第1部 講演会 13:30〜17:15
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1.超小型・低加速電子線照射装置 (50分)
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ウシオ電機株式会社 技術統括本部 パワー・システム部 小池一宇
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電子線は樹脂の硬化反応、架橋、容器の滅菌、排ガス処理など多くの工業用用途で利用されている。超小型・低加速の電子線源Min-EB は真空チャンバーや排気システムを必要としない画期的な電子線源である。 本講演では、Min-EB および超小型・低加速電子線照射装置について、特徴や利用例などを中心に紹介する。
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2.文化財の修復材料開発への電子線照射利用(50分)
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国立文化財機構 東京文化財研究所 佐野千絵
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文化財修理においては虫損や焼失部分を現代の修理材料で補強するが、物性がオリジナル材料と大きく異なると、温湿度変化に伴い修理材料がオリジナル材料を引っ張り、修理後に文化財を傷める要因となることもある。かつての修理では、古裂をあてて修理されてきたが、現在では電子線照射で修理材料を劣化促進し強度を合わせる技術が採用されている。本講演では、文化財修理の現状と合わせて紹介する。
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3.銅ドープ酸化物ガラスにおけるラジオフォトルミネッセンス挙動(50分)
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京都工藝繊維大学 工芸科学研究科 材料創製化学専攻 角野広平
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ラジオフォトルミネッセンス現象(RPL)を利用したドシメータ材料としては、Ag 活性リン酸塩ガラスが実用化されている。一方、当研究室では、銅を少量(0.005 mol%程度)ドープした酸化物ガラスにおいても良好なRPL を見出した。銅ドープガラスにおけるRPL の基本的なメカニズムとしては、放射線照射によって、ガラス中のCu2+イオンが発光性のCu+イオンへ変化することによるものと考えられる。ここでは、銅ドープ酸化物ガラスにおけるRPL 現象の特徴と今後の研究課題等について紹介する。
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4.植物と放射線(50分)
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量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 関西光科学研究所 田中 淳
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生命の誕生から、植物は紫外線と深い関係を持っている。植物にはヒトにはない、紫外線に耐えるメカニズムを備えている。その上、放射線にも強く、なぜそのような機能を持っているのか、興味深い。
一方で、いかに放射線に強い植物でもDNA 損傷を起こし、突然変異を起こす。これを利用して、様々な品種改良も進められている。今回の講演では、これらの研究で得られた知見をトピックス的にお話ししたい。
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第2部 技術交流会 17:30〜19:00
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