|
|
【講演の内容】
第一部 講演会 (13:30−17:30)
|
|
1. 軽水炉構造材料の照射挙動(50分)
|
|
(株)原子力安全システム研究所 技術システム研究所 福谷 耕司
|
|
軽水炉では運転中に核燃料から中性子やγ線が多量に放出されるため、核燃料周辺の構造物では照射による損傷が蓄積し材料性質が大きく変化する。
本講演では、重要構造物である原子炉圧力容器と炉内構造物に使用されている材料の照射挙動について、その特徴と工学的対応、原子レベルのアトムプローブ分析など研究所で行っている劣化メカニズムの研究を紹介する。
|
|
|
|
2.トリチウムの特徴と安全取り扱い技術 (50分)
|
|
富山大学 研究推進機構 水素同位体科学研究センター 波多野 雄治
|
|
トリチウムは低エネルギーのβ線(最大18.6 keV)のみを放出する水素の放射性同位体で、核融合炉の燃料であり、また福島第一原発の汚染水中に残存する厄介者でもある。生体中のβ線の飛程が約6μmと短く、外部被ばくは問題とならないが、一般的な放射線測定器では検出できないなどの注意点もある。本講演では、トリチウムの特徴と、安全取り扱い技術に関わる研究開発の内容をご紹介する。
|
|
|
|
3.細胞内抗酸化性を向上させる低線量放射線バイスタンダー効果(50分)
|
|
名古屋大学 未来材料・システム研究所 熊谷 純
|
|
放射線被曝した細胞から分泌される因子が未被曝の細胞に対して作用する放射線バイスタンダー効果は,低線量被曝影響を解明する上で重要である。講演では,被曝した細胞(ドナー)から分泌される因子を含む培地を未被曝の細胞(レシピエント)に作用させると,低線量においてレシピエント中の細胞内抗酸化性が向上したこと,ドナーからの細胞外小胞(エクソソーム)のサイズ分布が低線量被曝で変化したことを紹介する。
|
|
|
|
4. ホウ素中性子捕捉療法のための生物影響研究(50分)
|
|
京都大学原子炉実験所 木梨 友子
|
|
ガン細胞にホウ素-10を集積させて熱外中性子を照射し、ガン細胞を攻撃する治療方法がホウ素中性子捕捉療法(BNCT)である。BNCT治療患者の血中リンパ球を用いた線量評価でBNCTでは全身被ばく線量が一般の放射線治療に比べて5分の1程度となることを証明した。また、BNCTにおいてラジカルスカベンジャーが正常細胞について防護効果があることやガン細胞を用いて中性子によるDNA損傷の特徴を明らかにした。
|
|
第二部 技術交流会 (17:30−19:00)
|
|