第1部 講演会 13:30〜17:15
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1.太陽紫外線による老人性白内障の進行とその発症機構の解明(50分)
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京都大学 原子炉実験所 高田 匠
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白内障は老化の進行や紫外線照射により眼の水晶体が濁り、視力を失う疾患で、80歳以上の老人では誰もが発症する。
従来、その発症原因は不明であったが、我々は水晶体の透明性を維持している蛋白質中のアミノ酸が老化という長い年月を経て化学的に変化することが主因であることを明らかにしてきた。
本講演では、この蛋白質構成アミノ酸の化学変化を蛋白質損傷のマーカーとして、白内障に至る過程を易しく解説する。
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2.光硬化技術を用いた機能性ハイブリッド薄膜の創成(50分)
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京都工芸繊維大学 分子化学系 松川 公洋
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有機無機ハイブリッド材料は、有機と無機の物性トレードオフを解消し、より高い機能性を実現できる材料として注目されている。
ハイブリッド界面での架橋反応に、光硬化技術を用いることで、材料設計及び合成が容易になる。本講演では、ナノ粒子やシルセスキオキサンをナノ分散した高屈折率材料の開発を中心に、我々の研究成果を紹介する。
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3.相対論的フェムト秒電子線パルスによる超高速電子線回折と電子顕微鏡の開発(50分)
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大阪大学
産業科学研究所 楊 金峰
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超高速の物質構造変化ダイナミクスや構造相転移現象の観察は、新しい物質の創製・機能の発見に非常に重要である。
我々は、フェムト秒短パルスレーザーが駆動するフォトカソード高周波(RF)電子銃を用いて相対論的エネルギーのフェムト秒電子線パルスを発生し、時間分解構造解析法を通して電子線結晶学の新展開を推進している。
本講演会では、フェムト秒電子線パルスの発生および超高速電子線回折と電子顕微鏡装置の開発現状について紹介する。
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4.RaysからRayへ:単数として扱う放射線の物理と化学(50分)
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京都大学
大学院工学研究科
分子工学専攻 関 修平
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1920年、高分子の概念が成立するころとほぼ時を同じくして、電離放射線と高分子の相互作用に基づく研究が始まった。当時、おそらく最強の物理化学ツールでもあった電離放射線は、有機材料中の化学反応誘起源としても極めて有効であり、特にその空間均一性や定量性に基づく基礎研究が爆発的に拡大した。
今一度、この「空間均一性」の原点まで戻って、展開できる新しい研究、粒子放射線化学反応の材料形成ツールとしての面白さについて紹介する。
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第2部 技術交流会 17:30〜19:00
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