1.阪大産研量子ビーム科学研究施設の研究活動紹介
(大阪大学産業科学研究所 量子ビーム科学研究施設)
大阪大学産業科学研究所 施設長 教授 細貝 知直
阪大産研量子ビーム研究施設はLバンド電子ライナック、テラヘルツ自由電子レーザー、SバンドRF電子銃ライナック、Sバンド150MeV電子ライナック、コバルト60ガンマ線照射装置を有している。これらは大学内に加え海外を含む学外の多数の研究者にも利用されている。講演では、施設におけるこれら装置利用状況とその研究活動、近年JST未来社会創造事業のもとで推進している新奇加速器開発「レーザー加速研究」について紹介する。
2. 阪大核物理研究センターの現状と将来(大阪大学 核物理研究センター)
大阪大学核物理研究センター 教授 福田 光宏
核物理研究センターは1971年に全国共同利用センターとして発足し,当初より外部委員が半数以上を占める運営委員会や研究計画検討専門委員会を組織して開かれた運営や研究計画・将来計画の策定が行われてきた。1976年からAVFサイクロトロンの共同利用が始まり,1991年にはリングサイクロトロンが完成して超精密原子核物理実験や学際的な利用が行われている。2018年には国際共同利用・共同研究拠点に認定された。
3.近畿大学1ワット原子炉の現状と将来展望(近畿大学 原子力研究所)
近畿大学原子力研究所 所長 山西 弘城
今年の11月11日で臨界60周年を迎える。学生・院生が原子炉実習を行える原子炉施設は、京都大学KUCAとこの近大炉のみであるので、我が国の原子力人材育成の一翼を担っている。研究利用は、1988年から大阪大学工学部を窓口とした「原子炉利用共同研究」で毎年約20の研究課題が進められてきたが、大阪大学の都合で今年度で終了とされる。次年度から文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」に認定されるように申請予定である。 4.京大複合原子力科学研究所の近況(京都大学 複合原子力科学研究所)
京都大学複合原子力科学研究所 所長 中島 健
京大複合原子力科学研究所は、原子炉実験所として1963年に設置されて以来、全国共同利用研究所として研究用原子炉KURを中心とする実験施設を全国の共同研究者に提供してきた。しかし、近年の原子力規制の強化や施設の高経年化への対応等により、原子力施設の維持管理が難しい状況になりつつある。本講演では、当研究所の近況を述べるとともに、今後の当研究所の在り方について、その検討状況を報告する。
5.京都大学工学研究科加速器施設の紹介
(京都大学大学院工学研究科 附属量子理工学教育研究センター)
京都大学大学院工学研究科 准教授 土田 秀次
本加速器施設は京都大学宇治キャンパスにあり、半世紀にわたり共同利用施設として教育研究に活用されている。イオンや電子を光の速さの1/10から1/100程度まで加速できる加速器が複数台あり、加速器からのビームを用いて、原子、分子、液体、固体物質に照射した際に生じるミクロな反応を調べる研究を行っている。講演では、施設の紹介、共同利用の現状、及び生命・物質科学に関する最近の研究成果を紹介する。
6.大阪府立大学研究推進機構放射線研究センターの活動状況
(大阪府立大学研究推進機構 放射線研究センター)
大阪府立大学研究推進機構 センター長 古田 雅一
当センターは、大学の保有する教育施設であるとともに、学内外の共同研究、民間企業の研究利用に広く利用されている。当センターの前身は半世紀前に設立された大阪府立放射線中央研究所で、西日本最大クラスの密封放射線施設、非密封放射線施設、各種の放射線分析装置、加速器を引き継ぐとともに大阪府立大学に統合された後に設立された先端科学研究所に設置された日本有数の規模を誇るクリーンルーム施設も管理運営している。これらの設備の研究、教育における利用の状況と成果について発表する。
7.若狭湾エネルギー研究センターにおける高エネルギービーム利用研究
(若狭湾エネルギー研究センター)
(公財)若狭湾エネルギー研究センター 所長 岩瀬 彰宏
若狭湾エネルギー研究センターでは、3台のイオン加速器(シンクロトロン、タンデム加速器、イオン注入器)を用いて、陽子線がん治療、イオンビーム育種、イオンビーム材料分析・改質、宇宙機器や原子力材料の放射線耐性などの研究・開発を行っている。また、原子炉廃炉技術の一環として、高強度レーザーによる材料切断や表面除染の研究を行っている。本講演では、これら、高エネルギービームを利活用した研究開発を紹介する。
8. SPring-8とSACLA(SPring-8大型放射光施設)
(国研)理化学研究所 放射光科学研究センター センター長 石川 哲也
大型放射光施設SPring-8とX線自由電子レーザー施設SACLAは、ともに電子加速器を用いて強力なX線を発生し、それを利用する施設である。短波長の電磁波であるX線を使うと、波長と同程度のナノメートル以下の空間分解能での撮像が可能であり、物質の原子レベルでの構造決定に用いられてきた。非常に強力なX線を使うことによって、ナノの世界の形や動きを明らかにすることが可能で、グリーンイノベーションを牽引するツールとして期待されている。
閉会挨拶 大阪府立大学 研究推進機構 放射線研究センター長 古田
雅一
後 援:
文部科学省
経済産業省近畿経済産業局 (国研)日本原子力研究開発機構
(国研)量子科学研究開発機構
大阪商工会議所 堺商工会議所 (一財)大阪科学技術センター
(一財)電子科学研究所
協 賛:
(一社)日本物理学会 (公社)日本化学会 (公社)応用物理学会 (一社)電気学会 (公社)高分子学会
(公社)日本分析化学会 (一社)日本原子力学会 (公社)日本医学放射線学会
(一社)日本非破壊検査協会
(公社)日本放射線技術学会 (公社)日本アイソトープ協会 (一社)近畿化学協会 (一社)大阪府技術協会
(公社)大阪府診療放射線技師会 (一財)放射線利用振興協会 日本放射線化学会 日本放射光学会
(一社)日本放射線影響学会 (一社)日本保健物理学会 (一社)日本接着学会 (公社)日本表面真空学会
(一社)日本核医学会 日本バイオマテリアル学会 日本防菌防黴学会 日本陽電子科学会 関西原子力懇談会
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