| Z章 トリチウムの環境動態と人体影響 Z‐3トリチウムの環境動態 Z‐3・5 大気から植物へ Z‐3・5・1 定常状態における大気・植物葉・土壌中トリチウム濃度の関係 大気中のトリチウムは、主として、トリチウム水蒸気とトリチウムガスとして存在する。トリチウム水蒸気は、植物の葉面から葉の気孔を通じて、歯の細胞に取り込まれる。空気中の湿度が十分高いときには、植物の葉では炭酸ガスを取り入れてブドウ糖を合成する〔光合成〕ために昼は気孔が開き夜は閉じられる。しかし、空気が乾燥してくると植物は、体内からの水分の損失を防ぐために、気孔を閉じて身を守る。気孔が開かれているとき、大気中のトリチウム水蒸気が植物の葉の細胞内の水と交換することにより、トリチウムが植物の体内に取り込まれる。 HT0に関しては、Murphyの考え方による扱いがこれまでの、トリチウム動態モデルではよく採用されBR> 定常状態では、葉への水流入量と蒸発により失われる量Eは等しい。 E=(ra- rl)/R (3) ここで、 ra=空気の水蒸気密度(g/cm3) R=水の全拡散抵抗 である。 葉面から蒸発するHT0量と根から吸収するHT0量は等しいから、 mfsE=Et (4) の関係が成り立つ。 ここで mfs=根から吸収される水分中のHT0質量割合(mass fraction)である。 (1)、(2)、(3)式を(4)式に代入することにより、次の式が得られる。 土壊からのHT0供給がない場合、すなわちmfs=0となる場合には、 となる。 Z‐3・5・2 0BTでの同位体効果 BaumgaertnerとKimはとうもろこしと大麦の種子をトリチウム水中で発芽させ、0BTの比放射能の変化を調べた 8)。 その結果によると、植物体中0BTの比放射能は植物の成長とともに増大するが、取り込みの過程での同位体効果により、供給水(feed water)中のHT0濃度の0.6倍は超えなかった。ところが、植物がLogistic成長曲線にしたがうと仮定して、0BHと0BTの成長曲線を求めてみると、成長過程では、0BTの方が取り込まれやすいことがわかった。この現象をかれらは、水素結合へ交換反応によりトリチウム原子が選択的に取り込まれるためであるとしている。 |