第22回 放射線利用総合シンポジウム

参加申込みはこちら 

日  時 : 2013年1月21日(月) 9:40〜17:00

場  所 : 大阪大学中之島センター

      (大阪市北区中之島4−3−53 TEL06-6444-2100

             【アクセス地図】

主  催社団法人大阪ニュークリアサイエンス協会

    公立大学法人大阪府立大学 地域連携研究機構

後援・協賛団体こちら

参加費:一般企業 5,000円  

    協会会員、後援・協賛団体 3,000

    大学・公設機関 1,000円   学生・一般市民 無料

交流会費3,000円

◎参加を希望される方は、参加申込みフォームからお申込み下さい。受付の返信が無い場合は、お手数ですがTEL/FAX等でご確認下さい。

【講演のタイトルおよび講演者】

1.福島原発事故に伴う被災家畜における放射性物質の体内分布  

東北大学加齢医学研究所 被災動物線量評価グループ 教授 福本 学

 我々は昨年から警戒区域内の安楽死処分された家畜の臓器別放射能濃度分布を解析している。放射性セシウムは骨格筋に多く集積する傾向がみられること、放射性銀が肝に、テルルが腎に特異的に集積することが明らかとなった。蓄積した放射能は数値としては計測可能であるが生物影響を反映しているとは言いがたい。さらに放射性物質はセシウムばかりが問題ではない、などの問題点をひとつずつ丁寧に解決していく努力が必要である。

 

2.低線量放射線の生体への影響と食の重要性〜科学者として支援できることは何か

ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部 インターフェロン・生体防御研究室室長 宇野賀津子

 2011年3月11日の地震/津波に端を発した福島第一原発事故は、福島県を中心に、多大の放射能汚染をもたらしました。原発事故後の混乱の一つに、専門家と自称する研究者間で、低線量放射線に対するリスク評価の混乱があります。私は免疫学者の一人として、事故後福島で、低線量放射線と対峙する生物の適応戦略と、低線量放射線の影響を克服する生き方の提案をおこなってきました。これらの経験について紹介すると共に、それぞれの立場で支援出来ることは何かを、今一度皆様と共に考えたいと思います。

 

3.震災を踏まえた中長期エネルギー需給構造のあり方と原子力の役割

エネルギー総合工学研究所プロジェクト試験研究部 主任研究員 都筑和泰

 東日本地震を踏まえ、化石燃料調達、環境制約、経済性への対応も考慮しつつ、2050年を見据えた日本のエネルギー需給構造の検討を行った。その中で、再生可能エネルギー中心の社会は一つの想定解としてはあり得るが技術的・経済的な不確定性が大きいこと、その開発が停滞した場合など、原子力依存を高めるシナリオも想定しえることを示した。当面は再生可能エネルギーなど重要な技術開発を幅広く推進するとともに、原子力技術基盤を維持涵養することが重要であると考えている。 

 

(休憩・昼食)

       

4.[ONSA賞受賞講演] レーザープラズマ軟X線顕微鏡による細胞内小器官のその場観察

日本原子力研究開発機構 量子ビーム技術研究ユニット・サブリーダー 加道雅孝

 高強度レーザーを金属薄膜に集光して発生させた軟エックス線の顕微鏡によって、光学顕微鏡でも電子線顕微鏡でも見ることの出来なかった生きた細胞の内部構造を90ナノメートルという高解像度で観察することが可能になった。このシステムによる細胞内小器官のその場観察技術の開発について述べる。

 

5.X線自由電子レーザーSACLAが拓くフォトンサイエンス

理化学研究所播磨研究所XFEL研究開発部門グループディレクター 矢橋牧名

 SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)が完成してレーザー発信に成功し、最初の高強度レーザービームを観測してから既に1年が経過しようとしているが、その間新しい利用研究が鋭意進められている。講演ではSACLAのこの1年の運転状況と利用研究のトピックスの数々を紹介し、将来の展望について述べる。          

 

6.電子線照射装置の利用分野

(株)NHVコーポレーション加速器事業部 技術部システムグループ主任 金澤保志

 電子線は1952年にポリエチレンの電子線架橋現象が発見されてから、様々な工業分野で利用されており、材料特性を改良する非常に重要なツールとなっている。その典型的な例は、自動車の耐熱性電線とタイヤに使用されるゴム材料であり、また、熱収縮チューブ、フィルム材料、発泡材、高機能繊維、殺菌滅菌等にも使用されている。講演では、電子線照射装置の原理や利用分野における最近の動向をご紹介します。

  

7.質量の起源ヒッグスを追う

大阪大学大学院理学研究科 准教授 花垣和則

 質量の起源と言われたら、多くの方は「なにそれ?」と思われるのではないでしょうか。そもそも、質量とは何かを考える機会も普通はあまりありませんよね。でも実は、モノに質量がないとこの宇宙はとんでもないことになります。本講演では、宇宙の発展と質量とのかかわり、質量の起源と考えられているヒッグス粒子とはなにか、そして、ヒッグス粒子探索の最新状況についてお話します。

 

 

  

  後  援:

文部科学省 近畿経済産業局 (独)日本原子力研究開発機構

(一財)大阪科学技術センター (財)電子科学研究所

大阪商工会議所 堺商工会議所

 協  賛:

(一社)日本物理学会 (公社)日本化学会 (公社)応用物理学会 (一社)電気学会

(公社)日本分析化学会 (一社)日本原子力学会 (公社)日本医学放射線学会

(一社)日本非破壊検査協会 (公社)日本放射線技術学会 (公社)高分子学会

(公社)日本アイソトープ協会 (一社)近畿化学協会 (社)大阪府技術協会

(公社)日本表面科学会 (一財)放射線利用振興協会 (社)大阪府放射線技師会

日本放射線化学会 (一社)日本核医学会 (一社)日本保健物理学会 

(一社)日本接着学会 日本放射光学会 日本バイオマテリアル学会 

日本放射線影響学会 日本防菌防黴学会 日本陽電子科学会 

関西原子力懇談会

 

講演会終了後、同所において講師の先生方との交流会を開催します。奮ってご参加ください。

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