27回 放射線利用総合シンポジウム【YouTube広報】

日  時 : 平成31121() 10001700

場  所 : 大阪大学中之島センター

      (大阪市北区中之島4-3-53 TEL06-6444-2100   【アクセス地図】

主  催一般社団法人大阪ニュークリアサイエンス協会

    公立大学法人大阪府立大学 研究推進機構

後援・協賛:文部科学省、経済産業省近畿経済産業局ほか計34法人。詳細は下記。

助成:(公財)関西エネルギー・リサイクル科学研究振興財団

【開催の趣旨】
 当協会では、長年に亘り研究会やシンポジウムなどを通して、放射線および原子力利用の基本的な知識の普及に努めてまいりました。
 放射線の利用は、実生活において色々と大切な役割を果たしています。私たちは放射線の危険性と同時に有用性も正しく理解し、より良い人間生活のために活かしていく必要があります。
  本シンポジウムは放射線やビーム利用に関する様々なトピックスを、学術研究や産業・医療・環境保全などの第一線で活躍している人々の講演を通して、一般市民の方々にも理解しやすい言葉で紹介し、放射線やビーム利用の有効性の啓発活動に寄与することを目指しています。
 今回のシンポジウムでは、放射性同位元素や原子炉、加速器からの各種放射線の医療、エネルギー生産、環境科学、物性物理研究などへの活用や、大学における原子力安全教育の重要性に関して、各専門分野において第一線で活躍されている先生方から最新の話題を提供していただきます。
  
また、平成29年度のオンサ賞授賞者の方からの記念講演を1件予定しております。
  
お誘い合わせのうえ、多数ご参加下さい。

◇参加費:一般企業 5,000

    ONSA会員、後援・協賛団体会員 3,000

    大学・公設機関 1,000円   学生・一般市民 無料

◇交流会:講演終了後開催 参加費3,000円、ただし、ONSA会員・役員・参与の方は新年互助会を兼ねていますので無料。

◇参加を希望される方は、参加申込みメールフォーム又は、 e-mail ()で、お申込み下さい。e-mail 返信が1週間以上無い場合は、お手数ですがTEL/FAX等でご連絡下さい。
◇問合先:542-0081大阪市中央区南船場 3丁目3-27 (一社)大阪ニュークリアサイエンス協会TEL:06-6282-3350 e-mail: 

開会挨拶 大阪ニュークリアサイエンス協会会長 豊松秀己

1. がん死ゼロ健康長寿社会実現に向けて 〜量研の戦略〜 

量子科学技術研究開発機構 理事長 平野俊夫

 量子科学技術研究開発機構(量研/QST)では、次世代重粒子線治療装置である小型で高性能な「量子メス」の研究開発と臨床研究を進めており、標的アイソトープ治療などと組み合わせることによって、働きながらのがん治療が可能で、かつ安価ながん治療を世界中の人々に提供する「がん死ゼロ健康長寿社会」の実現を目指した研究開発を行っている。
  本講演では、量研の「がん死ゼロ健康長寿社会」実現に向けた取組について紹介する。


2.[ONSA賞受賞講演] 新しいガンマ線ビームを使った光核反応計測と核変換

兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 教授 宮本修治

 相対論的電子と磁場により高輝度なX線を発生する放射光施設は、世界中で広範囲な応用に使われている。この放射光施設を使った、高輝度なガンマ線ビーム光源の利用が広がっている。このガンマ線は、波長は原子の1/1000以下で、偏光とエネルギーを自由に制御ができるため、光核反応の精密なデータ取得に使われる。このガンマ線を使った、核変換応用や、発生する中性子・陽電子を用いた利用について紹介する。

3.素粒子ミュオンの原子力利用

高エネルギー加速器研究機構 名誉教授 ダイヤモンドフェロー 永嶺謙忠

 広い応用・実用科学研究分野を持つ素粒子ミュオンは、低い強度でGeVのエネルギーで宇宙線として、高い強度でMeVのエネルギーで高エネルギー加速器を用いて得ることが出来る。原子力利用として、1)宇宙線ミュオンによる原子炉の透過像観測、2)大強度加速器ミュオンによる元素変換と放射性廃棄物の除去、3)大強度加速器ミュオンが触媒する核融合とエネルギー生産、等が可能になる。原理・可能性追求等を説明したい。

4.エネルギー社会の変革と高速炉サイクルの実力

日本原子力研究開発機構 高速炉・新型炉研究開発部門 副部門長 上出英樹

 再生可能エネルギーの利用が進む中で、先行する海外事例から原子力発電を含む安定な電力システムとの連携の有効性が示されている。そのような背景の下で軽水炉利用の持続可能性を考えるとき、ウラン資源の有効利用や環境負荷低減の可能性を有する高速炉サイクルの位置付けやその利用の意味を改めて確認する。さらに、これまで我が国が開発を進めてきたナトリウム冷却高速炉の技術の現状を世界の情勢を含めて紹介する。

 

5.原子力システム安全を理解するための教育と研究の取り組み

長岡技術科学大学大学院 原子力システム安全工学専攻 特任教授 名誉教授 鈴木雅秀

 長岡技術科学大学では、平成244月に大学院工学系研究科修士課程として原子力システム安全工学専攻を開設し、原子力・放射線に関連した研究・教育に取り組んでいる。平成28年度からは「システム安全と地域連携新潟モデルに基づく原子力規制人材育成」事業に取り組み、原子力発電プラントの規制体系の技術者の視点からの実践的理解,および安全性向上を行う技術力を有する実践的技術者を育成するカリキュラムの開発を行っている。ここでは、これらの研究・教育について紹介する。

6.ヨウ素同位体システムの話 -福島第一原子力発電所事故からメタンハイドレートまで-

東京大学 総合科学博物館 タンデム加速器研究施設 教授 松崎浩之

 長半減期同位体ヨウ素129(半減期1570万年)を利用した二つの研究を紹介する。一つは,福島第一原子力発電所から漏洩した放射性ヨウ素131の拡散・沈着分布のヨウ素129の測定による再構築,もう一つは,ヨウ素129/127比を利用したメタンハイドレートの年代測定の試みである。また,これら全く異なる二つの研究を可能とする共通の測定技術である加速器質量分析についても合わせて紹介する。

7.放射性同位元素を用いたトレーサー拡散の物理

若狭湾エネルギー研究センター 所長 中嶋英雄

 固体結晶中の原子の動きー拡散―を知ることは、材料を作製したり物性を理解する上で極めて重要である。最近では、拡散測定にさまざまな元素分析機器が利用できるが、放射性同位元素をトレーサーに用いた測定法が最も優れている。ppbオーダーの微量分析、自己拡散(例、Cu中のCu原子の拡散)の測定、同位体効果(例、Cu中の64Cuおよび67Cu)の測定などの無二の利点を有する。拡散の知見がもたらす学術的、工業的意義についても解説する。

閉会挨拶 大阪府立大学 研究推進機構 放射線研究センター長 谷口良一

 

後  援:

文部科学省   経済産業省近畿経済産業局   (国研)日本原子力研究開発機構  

 (国研)量子科学研究開発機構   大阪商工会議所  堺商工会議所   (一財)大阪科学技術センター  

(一財)電子科学研究所

協  賛:

(一社)日本物理学会 (公社)日本化学会 (公社)応用物理学会 (一社)電気学会 (公社)高分子学会 

(公社)日本分析化学会 (一社)日本原子力学会 (公社)日本医学放射線学会 (一社)日本非破壊検査協会

(公社)日本放射線技術学会 (公社)日本アイソトープ協会 (一社)近畿化学協会 (一社)大阪府技術協会

(公社)大阪府診療放射線技師会 (一財)放射線利用振興協会 日本放射線化学会 日本放射光学会

日本放射線影響学会 (一社)日本保健物理学会 (一社)日本接着学会 (公社)日本表面真空科学会

(一社)日本核医学会 日本バイオマテリアル学会 日本防菌防黴学会 日本陽電子科学会 関西原子力懇談会

講演会終了後、新年交流会を同所・サロンにて開催します。ONSA会員、理事、および参与の方は会費無料、是非ご参加ください。上記以外の方は参加費3,000円を頂戴いたします。是非、奮ってご参加ください。

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