第20回 放射線利用総合シンポジウム

参加申込みはこちら 

日  時 : 2011年1月26日(水) 10:00〜17:00

場  所 : 大阪大学中之島センター

      (大阪市北区中之島4−3−53 TEL06-6444-2100

             【アクセス地図】

主  催社団法人大阪ニュークリアサイエンス協会

    公立大学法人大阪府立大学 産学官連携機構

後援・協賛団体 : こちら

参加費:一般企業 5,000円  

    協会会員、後援・協賛団体 3,000

    大学・公設機関 1,000円   学生・一般市民 無料

交流会費3,000円

◎参加を希望される方は、参加申込みフォームからお申込み下さい。受付の返信が無い場合は、お手数ですがTEL/FAX等でご確認下さい。

【講演のタイトルおよび講演者】

1.新時代を迎えた大型古墳測量(レーザーを使った空からの観測)  

奈良県立橿原考古学研究所 西藤 清秀

 考古学において測量からの地形情報は極めて重要であり、特に古墳における立地、墳形、尺度の研究には不可欠である。 しかし大型古墳の測量は、容易ではなく、特に現在陵墓として宮内庁に所管される古墳は、立入りが禁止されている。しかし、 今回の御廟山古墳やコナベ古墳という陵墓での空中からの3次元レーザ計測は、古墳に立入ることなく、また障害となる古墳 上の植生を気にすることなく、古墳が計測できることを提示した。今後、この計測法は、立入り困難な大型古墳の精緻な墳丘 ・周辺地形情報を提供し、学術的・社会教育的な活用への道を開くと考えられる。

 

2.レーザーピーニングによる応力腐食割れの予防と疲労強度の向上 

(株)東芝 電力・社会システム技術開発センター技監 佐野 雄二

 レーザーピーニングは、パルスレーザーを照射したときの衝撃力を利用して金属材料の表面に圧縮の残留応力を付与する技術 であり、原子炉構造物の応力腐食割れ対策などに利用されている。講演では、原理・効果・特徴などレーザーピーニングの技術 の概要と実プラントへの適用状況、航空宇宙や自動車産業における検討状況などについて紹介する。また、技術開発における放 射光や中性子ビームの利活用についても紹介する。

 

(休憩・昼食)

       

3.もんじゅ運転の再開と高速増殖炉開発への貢献 

日本原子力研究開発機構敦賀本部 高速増殖炉研究開発センター技術部長 
弟子丸剛英

 高速増殖原型炉 もんじゅ は、わが国初の高速増殖炉(FBR)発電プラントとして、FBRサイクル技術実用化に向けた研究開 発の場の中核としての使命を果たしていくことが期待されている。平成22年5月の14年半ぶりの試運転再開、その後の試験結果 と今後の計画及びFBR開発への貢献について紹介する。

 

4.加速器が明らかにする素粒子の不思議な世界 
                              〜常識の通用しない素粒子の世界を紹介する〜 

高エネルギー加速器研究機構 理事 高崎 史彦

 自然界に起こるすべての現象は素粒子の性質に関係している。自然界で非常にまれに起こる不思議な現象の解明が、人類を 素粒子の世界に導き、さらに宇宙のなぞを解明し、その真の姿にも迫るものと期待されている。素粒子の加速技術、素粒子の 検出技術により、肉眼で見ることのできない素粒子の不思議な性質が次々と明らかになってきた。ここでは、加速器が明らか にしたいくつかの素粒子の性質を解説する。

 

(休憩)

 

5.太陽活動と宇宙放射線量 

東京大学宇宙線研究所 宮原ひろ子

 地球に飛来する宇宙からの放射線(宇宙線)の量は、太陽活動の状態に応じて数十パーセント程度変化することが知られている。 2009年には、100年ぶりともいわれる太陽活動の低下にともない宇宙線の飛来量が約60年間の観測史上最高のレベルに達した。 宇宙線量の変化の原因はどういうものであるのか、また最大でどの程度増え得るのか、南極の氷の分析などからわかってきた宇宙線 の長期変動について紹介する。

  

6.低線量率放射線の長期被ばくによる染色体異常生成に関する最近の知見 

(財)環境科学技術研究所生物影響研究部 田中 公夫

 環境研では、自然界のγ線より約 20〜8000倍高い程度の低レベル線量率の照射で、寿命、発がん、がん遺伝子変異、 免疫機能、代謝異常(脂肪代謝、卵巣障害や肥満)、染色体異常、突然変異、細胞応答、継世代影響を調べているが、今回は 染色体異常の線量・線量率効果について紹介する。ちなみに 0.05mGy/22h/dayを400日間連続照射したマウスの総線量 20m Gy(mSV)は、ほゞ放射線作業従事者の年間の平均線量限度にあたり、このレベルで影響があるか否かは今後重要となる。将来は 感度を上げてさらに低いところを見ることが必要と考えている。

 

7.PETを利用した高精度陽子線治療技術の展望 

株式会社国立がんセンター東病院 西尾 禎治

 近年の急速な技術進歩に伴い、がんの放射線治療は高精度化に向かっている。陽子線治療は腫瘍に高い線量を集中できる高精度 放射線治療の一つである。陽子線治療において、計画通りに腫瘍へ線量が照射されたかどうかを確認することは非常に重要である。 そこで、患者への陽子線照射において、体内中で起こる原子核破砕反応によって生成されるポジトロン放出核を情報因子とし、そ の情報をビームライン上に設置したPETシステムを用いて可視化することで、腫瘍へ陽子線が計画通りに照射されているかを確 認する。本シンポジウムにおいては、陽子線治療、照射領域可視化の原理、ビームオンラインPETシステム及び実臨床利用の紹 介を行う。

 

  

  後  援

文部科学省 近畿経済産業局 独立行政法人日本原子力研究開発機構

財団法人大阪科学技術センター 財団法人電子科学研究所

大阪商工会議所 堺商工会議所

 協 

社)日本物理学会 (社)日本化学会 (社)応用物理学会 (社)電気学会

社)日本分析化学会 (社)日本原子力学会 (社)日本医学放射線学会

社)日本非破壊検査協会 (社)日本放射線技術学会 (社)高分子学会

社)日本アイソトープ協会 (社)近畿化学協会 (社)大阪府技術協会

社)日本表面科学会 (財)放射線利用振興協会  (社) 大阪府放射線技師会

日本放射線化学会 日本核医学会 日本保健物理学会 日本接着学会

日本放射光学会 日本バイオマテリアル学会 日本放射線影響学会

日本防菌防黴学会 関西原子力懇談会 日本陽電子科学会

● このシンポジウムの開催に当たり(公財)中部電気利用基礎研究振興財団より助成金をいただきました。

 

講演会終了後、同所において講師の先生方との交流会を開催します。奮ってご参加ください。

表紙へ戻る これまでの講演リスト 新規行事リスト