第19回 放射線利用総合シンポジウム

参加申込みはこちら (終了しました)

日  時 : 2010年1月22日(金) 10:00〜17:00

場  所 : 大阪大学中之島センター

      (大阪市北区中之島4−3−53 TEL06-6444-2100

             【アクセス地図】

主  催社団法人大阪ニュークリアサイエンス協会

    大阪府立大学 産学官連携機構

後援・協賛団体 : こちら

参加費:一般企業 5,000円  

    協会会員、後援・協賛団体 3,000

    大学・公設機関 1,000円   学生・一般市民 無料

交流会費3,000円

◎参加を希望される方は、参加申込みフォームからお申込み下さい。受付の返信が無い場合は、お手数ですがTEL/FAX等でご確認下さい。

【講演のタイトルおよび講演者】

1.宇宙用太陽電池の耐放射線性 (10:10-11:00)

豊田工業大学物質工学分野 教授 山口真史

 宇宙用太陽電池として、単結晶シリコン太陽電池が用いられてきたが、InGaP/GaAs/Ge3接合セルが実用化されている。宇宙用太陽電池の研究開発の方向性は、高効率化、放射線耐性強化と軽量化である。 ここでは、宇宙用太陽電池の耐放射線性について、放射線照射欠陥、太陽電池特性への影響について概説すると共に、単結晶シリコン太陽電池およびInGaP/GaAs/Ge3接合タンデム太陽電池の耐放射線性強化に関する取り組みを紹介する。

 

2.レーザーと加速器を用いた単色ガンマ線源とその応用 (11:00-11:50)

-宇宙での元素合成過程解明と放射性廃棄物処理への応用-

兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 教授 宮本修治

 ほぼ光の速度で走る高エネルギー電子ビームを、強力なレーザー光と正面衝突 させることにより、ガンマ線ビームを発生することが出来る。これは、レー ザー・コンプトン散乱ガンマ線源と呼ばれている。近年その特徴ある性質によ り、ビッグバンや超新星爆発での元素合成過程の研究など基礎科学や、原子力発 電で発生する長寿命の放射性廃棄物を短寿命化させる廃棄物処理などの応用研究 に用いられている。発生方法と、その性質および利用研究の現状を紹介する。

 

(休憩・昼食 11:50-12:50)

       

3.私たちの食生活と放射線 (12:50-13:35)

日本原燃株式会社 安全技術室放射線管理部 部長 田邉 裕

 ここ数年来、主に青森県内の一般の方々を対象として、知られざる放射線の魅力について、身近な例を引きながら様々な角度から講演しています。今回はこれら講話のうち、青森県の名産物を交えながら食べ物に関連した話をすることにします。メニューは、米、大豆、冷凍寿司、ジャガイモ、ゴーヤ、日本酒、デザート(りんご、梨)などで、食卓を飾る花を添え、食後に薬を飲んでTHE ENDの予定です。

 

4.医療における放射線利用の歴史 -放射線診断と放射線治療の歩み- (13:35- 14:20)

大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター放射線科 主任部長 福田晴行

 レントゲン博士がX線を発見したのは1895年。その翌年には、骨折の診断や癌の治療にX線の使用が始まっています。その後、X線をはじめとする各種の放射線は次々と医療で用いられるようになり、新しい利用方法や新しい装置の開発によって医療の進歩に大きく貢献してきました。現在の医療は放射線を使った画像診断や放射線治療なしでは、成り立ちません。その歴史を概説し、現在の放射線医学についても触れたいと思います。

 

5.X線暗視野法(X-Ray Dark-Field Imaging)による乳腺病変の観察 (14:20-15:05)

国立病院機構名古屋医療センター 市原 周

 シンクロトロン光とLaue geometry analyzer  を使うX線暗視野法は、X線の屈折成分のみを取り出すことのできる新しい画像技術である。造影剤なしでも高いコントラスト(吸収原理の1000倍)、良好な解像度(20ミクロン)を実現できる。この方法で撮影された組織ブロック内の各種乳腺病変の画像と組織像を比較したところ、X線屈折率が良悪鑑別に利用できる可能性が示唆された。

 

(休憩 15:05-15:15)

  

6.原子力発電所の高経年化対策 -いつまでも安全にあり続けるために- (15:15-16:00)

三菱電機株式会社(元 原子力安全・保安院) 路次安憲

 「古い原子力発電所は老朽化しているから安全性に不安がある」との話をよく聞くことがある。 本当にそうなのだろうか?実際には、産学官が連携して個別のプラントについて詳細な検討を 行うとともに、活発に更新工事等が実施されており、その一連の活動が「原子力発電所の 高経年化対策」と呼ばれるものである。ここでは、それら活動内容について、具体的事例を 織り込みながらできるだけわかりやすく紹介することを試みる。

 

7.原子力・放射線利用の新たな展開に向けて (16:00-16:45)

株式会社日本ネットワークサポート 社長 岸田哲二

 日本における原子力、放射線利用の規模は世界のトップレベルにあります。それを支えるプラントや機器の設計、製造に関しては日本の企業が世界を支配できるほどの状況にあります。
 その一方で、共通性がとくに求められる安全などに関する国際ルールつくりに日本は著しく乗り遅れています。
 資源や地球温暖化問題の中で人類の危機を回避し生活レベル向上を図る有力な選択肢である原子力、放射線利用の更なる発展のために、日本はこれまでの弱点を克服し、国際舞台の場でしっかりしたリーダーシップをとる事が大切である。

 

  

  後  援

文部科学省 近畿経済産業局 独立行政法人日本原子力研究開発機構

財団法人大阪科学技術センター 財団法人電子科学研究所

大阪商工会議所 堺商工会議所

 協  賛:

社)日本物理学会 (社)日本化学会 (社)応用物理学会 (社)電気学会

社)日本分析化学会 (社)日本原子力学会 (社)日本医学放射線学会

社)日本非破壊検査協会 (社)日本放射線技術学会 (社)高分子学会

社)日本アイソトープ協会 (社)近畿化学協会 (社)大阪府技術協会

社)日本表面科学会 (財)放射線利用振興協会  (社) 大阪府放射線技師会

日本放射線化学会 日本核医学会 日本保健物理学会 日本接着学会

日本放射光学会 日本バイオマテリアル学会 日本放射線影響学会

日本防菌防黴学会 関西原子力懇談会

●このシンポジウムの開催に当たり(財)関西エネルギー・リサイクル振興財団より助成金をいただきました。

 

講演会終了後、同所において講師の先生方との交流会を開催します。奮ってご参加ください。

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