1.電子線グラフト重合技術を活用した繊維状触媒材料の開発(50分)
(独)日本原子力研究開発機構 瀬古 典明
エネルギー資源確保のために、環境負荷低減型の廃食油からのバイオディーゼル燃料(BDF)の生成技術として、電子線グラフト重合技術を利用してBDFへ転換可能な繊維状固体触媒の開発を進めている。作製した塩基性陰イオン交換繊維は、菜種油やパームオイルの他、廃油成分のトリグリセリドをBDFとなる脂肪酸エステルに効率的に転換できることを確認した。
2.ナノコンポジット熱収縮チューブの開発(50分)
住友電気工業株式会社エレクトロニクス・材料研究所 高分子材料技術研究部 山崎 智
熱収縮チューブは加熱することで径方向に収縮するチューブで、家電、電子機器、自動車、航空機などの分野において幅広く使用されている。近年の電子部品の小型化・高性能化に伴い、薄肉化のニーズが高まっている。収縮特性に優れる低融点の低密度ポリエチレンにナノフィラーを添加し、ナノコンポジット化することで、薄肉でも挿入作業性を確保できる熱収縮チューブを開発した。
3.低温プラズマ加工技術を応用した繊維素材の展開(50分)
ユニチカトレーディング株式会社技術開発部 吉田 耕二
低温プラズマ技術による繊維加工は、環境への負荷の低減や、その物質自体の特性は変えずに表面特性を変えることができる特徴がある。当社では、低温プラズマ加工技術による繊維加工の研究を約30年前から開始し、羊毛やポリエステル素材に低温プラズマ加工処理した機能加工素材を開発、販売している。本講演ではプラズマに関する基礎的な説明と、当社の低温プラズマ加工技術を応用した機能素材について紹介する。
4. 大気圧プラズマ応用技術(50分)
積水化学工業株式会社 P2事業推進部 湯浅 基和
大気圧プラズマは、電子材料製造プロセスにおいては、@装置が小さく簡便で大型化が容易である、A連続の高速処理が可能であることから、真空プロセスやUVに変わりうる技術として量産工程で指定席化されている。本講演では、大気圧プラズマの発生原理や反応メカニズムを解説し、FPDやプリント配線基板等の多数の応用例を報告する。
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