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放射線照射の事例:
本施設を利用されている外部依頼者は、大学・研究機関、企業では、電線、電気、化学薬品、医療器具、プラント、繊維、食品、和楽器などの各メーカーから検査会社まで多岐にわたっています。以下に照射利用の事例を紹介します。照射を企画する上での参考にしてください。 1.耐放射線性試験 電子部品機器、ロボット用部品、光ファイバー、カメラ、カメラレンズ、LED、半導体検出器、ケーブルなど、MOSFETやSiバイボーラトランジスタ、マイクロプロセッサ、メモリIC、各種電子部品の劣化試験、原子力発電所用絶縁材料評価、 2.線量計の比較校正 イオンチェンバ、CIC,BF3管、アラニン線量計のガンマ線特性試験、TLD素子の基準照射 3.物質の物理的変化の利用に関するもの 半導体デバイスの特性改善、ガラスの物性変化、真珠・宝石等の照射着色、耐放射線性素子の開発、熱ルミネッセンスによる古陶磁器の真贋の判定、石英による年代測定 4.架橋、重合、分解等の放射線化学の利用に関するもの 電線被覆材料の硬化、CDパッケージ、カラーインジケーターの開発、半導体リソグラフィー 5.動物、植物の放射線感受性を利用するもの 植物品種の改良・・・最近では耐黒斑病二十世紀梨(ゴールド二十世紀)、アミロース含量の少ないうるち米(あかねふじ)などの成功例があります。その他、植物カルスの突然変異の誘発、微生物の改良など。 病虫害対策・・・沖縄県でウリミ蝿の根絶に成功した例はNHK特集でも放送されました。 食品照射・・・日本ではジャガイモの芽止めだけが唯一許可されていますが、世界では、すでに香辛料や肉類など、あらゆる食品の腐敗防止、食中毒防止、虫害排除策等に利用されています。 医療器具、動物飼料等の滅菌・・・成型し包装した後に処理できるので理想的な手段となっています。 *放射線を照射された食品には放射能が残るだろうというのは単純な誤解です。中性子以外の通常使われる放射線では放射化は起こりません。 それより農薬を使うことに比べると、放射線ははるかに環境に優しい手段です。なぜなら、農薬のほとんどは虫やばい菌と出会わないので無駄なばら撒きが必要となり、それだけ大量に、そして長期に環境を汚染しますが、放射線は生産物だけを対象にし、中にいる生物を死なせた後には何も残らないので、人類が見つけたもっとも理想的な手段だと言えます。 6.その他 和楽器部品(三味線・琴の弦や駒、皮、ばち、テトロン糸等)の品質改良等・・・最近の「わたしたちの暮らしと放射線」展で三味線糸を製造している丸三ハシモト株式会社の橋本圭祐社長に「三味線糸と放射線のかかわり」について話していただきました。(関連記事はこちら) なお、疑問や研究企画に当たってのご相談等は までメールしてください。
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