| BSS免除レベルとクリアランスレベルの整合性について 放射線医学総合研究所ラドン研究グルーブ 米原英典 |
背景 ICRP1990年勧告で、除外と免除の概念が明確化されたことを受けて、IAEAでは、基本安全基準(BSS)で免除レベルが規定されるとともに、規制下にある放射性核種を含む物質の規制からの解除することであるクリアランスの概念が提案され、その濃度レベルについて検討が行われてきた。この免除とクリアランスは、似通った概念であり、それらのレベル値は、線量規準を設定してそれぞれ想定される被ばくシナリオを用いて導出した濃度や数量である。しかし線量規準が同じ(通常被ばくの場合は個人の実効線量1が用いられている)であっても、導出されるレベル値は、違った値となる。一般的には、これらのレベル以下は放射性物質ではないという、所謂放射性物質の定義を示すレベルであると解釈されることがあるが、このように免除レベルとクリアラン蛯ォな差はないことが判明した。今後、我が国のクリアランスレベルは、国際的に多くの国でクリアランスレベルとして採用される可能性のあるRS-G-1.7の値が、採用される可能性が高い。 ![]() ![]() まとめと今後の動向 免除レベルとクリアランスレベルは、上述したように、物量や目的により、導出される値が異なるが、クリアランスされた物質が、再ぴ規制対象と判断されてしまうという矛盾が生じないよう、クリアランスレベルは、免除レベルより同じか、低い値である必要がある。また経済の効率を高めるためには、できる限り無用な規制をなくす意味から、少量物質の免除と多量物質は別々の値を規定すべきであり、またクリアランスレベルの施設ごとに違った値を用いることが望ましい。しかし、一方では、同じ放射能濃度の物質が、利用の場面が異なれば、規制の対象かどうかが違った扱いになることは、利用者や一般公衆にとって、放射能に対する不安や規制に対する不信を招くことになる。IAEA安全指針(RS-G-1.7)は、少量物質と多量物質で異なる免除レベルを示したことでこれまでの議論に終止符を打ったことと考えることもできるが、一方では、ICRP新勧告ドラフトでは免除についての記述がなくなっていることや、BSSの改訂が予定されていることなど、すべての物質にこの安全側のレベルを用いるという新たな展開も考えられる。 |