第一部 講演会 (13:00−17:15)
|
|
1. (ONSA奨励賞受賞講演)
イオン照射によるナノ組織制御を用いた超伝導材料の高特性化に関する研究(30分)
|
|
関西学院大学理工学部 尾崎 壽紀
|
|
現在、各種放射線の利用が日本の科学技術、社会・経済発展に非常に重要な役割を果たしている。特にイオン照射技術を利用した機能材料研究・開発は、今後大きな発展が期待できる科学技術分野である。
本講演では、エネルギー機能性材料である超伝導材料に、比較的低いエネルギー(数MeV以下)でイオン照射を行うことによる超伝導特性の高特性化について紹介する。
|
|
|
|
2.中性子ラジオグラフィの実用化に向けて(50分)
|
|
日本非破壊検査協会 谷口 良一
|
|
中性子ラジオグラフィ(NRT)はX線が苦手としている水素の検出が得意であり、この特徴に注目して、NRTはXRTを補う技術として、約半世紀前から技術開発が始まった。60年代にロケットの火工品(爆裂ボルト)などを対象として実用化が開始されて以後、中性子画像技術の開発は、順調に進められて、IPの利用、高感度化、CT化、高精度化などが進められた。 一方では中性子源の制約が大きく、その後の展開は、必ずしも順調とは言えないものがある。現時点においても中性子のイメージング技術は極めて限定された対象の検査、あるいは研究用の実験技術にとどまっており、産業用として広く普及しているとは言い難い。 本講演は、中性子の画像技術の現時点での全体像を紹介するとともに、中性子イメージングの発展の観点から、中性子源の開発、高感度撮像技術等の開発課題を明らかにすること目的としている。
|
|
|
|
3.日本、及び世界の負イオン型NBIの進展(50分)
|
|
核融合科学研究所 津守 克嘉
|
|
核融合研究における、中性粒子ビーム加熱方式(NBI)は核融合プラズマの加熱と電流駆動に必須な手法である。核融合プラズマ閉じ込め装置の大型化を見越して日本が世界で初めて開発と実用化を行ない、同型NBIは、将来のITERやDEMOでも採用され、建造が予定されている。
本講演では、日本での負イオン型NBIの開発、負イオン源内プラズマの特異な物理現象、そして今後の負イオン型NBIの展開を説明させて頂く。
|
|
|
|
4. 実験動物モデルを用いた放射線発がん研究(50分)
|
|
広島大学 原爆放射線医科学研究所 笹谷 めぐみ
|
|
放射線は線量依存的に発がんリスクを増加させる。しかしながら、低線量・低線量率放射線被ばくによる発がんリスクは未だ明らかにされていない。また一般的に、若年期被ばくは、成人期被ばくよりも発がんリスクが高いがその機構は明らかにされていない。 そこで我々は、実験動物モデルを用いて低線量・低線量率発がんリスク評価や被ばく時年齢が放射線発がんへ及ぼす影響解明を行っている。本研究会では、その研究結果について紹介したい。
|
|
5. 若狭湾エネルギー研究センターの加速器を用いた材料改質・分析実験(50分)
|
|
(公財)若狭湾エネルギー研究センター 研究開発部 石神 龍哉
|
|
若狭湾エネルギー研究センターには200 kVイオン注入装置、タンデム加速器、シンクロトロンという3つの加速器が設置されている。講演ではそれらを使った研究の一部を紹介する。 鉄白金薄膜磁石への窒素イオン注入による保磁力増大、イオン照射による保磁力の低下と弾き出し原子密度との関係について説明する。また、大気中に置かれた材料中の水素が加熱により減少する様子を、高エネルギーイオンビームを用いて観察した結果を報告する。
|
|
5. 総合討論(30分)
|
|
|