| W章 低線量放射線の健康影響の疫学的調査 W‐11 放射線に弱い“ナイミーヘン症候群”患者のDNA修復不全 ナイミーヘン遺伝病の特異的疾患と2本鎖DNA切断修復不全の関連 ナイミーへン患者は2本鎖DNA切断修復不全症である。これが原因となって、患者にはつぎの特異的疾患が発生する。1)患者の大半が先天性奇形症、小頭症頻度は100%;2)患者の35%がリンパ腫・白血病を21歳までに発病;3)全患者は若年で死亡;4)免疫不全症;5)末梢血リンパ球に転座・逆位が多発;6)患者の体細胞は、正常細胞より2−3倍のX線致死高感受性;7)患者の細胞は、放射線被ばく後、正常細胞で起こる「DNA合成一時停止」が起こらない。 上述の特性のうち、6)と7)は、ナイミーへン患者はDNA修復不全症であるため、放射線誘発の2本鎖DNA切断(dsb)の修復が不全となっている結果として説明できる。 特異唐アで、N=40Dn (6A) この式に自然発生dsbと放射線誘発dsbの毒性の強さの比fを補正囚子として追加すると式(6)の厳密な式になる。 ![]() 図W‐16 ナイミーヘン等価線量Dnの定義:正常人細胞が線量Dnを浴ぴたとき修復されないで残る2本鎖DNA切断(dsb)の数N(1−R)は、ナイミーヘン患者細胞に毎日自然発生するdsbのうち修復されない残存dsbの数n(1−r)のT日間の累積数Tn(1−r)と等しい。図の●印は残存dsbの数で、両細胞で等しい大きさ。rとRは、それぞれ、患者細胞と正常細胞のdsbに対する修復効率。r=0.4なら、傷が40%修復し、残存dsbの割合は(1−r)=0.6になることを意味する。Tは正常人が放射線被ばくして、ナイミーヘン患者と同類の疾息を発病をする危険期間の日数。 |