハイブリッド材料への適用について紹介する。 |
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3.電子線架橋によるポリ乳酸ゲル |
住友電気工業(株) 研究統轄部 金澤 進一
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電子線で架橋させたポリ乳酸は、
高分子ゲルとして様々なユニークな特性を持つ。Tg(ガラス転移温度)以上の温度で可塑剤等によってゲル膨潤する性質を利用した
柔軟化材料は、エラストマー様の弾性を示し、ソフト塩ビ等の代替材料として期待される。実用化に向け、寸法が変わる、強度が弱い
といったゲルの欠点を、ナノコンポジット化技術を応用した高剪断2軸混合によって改善する方法等を紹介する。 |
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4.がん−ホウ素中性子捕捉療法の最近の進歩 |
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 教授 切畑 光統
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がん−ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、その原理の発見から70有余年を経て、ようやく飛躍の時期を迎えている。ここでは、BNCTの基盤となる腫瘍集積性を示す10B−ホウ素化合物に焦点を当て、ホウ素化合物が具備すべき性質、実用例、次世代型DDS(薬物輸送システム)等について紹介する。 |
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第2部 技術交流会 17:30〜 |
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