われわれは,このような現状を改善せんがために,1994年4月から「放射線教育フォーラム」なるボランタリーの組織(前会長は文部大臣有馬朗人氏,現会長は元日本学術会議会長伏見康治氏)を作り,とくに学校における理科教育・放射線教育の改善のための活動を行っている
(49)。その内容は,
(1)学校における放射線゜原子力に問する教育の実情゜問題点の調査
この中には,現在使われている教科書の調査を含む。そして,必要に応じて関係官庁へ要望書・意見書を提出している。すでに文部省へ要望書(42)を2度,意見書を1度,科学技術庁(50)に要望書を1度提出した。文部省への要望書においては,現行の学習指導要領を改正するための具体案ならびにその趣旨を詳しく説明した。
(2)勉強会・ワーキンググループの開催
会員は「放射線教育カリキュラムの検討」「安全に放射線教育を行うための教材の開発」「放射線の生物影響をいかに理解し教えるか」 「現代社会におけるリスクをいかに理解し学校教育でとりあげるか」などの問題について勉強会や小委員会で討議し,教育に利用しやすい形に最新の情報を集約する。(勉強会は年に2回,シンポジウム(公開)は1回,小委員会の会合は年に数回行っている。)
(3)教師むきの研究会の開催
主として中学・高校の理科教員を対象とした講演会や研究会を開催している(毎年1〜2度)。ここでは,専門家からのわかりやすいことぱでの最近の情報の解説のほか,現場の学校教員からは教育経験の発表が行なわれている。将来は日本の各地に支部を設けてこの活動を各地で頻繁に行い,学校教員の資質向上に資することとしたい。
(4)出版
上記の活動を広報するため,機関紙(「ニュースレター」を年に3度,「放射線教育」誌を年に1度,「放射線教育に役立つ文献リスト」を随時刊行している。
(5)マスコミヘの啓蒙
マスコミ関係者に最新の知識・情報を提供して,一般への原子力・放射線に関連した正しい知識の普及に努力する。
(6)国際的規模への拡張
この活動を国際的規模に広げる一つの方法として,1998年12月11〜14日に,神奈川県(湘南国際村)で,ラジウム発見100周年記念事業の1環として,「放射線教育に関する国際シンポジウム」を放射線教育フオーラムの主催にていくつかの学協会との共催・協賛,また文部省・科学技術庁・IAEAなどの後援により開催した(51)。今後,国際的な連絡組織をつくり,定期的にこの種のシンポジウムの開催に向けて努力する。
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