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京都市内の紅葉も終盤を迎え,観光地は何処もかしこも人,人,人。不況の風もこの時ばかりは忘れられたような風情である。そんな京都で保物セミナー2008は開催された 。
平成20年11月27日(木),28日(金)の両日,場所は京都駅に程近い“エルイン京都”を会場として,165人もの参加者を得てプログラムが進められた。今年のセミナーは数
えて11回目となる。実行委員会のが紹介された。「国際基本安全基準(BSS)改訂状況と論点」では,米原英典氏(放射線医学総合研究所)が,放射線防護の基本理念や安全基準を示したICRPの勧告,具体的な基準を示した国際基本安全基準(BSS)について解説した。「原子力発電所における対応」については,伊藤重氏(東北電力(株))が,ICRP2007年勧告に対する対応策として線量低減対策を挙げられた。また行政に対して,現場に混乱をもたらすことなく,継続性を重視した合理的な放射線防護体系を構築してもらいたいと締めくくった。「RI施設(大学・研究機関)における対応」では,柴田理尋氏(名古屋大学)から,大学のRI利用の特色を紹介された後,2006年の法令改正時における大学の混乱を指摘した。勧告の取り入れに際しては,混乱が起こらないような配慮を希望された。「医療現場における対応」では,細野眞氏(近畿大学)により最新の診断・治療法の詳細な解説と,医療放射線利用の現状を話された。
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晩秋の一時,京都を会場とした保物セミナー2008も山本幸佳氏(大阪大学)の挨拶で盛会のうちに終えることとなった。今回のセミナーでは,原子力はルネッサンスを迎えるとの明るい見通しで始まったが,筆者の属するRI利用分野では,なかなか明るい話は聞こえてこない。次回の開催時には,関西から,“RIルネッサンズの先駆けとなるような話題が出てくることを願って印象記を書き終えることとする。
(京都大学放射性同位元素総合センター)
(lsotope News 2009年4月号より転載) |
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