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第52回 放射線科学研究会 (終了しました) (聴講記)

 

主    催:

(一社)大阪ニュークリアサイエンス協会
日    時: 平成25年10月25日(金)  13:30〜19:00
場    所: サンエイビル3F講義室
大阪市中央区南船場3-3-27   
 地下鉄御堂筋線線心斎橋駅下車 A出口より約5分【アクセス地図】
第一部 参加費: 企業 5,000円
協会会員、大学・公設機関 1,000円
放射線科学研究会会員、学生、一般市民は無料
第二部 参加費: 3,500円
  参加を希望される方は、研究会の名前、住所、氏名、所属と第一部・第二部参加の有無を記入してまでメールでお申し込み下さい。

 

 
 
第一部 講演会 (13:30−17:30) 

1. エネルギー粒子による金属の照射損傷メカニズムを探る (50分)

  京都大学原子炉実験所 研究員(京都大学名誉教授) 義家 敏正

  原子力材料の多くは中性子等の高エネルギー粒子の照射下で用いられる。高エネルギー粒子は材料に損傷を与え材料特性に影響を与える。 国内で初期に建設された原子炉圧力容器鋼の経年変化が最近問題になっているように、解明されていない現象がまだ残されている。中性子を中心に、イオン、電子照射による金属材料の照射損傷形成メカニズムについて透過電子顕微鏡観察結果を中心に紹介する。
 
2.地層処分環境での炭素鋼オーバーパックの耐食性 (50分)

大阪府立大学大学院工学研究科 講師 井上 博之

  高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を収容する金属製の耐圧容器(オーバーパック)は、定置される地層処分環境において、1000年以上の耐食寿命を有することが要求される。本講演では、処分環境での炭素鋼オーバーパックの耐食性や寿命評価の考え方について述べる。また、筆者らの取り組みを中心に、 炭素鋼オーバーパックの信頼性向上を目的とした最近の研究成果を紹介する。
 
3. 放射線と甲状腺 (50分)  

福島県立医科大学・医学部放射線健康管理学講座教授 大津留 晶

 東日本大震災に引き続く東電福島第1原発事故による原子力災害は、多くの方々が環境から受ける低線量被ばくについて心配されている。原発事故後2年余りの福島の現況を、これまでの原爆やチェルノブイリ原発事故の放射線健康影響研究とを比較するとともに、現在、私達が取り組んでいる 県民健康管理調査の中で、放射線と甲状腺を中心に進捗状況をご紹介する。
 
4.負ミュオン特性X線を用いた非破壊多元素同時分析(50分)

大阪大学大学院理学研究科 助教 二宮 和彦

 X線分析は貴重な考古学資料の非破壊分析をするのに適した分析法の一つであるが、物質の表面でしか高い感度が得られない。それに対して加速器で生成される素粒子である負ミュオン 粒子を物質に入射すると、透過力の強い高エネルギーの負ミュオン特性X線が放出され、物質内部まで感度を持った蛍光X線分析が可能となる。本講演では負ミュオン照射による非破壊元素分析手法の原理について、また一連の研究成果について概説する。
 
第二部 技術交流会 (17:30−19:00)